第19話 シャーロット王女と巨乳奴隷
シャーロット王女の案内で訪れた私有地に来た時の俺の感動をどうしめせばいいだろうか? 例えるならば新大陸を発見したコロンブスや、ワン〇ースを発見したルフィと同じくらいの衝撃を受けたと思う。
いや、転生したからルフィがワンピースを見つけたかしらないけど……
「おっぱいだ……大きいおっぱいだ……」
「ふふ、本当に巨乳が好きなのね、あなた」
「うわぁ……さすがにちょっとキモイですね……」
思わず号泣している俺にシャーロット王女と、クロエさんがそれぞれ感想を買っているがろくに耳に入らなかった。
だって、仕方ないじゃないか? こんな風に谷間を見る機会も二人しかなかったんだ。そう思っていると腕がぎゅーーーと柔らかいものに押し付けられる。
「セイン様の大好きな胸はここにもありますから忘れないでくださいね」
「ああ、もちろんだ。シグレの胸を忘れるはずないだろ。俺の初めて見た最高の巨乳なんだからさ」
「えへへ、そう言ってくださるとうれしいです」
ほほを膨らましていたシグレだったが満面の笑みを浮かべてくれる。ああ癒される。
そんなやりとりが一息つくとシャーロット王女がコホンと咳払いをする。
「……そろそろ進んでいいかしら?」
「ああ、ごめん……」
慌てて体を離す俺たち。ちょっと寂しいけどそんなことをやっている場合ではないだろう。
「お久しぶりですね、アネット。収穫はどうですか?」
「あ、シャーロット様!! 帰ってきてくださったんですね。順調ですよ、今度うちで採れたお野菜でパーティーをしましょう」
「楽しみにしているわ、お土産を馬車につんであるからあとで受け取ってくださいね」
農作業をしていた女性は声をかけてきたのがシャーロット王女だと、気づくと満面の笑みをうかべ……
なぜか、俺を見ると大きく目を見開いてその豊かな胸元を隠す。エッチな視線にきづかれてしまったか?
「大丈夫ですよ、アネット。この人は我々の同士です。ほらね?」
「うわぁ」
シャーロット王女がいきなりその豊かな胸を腕に押し付けてきたたものだから思わずニヤリとしてしまう。
するとアネットさんは大きく目を見開いて…… 嬉しそうに声を上げた
「大きい胸にさわって嬉しそうな顔をしてくれるの……?」」
「ええ、セインさんは私たちの救世主になってくれるらしいですよ」
「ちょっと、シャーロット王女?」
「せっかくなんだから彼女たちを安心させてあげなさい。救世主なんだからそれくらいできるでしょ?」
耳元でささやきにやりと笑うとシャーロット王女は俺から手を離しスタスタと歩いていく。期待しているというよりも煽られている。これは試されているのだろう。
俺がちゃんと彼女たちの救世主になれるかを……その姿を示せるかを。
「俺はヘスティア様の名前にかけてあなたたち巨乳が過ごしやすい世界を作ろうと思います」
「……ありがとうございます。楽しみにしています」
嬉しそうにほほ笑むアネットさんに見送られて俺たちは先に進む。
あの後も外ズラ優等生モードのシャーロット姫は住民たちと色々と話をしながら歩き、ようやく奥の少しだけ立派な家にたどりついた。
おもわずつっこみそうになったけどシャーロット王女は裏表のない素敵な人です。裏表のない素敵な人です。と自分に必死に言い聞かせて何とか抑えた自分をほめてほしい。
そして、お茶の準備しに行ったクロエとシグレを見送りながら口を開く
「何か聞きたそうね、セイン」
「あなたは巨乳を奴隷と称しながら、必死に保護していたというのはわかりました。そして、あなたは彼女たちにとっていい指導者なのでしょう」
「……そう思う根拠は?」
「ここにいる彼女たちはみんなのびのびと幸せそうに生きていました。そして、あなたを見る目は敬意に満ちていました」
館でイザベラにいじめられていたシグレを思い出す。彼女は自分の本当の胸を隠して気まずそうに生きていた。おそらくあれがこの世界の巨乳の姿なのだろう。だけど、ここでは違った。
