第30話

うん?俺は神通力の使い過ぎで廃神社で休んでいた筈なのに全く知らない場所にいるのですけど俺が寝ている間に何が起きたのと思って辺りを見ても殺風景な光景が広がっており近くに人の気配はないなと感じ取れていた。






訳がわからないこの状況で探るのはあんまり良くないかもしれないけど待っていても状況が良くなる可能性はなさそうだから歩くしかないかと思いで歩き始めた。それにしても近くに蛟も椛さんも狐菊、円城寺信胤さんも気配もなく景色も見たことが無いので場所も理解できていない。






簡単に言えば、迷子になってしまったと言える。大の大人が堂々と言えた話ではないけど確実に迷ったなと考えていると近くの草むらから音が聞こえたので俺は獣でも潜んでいるのかと考えて警戒しようしたけど武器もなくなっておりその辺の木の枝を拾って待ち構えた。






すると現れたのはまだ4〜5歳ぐらいの男のだった、俺はそれを見て木の枝を置いてどうしたのと優しく声をかけてみると男の子は俺を警戒して木の影に隠れてこちらを見てきていた。






何かを与えたら警戒心を解いてくれそうな気がするけど生憎な事にそれらしいものが手元に無いのだ。本当にここは何処なのと思いながら探していると近くに食べられそうな果実、みかんみたいなやつを見つけてので俺はそれを渡して見るとこちらを警戒しながら近づいてきたのでみかんをみたいな果実の皮をむいてから俺は食べられるものと認識と確認をするために一口だけ先に食べて見せた。






渋さは残っているけど甘いかな・・・これ、マジでただのみかんじゃないかと感じた。それでも食べられることには変わりはないので優しく上げてみると恐る恐る、果実を受け取り食べ始めると一気に食べてしまった。






よほどにお腹が空いていたのであろうと感じて俺は男の子を見ていた。ならこれと同じ木の実を与えてみることにした。すると先程まで警戒していたけど安心したのか貰っては食べていた。






ひとまずこれで良かったと思いながらもここは何処だろうと考えて望みは薄いけど目の前の男の子に聞いてみることにした。






「ここは何処か、僕くん?分かるかな」






怖らがせないように最新の注意をして聞いてみると首を横に振って知らないと言ってきた。まあ、子供だから仕方がないかと考えたその時だった、なんとこんな場所で母親に待っていなさいと言われたというのだ。






それを聞いた俺は驚きながらその子供にどれぐらい頑張って待っていたのかなと聞いてみるとその子はお空が3回ぐらい暗くなったぐらい待ったと言った。








三日間もこんな場所に放置だなんて信じられない!考えたくはないけどこの子は母親に見捨てられたと見るべきだろうけど・・・可笑しいだろ、この子はまだ5歳ぐらいの子供なのに。






本来ならば親に母親に甘えたい時期なのにこんな仕打ちは酷すぎるだろ。でも俺がいくら怒ってもこの子の親は迎えに来ることはないだろう。






ならこの場所がどんなところであるかは理解してはいないけど俺は無事にこの子が安全に暮らせる場所まで守る義務があると考えて俺は出来る限りに優しく声を出してからおじさんと一緒に来る?と尋ねると子供はうんと頭を頷いて一緒に同行することになった。






そうして同行しながら俺は子供に対して質問をして聞いてみることにしたのだった。母親と仲が良かったのかなとかおじさんは怖くないのかと伝えると男の子は寂しそうな顔をして答えてくれた。






「ママは僕のことをいらない子と言って優しくなかったから嫌い!パパも全然家に帰って来てくれないから嫌い!でもおじさんは優しいから好き!」






そうか・・・母親にいらない子と言われているのか。俺と同じだな、この子は昔の自分みたいに見えてきて余計に他人とは思えなくなってきた。






俺はこのような状況に置かれて助けを何度も求めたけど誰一人も俺を助けてくれる人はいなかった。その時の辛さは今でも嫌になるほどに覚えているからこそこの子には俺と同じ気持ちを味わってほしくない、あんな辛い目に遭うのは俺だけで十分だ。






こんな辛い体験を理解してほしくない、この事だけは本当に誰も理解ができないと言っていてほしいから俺は必ず、この子を助けてみせると決意をしながら歩いていると不思議な扉を発見して開けてみるとそこは俺が見たことがある異世界が広がっていた。






ここはと思いで再確認しても見たことがある景色でここを通れば帰れると感じて俺は子供に抱いてからさぁ、行くよと言ってから扉の中に入り込んだ。その瞬間に周りが真っ白になり気がつくと布団の上に寝かされていた。






あれは夢だったのかと一瞬だけそう思ったけどすぐにあれが夢ではなかったことが証明された。俺が寝ている掛け布団の上に先程の男の子が気持ち良さそうにして寝ていた。






あれは夢ではなかったのかと感じていると遠くからこの感じは余の伴侶が目を覚ましたのじゃと物凄い勢いで椛さんの声が近づいてきて俺の前に現すと椛さんは俺の掛け布団の上に寝ている子供を見て真っ青になりながら椛さんが叫ぶのだった。






