第33話

俺たちは久しぶりに湖に来ていた、この前に狐菊とヨットの勝負の後に釣りにいつか来ようと約束しており天気も快晴になって釣り日和と考えて来ていた。






前に戦いで怪我をしたところも完治して元気になっていた、そして狐菊と円城寺信胤さんは釣りでどちらが多く釣れるか勝負だと気合を入れていた。そして夕暮れで終えて町に集合ということに決まった。






全く、勝負などしなくてゆっくりとすれば良いのにと思いながら湖で釣りを始めてた。それぞれが思う場所で釣りをしている中、俺は町の近く水辺で釣りをしていた。






ここはあんまり釣れないかも知れないけどここを選んだ理由としては安全性が高いことで選んだ、こちらには凪くんも同行しているので危険な所まで行けるはずもなかった。






この辺にはあのアークレックスが生息しており危険な場所なので他のみんなは町とは離れているのでアークレックスに遭遇しないか心配である。






アークレックスはこの辺りで生態系の頂点に立つ生物なので遭遇しないことに越したことはないけどこの展開からして遭遇する可能性が高いなと考えて、念の為に薙刀や薬なども持ってきていた。異世界ではいつもながらトラブルは発生するものだから仕方がないと言えばそこまでになるけど。






そうしながら俺は釣りをしていると凪くんが水遊びをして楽しんでいた。やはり、子供はこうして元気に遊んでいるのが一番だよなと思っていると凪くんがなにか用事あるのかまたは何かしらのイタズラをするつもりでいるのか分からないけど竿を置いて凪くんの方を振り向いてみると凪くんがリスみたいに口を膨らませていた。






そうして嬉しそうにしながら口の膨らんでいたものを両腕で潰すと中に入っていた水が鉄砲水みたいに出てきて俺に水を当ててきた。






終えると楽しそうに笑っていたので俺はこのイタズラ好きな子めと優しく捕まえてこのこのとしていた。凪くんも嬉しそうにしていると凪くんが竿が動いていると言われて見てみると竿が動いており魚が餌に食らいついたのかとすぐに凪くんを置いて竿を持ち始めた。






するとそこまで大きくはないけどそこそこの大きさの魚だろうと影と引きの強さで理解できた。そうして一気に竿を引いて釣り上げた。






釣り上げた魚は見たこともない魚で食べられるのかなと考えていたけどとりあえずボックスに入れてまた釣りを始めた。






皆はどのようにしているのかなと考えていた時に遠くから地震みたいな地鳴りが響いて間違いなくあのアークレックスがこちらに向かってきていることは間違いないと理解して俺はすぐにリオを召喚してすぐにリオにお願いした。






「リオ、凪くんを安全な場所まで運んでおいて。俺は迫りくるアークレックスを迎え撃つから。さあ、行ってくれ」






そう言うとリオは凪くんを口で捕まえて凪くんには暴れないで頑張れると聞くと頑張ると返事が返ってきたので良しと言ってからリオは空に飛び出した。






その後にすぐにアークレックスの姿が見えてきた。最初に出会った時には暗くて全体的によく見えなかったけど今は昼間なのでしっかりと見ていたけど想像を超えるほどに大きいなと感じた。






その上に見た目が完全に恐竜であり、ティラノサウルスみたいだなと感じてしまうほどに迫力があった。そう考えているとアークレックスの前に人影があり、誰かが追いかけられているとすぐに理解して誰だと思いで望遠鏡で確認すると・・・椛さんだった。






椛さんー!?貴女は長生きをしていますよね、なんで危険なところに向かってしまったのですか。しかも妖狐だから明らかに人間よりも強いですよねと思いながらも助けないと危ないと感じたので俺は久しぶりに神通力を開放して現人神状態になった。






開放して薙刀を手に持ち、一気にアークレックスに迫った。アークレックスもこちらに気がついて攻撃してきたけど俺はジャンプして攻撃を回避して薙刀に炎を纏わせて火焔車を発動させてアークレックスに出来上がった火焔車を投げ飛ばした。