みんながみんな活き活きとしていたのだ。
「ええ、そうよ。私は貴族たちを治療する代わりに、領地に巨乳が現れたら教えてもらって保護していたの」
「ですが、なんで巨乳奴隷という名称を使っているのですか? 巨乳を奴隷にしていると思われるのはあなたにとっても不名誉なことのはずだ」
この世界では奴隷は認められていない。巨乳奴隷というのもあくまで蔑称にすぎない。人を奴隷扱いするのはアレな人間だとおもわれてしまうのだ。
そう思った俺に彼女は苦笑する。
「あなたはこの世界をまだわかっていないわね。、単に巨乳を保護するといえば特別扱いするのかと民衆から反感をかってしまうわ。。だからこそ、奴隷と称して集めないといけなかったのよ」
「でも、そんなことをしたらあなたの民衆からの評価は……」
心配する俺の言葉に彼女は笑みを浮かべる。その表情はまるですべての痛みを受けてもなお進む戦乙女のように凛々しかった。
「ええ、醜い巨乳をいじめるクズな王族ってところかしら? でも、私がクズだと思われるくらいで人の命を助けられるならば安いものでしょう?」
「かっこいいな……」
「ふん、別にあなたに褒められたって嬉しくなんかないわ」
思わず本音を漏らすとシャーロット王女は顔を真っ赤にして、そっぽを向く。短い間だが、巨乳の扱いのひどさはわかっていた。
ここまでするのにどれだけ彼女は苦労したのだろう。そして、巨乳たちはどれだけ救われたのだろう。
「あなたは本当に一人で戦っていたんですね……俺にもあなたを手伝わせてください。俺の救世主の力は必ず役に立つと思います」
気づけば俺は彼女に忠誠を誓うように片膝をついていた。それだけ感動したのだ。だって、
彼女自身も巨乳で……いろいろと苦労していたはずなのに……
「別にすごくなんかないわよ。この領地だってお姉さまや他の貴族と取引をして得たものだし……ここは強力な魔物が封印されているわけありの地なのよ。本当はみんなにもっとちゃんとしたところで暮らしてほしかったわ」
まだまだ足りないとばかりに悔しそうに唇をかむ彼女の姿に胸が熱くなり、その手を思わず握りしめる。
「ちょっと……」
「そんなことはありません、少なくともここにいる人たちはあなたに感謝し尊敬していると思います。だから、俺もあなたの力になりたいと思います」
「ふーん、よく言うわね。でも、ただの辺境伯の次男坊に過ぎないあなたが何をできるというのかしら? ヘスティア様の加護にでも頼る?」
「ええ、ヘスティア様の加護には頼ります。そして、そのうえで俺は兄を超えて辺境伯の後継者になってみせましょう」
これはずっと考えていたことだ。ヘスティア様の力で強くなるだけではおそらく足りない。世界を変えるには力だけではなく権力も必要なのだ。
その道はつらく険しいかもしれない、だけど、努力して世界を変えようとしている彼女の前で弱音を吐くことなんてできなかった。
しばらく、俺を見つめていた彼女がぎゅーっと手を握り返してくれる。
「そう……そこまでいうなら後戻りはできないわよ。巨乳好きの変態として世界から軽蔑されることになるかもしれない。その覚悟はあるのかしら、セイン=ギャンガー」
「ええ、俺はあなたの信頼を裏切らないと誓いましょう。シャーロット=ホーリースター様」
「期待しているわよ、救世主様」
にやりと救世主と呼ぶ彼女の言葉だったが、これまでとは違いどこか期待がこもっているのが感じられたのが嬉しかった。
「おっと仲良くおててをつないで……しばらく。お二人にしたほうがよかったでしょうか?」
「この短期間で随分と仲良くなったようですね、さすがです、セイン様」
「きゃぁぁぁぁ」
「うわぁあ」
お茶を運んできた二人の視線に思わず手を離す。だけど、俺の胸は熱くたぎっていた。彼女とならばこの世界を変えられると思ったのだ。
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