第18話 ドレロス領
街を探索してくるといって出て行ったヒルダ姉さんと別れ、領主の屋敷の前でおりる。
そこはレンガ造りの少し古いけど立派な屋敷があった。辺境伯であるうちよりは小さいが地方にしては立派な屋敷である。
それもそのはず、このドレロス領の領主の屋敷であり、シャーロット王女もここでお世話になっているらしい。
使用人に名前を伝え招待状を見せると、シグレと共にスムーズに通されさっそく胸元の隠された赤いドレスを身にまとったシャーロット姫とクロエが出迎えてくれる。
「お久しぶりですね、セインさん、シグレお会いしたかったです」
優しそうな笑みを浮かべて、綺麗な所作で片足を後ろに引き膝を曲げて挨拶をしてくれるシャーロット王女。
格下の貴族出る俺やメイドにすら声をかける姿はまさに心優しき貴族令嬢といったようで……
「え、なにこれ、こわい……」
「セイン様……思っていてもそんなこと言っちゃだめですよ!!」
思わず本音を漏らした俺にシグレが注意するがもう遅かった。
「なにがこわいのでしょうか? 面白いことをおっしゃいますね」
シャーロット王女が可愛らしく首をかしげているがその目は一切笑っておらず殺気すら感じる、クロエさんは噴き出すのをこらえるように口を手で抑えているのが見えた。
だって、仕方ないじゃないか、俺は勝気な彼女の本性を知っているんだから……
「まあいいでしょう。来て早々で申し訳ありませんが、あなたがたにお見せしたいものがあります。クロエ、馬車の準備を」
「え、シャーロット様、もう行ってしまわれるんですか?」
声をかけてきたのはシャーロットとは対照的に青い胸元のぱっくりと空いたドレスに身を包んだ金髪の女性だった。
余談だが、貴族にとっても胸元は魅力をアピールする場所らしく、強調するよう、まっ平らな胸元にネックレスを身に着けている。
「うう……久々にシャーロット様とお茶をご一緒できると思いましたのに……」
残念そうにうなだれるソフィアという少女の頭を優しくなでるシャーロット姫。ちょっと百合の香りがするね。
「ごめんなさいね、ソフィア。今日はこのお客様を案内する約束をしているんです。帰ってきたらご一緒しましょう」
「はい……絶対約束ですからね!! あと久々にお風呂もご一緒いたしましょう!!」
しばらく頭を撫でられていたソフィアさんだったが、こちらを見ると恥ずかしそうに咳払いをして、こちらに挨拶をする。
「自己紹介が遅れてしまいましたわね、私はソフィア=ドレロスですわ。父がこのドレロス領の領主をやっておりますの。以後お見知りおきを」
「ご丁寧にありがとうございます。俺はセイン=ギャンガーと申します」
地方の領主の娘とか思えないくらい綺麗な所作でお辞儀をする彼女に驚きながら挨拶をかわすとなぜだが、大きく目を見開いた。
「セイン様……あらまあ、ではあなた様がシャーロット王女のおっしゃていた救世主様ですのね!! いろいろとお話は聞いておりますわ。昨日からあなた様のことばかり話して……」
「ソフィア!! 余計なことは言わなくていいんです。さあ、セインさん、早く行きましょう!!」
シャーロット王女は顔を赤くすると駆け足で外へ向かってしまう。そんな様子を見て、クロエがクスリと笑う。
「おやおや、シャーロット様は照れてらっしゃるようですね、可愛いと思いませんか?」
「え……あ、その……」
なんといっていいかわからず、混乱していると腕を柔らかいものが包む。
「どうしたの、シグレ?」
「別になんでもありません。ただ、私はセイン様のものだということをアピールしておこうと思いまして……」
「ああ、俺はシグレを信頼しているよ」
「えへへ、そう言っていただけると嬉しいです」
ちょっとすねた感じだったが、すぐに機嫌のよくなったシグレにちょっと困惑するのだった。
馬車に揺られて、俺たちはシャーロット王女の私有地へと向かう。中にいるのは俺とシグレにシャーロット王女で、クロエさんが御者をやっている。
あの人何でもできるね……
「ふー、息苦しいわ……」
「うわぁ!? おっぱい!!」
一息ついたシャーロット姫がいきなりボタンをはずし、胸元を空けるものだから、その豊かな谷間についつい目がいってしまう。
これは巨乳好きの本能である。
「その反応はやっぱり新鮮でうれしいわね」
「……では、私も失礼いたします」
シグレがメイド服を着たまま器用にサラシをとると、その豊かな胸元が狭いようと訴えるかのようにメイド服がぱっつぱっつになる。
しかも、それを俺の腕に押し付けるものだからたまらない。横には着衣巨乳と目の前にはロイヤル谷間と異世界にきて本当に良かったと思う。
「なんで泣いてるのよ……」
「いやぁ、その異世界にきて巨乳に囲まれたのが嬉しくてつい……」
「セイン様……今夜もたっぷり仲良くしましょうね」
天国過ぎて号泣してしまった。だけど、今はそれを堪能している場合ではないのはわかる。
「ソフィアさんはシャーロット王女の胸のことを知っているみたいだね。なのにあんなに慕ってくれているなんてすごいな」
「ええ……色々あったのよ。あなたは巨乳聖女って知ってるかしら?」
エロゲやエッチな本のタイトルみたいである。
「何それ、ネーミングセンスやばいね」
「私のことよ、気に入っているのだけれど……」
「いやーー、いい名前だなぁ。俺も子供ができたら将来『巨乳聖女』って名づけようかなぁ……」
とっさにごまかすもジトーっととした目で見られる。まずい一気に好感度が下がった気がする。
「『巨乳聖女』……不思議な力で病を癒す謎の魔法使いがいると噂は聞いたことがありますが、まさかシャーロット様だったなんて……」
「え? そんなにすごいの?」
「はい、薬師もあきらめた病も治療するということで奇跡の担い手と言われています」
「貴族や有力な商人に有用性を示しておけばないがしろにはできないでしょう? 内心どう思っていてもね」
なるほど……ヘスティア様の力で恩を売っておいて、発言力を高めていたってことか……
「じゃあ、ソフィアさんも……」
「ええ、重い病気だったけど加護で治療したわ。そうしたらこの胸だって言うのに懐いてくれて……彼女の父も恩を感じてくれたのかだいぶ融通を聞かせてくれるようになったわ。それこそ……領地の一部を巨乳たちの避難所にしてくれるくらいにね」
シャーロット王女が得意げに笑うと同時に馬車が止まる。目的地についたということだろう。
窓の外に広がるのは村だった。申し訳程度の木の柵があり、農作業をしている女性や、世間話をしている女性たちが目に入って……俺は思わず、扉を空けざるおえなかった。
だって……
「みんなおっぱいが大きい……」
そこには推定Dカップ以上の女性しかいなかったのだから……
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