すると向こうもそれに感じて避けてきたが流石にあの巨体なので避けきれずにダメージは通ったけど思っていた以上にはダメージはなさそうだ。






すると肉にはダメージがなかったが毛に炎が移り丸焦げ状態になり始めた。アークレックスも必死に火を消そうと暴れまわったけど消せずにこれってもしかして好機到来と考えて一気にケリをつけるために再び、薙刀に力をためてから首元を一気に一刀両断したのだった。






一気に血しぶきが起きてそのままアークレックスは地面に倒れ込んで亡くなった。さて、俺はアークレックスが亡くなったことを確認してから神通力を抑えた。魚ではないけど大物が釣れてしまったなと思っていると椛さんが今のはかなり格好良かったのじゃと言ってくれた。






素直に嬉しいと言いたかったけどなんであんな危険な生物に襲われてしまったのかと尋ねるとあのアークレックスが巡回している場所は魚も多く集まるからそれを狙っていたらしい。






アークレックスが遠出したと思っていたらすぐに引き返してきて鉢合わせしてしまったと言うのだ。それに椛さんは今回は御札など戦う準備などしていなかったので逃げるしか出来ずに町の方に向かって全力疾走していたら俺の場所に来たというのだ。






全く、そんな危険地帯に行くことになるならしっかりと準備をしてから向かって下さいと説教をする羽目になった。その後は町の方からこのアークレックスの解体作業を手伝って下さいとお願いしてから素材や肉などは俺には必要はあんまり無いですからというと町の人々は喜んで手伝いをしてくれた。






すると一部の肉は討伐してくれたお礼としてもらう事になった。アークレックスの肉って美味いのかと聞くと町の人々も椛さんも嬉しそうにして頷いた。






なるほどなら討伐しても良かったと感じた、食べないのに殺すのは気が引けるからなと思いながら安全が確認できたのでリオたちが戻ってきて俺たちは少しばかりその場から離れて再び釣りを始めた。






そうして釣り場を変えたおかげで先程よりも釣れやすくなり釣りを楽しんでいた。するとここで凪くんがお腹が空いたとこちらを見て言ってきたので昼飯を取り出した。






取り出したと言ってもおにぎりのみで残りは現地調達するつもりだったので近くにいる椛さんに釣れた魚で食べられるやつはありますかと聞いてみると全て食べられると言ってなおかつ骨があんまり無い魚なども教えてくれたのですぐに調理言うほどではないけど始めた。






火を起こして魚を串刺しして焼き始めた、焼きながら味噌などを魚に塗って味を染み込ませるようにして焼いていた。






そこに椛さんが余の釣れた魚も同じように調理をしてくれと頼まれたので素直に引き受けて同じように作り始めた。






しばらくして完成して二人は食べ始めるととても美味しいと言ってくれたので安心して釣りを再開しながらゆっくりとしていた。






そして素晴らしいほどの秋景色が広がって風が吹いて紅葉が空に舞っていたのを見て詩を作ってみた。






秋風に(あきかぜに)


吹かれて舞うは(ふかれてまうは)


紅葉の葉、もみじのは






一応、それらしい物ができたなと思いながら釣りをしていると日もだいぶ傾いてきてまもなく夕暮れになると感じて町に戻ろうとしたら遊び疲れて凪くんは寝てしまっていた。






俺は抱っこさせてリオに釣り道具など持たせて俺たちは町に戻るのだった。誰が一位になっているのだろうか。別に誰でも問題はない気がするだけどなと思いながら今夜の夕食は何をしようかと考えていた。






いっその事、異世界でバーベキューでも面白いかもしれないかなと思うのだった。








本日の成果


傷が完治して完全に復活!


湖で釣り対決が始まった!


椛さんがアークレックスを連れてきて大変なことになりそうだった!


アークレックスの件を除けば静かな一時を過ごす事ができた!

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