「竜輝に隠し子がいたのじゃーーー!!!」






どうしてそんな判断になった、もう少しは他の考えはないのかと思っていると次は佐藤紫ちゃんが現れてその光景を目にすると白い石化状態になった。何が起きているのと俺がそう思っていると砂に変わり風に飛ばされた。






おいー、死んでいないよね。しっかりと生きているよねと俺は急いで佐藤紫ちゃんを呼んだ。俺の近くに来て良いから現れてきてと言うと砂が塊だして人型になり元の佐藤紫ちゃんになったのである。






紫ちゃん、君は人間だったはずだよね?明らかに人間ではできないことをしているですけどどこかで俺みたいに覚醒でもしたのですかと聞きたいぐらいに人間業ではないことをして俺に近づいては嬉しそうにしていた。それを見た椛さんも狡いのじゃ、余も余もと言って近づいて来たけど急に来るから男の子ば驚いて俺の布団の中に隠れた。






俺は急に二人とも来るから男の子が驚いてしまったではないかと注意をしていると椛さんが本当に、いや、余の伴侶である竜輝の隠し子なのじゃなと聞かれたので素直に答えた。






「知らない場所に飛ばされてその世界にこの子が一人だけ取り残されていたからあまりにも可愛そうだから連れて帰ってきただけだから。決して俺の隠し子ではないから安心して」






それを聞くと二人揃って安心したと言ってからホッとしていたけどと思っていると穢れも無くなった蛟が俺の前に姿を現して何を言うつもりなのかなと考えていると蛟は床に頭をつけて俺に対して謝罪と感謝の言葉を出したのだった。






「竜輝さん、こんな私のために命を懸けて救って頂いたこと誠に感謝を致します。言葉ではどれだけの言葉を並べても感謝をしきれません。それと同時に竜輝さんに対してどれだけの思いを、反省しても謝罪をしきれるとは思っておりませんが・・・本当に申し訳ありませんでした」






彼女は泣きながら俺に対して謝りながら感謝をしていた。確かに片目は失ってしまったけどそれ以上に多くの者達を救うことができた、その代償と思えば安いものだよと伝えると再度、感謝の言葉を伝えられたのである。






すると椛さんが俺にこの蛟にを裁く権利があると言われて処遇を任せられた。殺しても構わないし生かしても文句は誰も言わないというのだ。それを聞いていた蛟も竜輝の言葉に従いますと言われてしまった。






俺はなら蛟ちゃんはこれから困っている人たちを助けることで今までの罪を償って欲しいから生きて欲しいとお願いをした。すると分かりましたと言って頭を下げて椛さんたちも納得してくれたのであった。






これで一件落着と思っていると次の瞬間、それで竜輝を苦しめたあのゴミの処遇について話し合いを始めると何か始まった。






すると椛さんがとりあえずこの世界に拉致してから殺す提案を出してきたけど誰をと思っていると今度は佐藤紫ちゃんが本当にあれと血を分けた姉妹と言うだけでも気持ち悪くなってきましたと言って何処かに向かった。






待て待て、なんで俺の過去の事を知っているの?もしかして紫ちゃんがなにか調べたのと思っていたら円城寺信胤さんが竜輝殿は昔から親にあのような事をされても正義を曲げずにここまで立派になった事は某から見ても天晴でござると泣きながら言われた。






何で何でと思っていたら狐菊がそこまでの人生を歩んできたから辛いことなど相手にさせないのは理解したから特別に椛様と付き合う権利を与えるわと言われたけど何?もしかして俺の人生、何処かで放送でもされたのと思いで聞いていた。






すると蛟ちゃんが話してくれたけど蛟ちゃんを助ける時に流れた神通力が私から通じて流れて俺の過去が走馬灯みたいに放送されてしまったというのだ。






説明を聞き終えた俺はマジですかと言うと本当ですと返された。と言う事は俺の辛い時の記憶に俺が隠していたい事なども全てが知られてしまったと言うのですかと顔を真っ赤にして再度に尋ねてもそうですね、竜輝さんが妖狐に対してやることやシスターの姿をしている人に色んなことをする本なども完全にと言われた。






まあ、俺はつまり公開処刑されてしまった後らしい・・・いっその事、俺を殺してくれー!!






そう思っても俺の願いは届くこともなく、彼女らに知れ渡ってしまったけどとりあえずやる事は・・・このままだと確実に殺人事件になってしまうことを未然に防ぐことだと感じてみんなを説得するところから始めるのであった。






本日の成果


異なる世界から親に見捨てられた子供を保護!


元の世界に帰り、みんなと再会した!


蛟ちゃんから正式に謝罪とお礼を言われた!


勝手に俺の人生の映画みたいなものが上映されてしまい、見事に人生が終わりかけている!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る