第28話

戦闘が始まり、まずはこの貰い受けた薙刀の性能を確かめようと戦い始めた。すぐに周りにいた怨霊たちが襲いかかってきたので応戦したら一度の斬撃で消し去り、その上にこの武器から炎の力を感じるとったのでまさかと思いで御札をなしで呪文を唱えて始めた。






「暁より舞い上がり、邪気を焼払え、炎波!!」






俺がそう言って薙ぎ払う様にするとそこから御札の時と同様に炎波が発動して怨霊たちを飲み込んだ。いやいや、この薙刀はヤバ過ぎるでしょうと感じていたら怨霊に取り憑かれてしまった円城寺信胤さんが背後から刀で襲いかかってきたのがなんとなく理解して薙刀で防ぐと円城寺信胤さんの刀が折れて使い物にならなくなった。






強度もかなりあるなと感じていると奥の方から椛さんと狐菊が陰陽術を唱えてこちらに攻撃をしてきた。属性は水と土かと理解はしたけど俺は火属性しか使えないからここは無理でもこれでと思っていたら何となくであるけど炎波の上のやつも使えるような気がしたので唱えてみることにした。






「日輪よ、今こそ闇を照らし、闇を払い給え、陽炎!!!」






そう言うと炎波とは比べ物にならないほどの大きさと威力の炎が現れて周りにいた、怨霊たちなどを焼き払ってしまった。






強い!けどこれはおそらくであるけど現人神にならないと使えないような気がしていた。これが人間の状態で使えたらマジで無双になってしまうからなと感じていると今度は蛟も攻撃に加わり始めてそうで流石にまずいと感じた俺は何かと思ってある閃きをしたのでやって見ることにした。






俺は空に向いて薙刀を向けてぐるぐると回転をさせはじめた、すると狐菊がそれをして何になると言ってから一斉攻撃を始めてきた、俺はその瞬間に回転させて出来上がった炎のリングを盛大に投げ飛ばした。






すると俺自身に向かってきていた攻撃を車が回っているかのように当たっては全て打ち消した上にその威力が残っており周りの者たちに攻撃を与えていたのを見て俺は思うことは唯一であった。






滅茶苦茶に格好良いと思ってしまったのだ、この技を火焔車と名付けることにしよう。流石にあそこまで格好良いと昔に発症していた厨二病が再発してしまった。






でも無理もない事だよな、普通にこんなことなど起きるはずもないのだからと考えていると向こうもこちらを警戒して迎撃態勢をしてきたので今度はこちらから攻勢を仕掛けてみるかと考えながら先ほどと同じで火焔車を発動させていた。






そして狐菊の辺りがスキがあるなと感じたのであちらに向かって投げ飛ばした俺は火焔車とは真逆に反対の方を攻めた。こちらの意外な作戦に誰も予想していなかったのか混乱していたので俺はこの機を逃してはいけないと感じて一気に攻め立てた。






現人神となっているので信じられないぐらいに体は軽い上に相手の行動も正確までではないけどある程度は予測できるようになっていた。その為に攻撃してくるところを避けては反撃しては一気に数を減らしていた。






まあ、俺が体が乗っ取られている間に洗脳されてしまっただろう佐藤紫ちゃんは炎が怖いのが余程らしく火焔車を見て怖気づいていた。得意な弓も手放すほどに炎が怖いだろう。






無理とないけど、人生をあそこまで壊した要因が近くにあるなら俺でも逃げ出していたのだ。彼女がそれをするなという方が酷である。その為に遠距離攻撃が呪文を唱えてくるので対応できてこの数が相手でも戦えていた。






そうもしているうちに俺は遂に蛟以外の相手をすべて倒す事に成功した。後はお前だけになったなと蛟に対して話すと蛟は不気味に笑いながらこちらに返事をしてきた。






「予定を狂って貴方がここまでできるようになり、更に神通力まで使いこなせるようになったのはかなり意外なことになってしまったけど逆に言えば貴方を倒せばそこまで強い実体が手に入るという訳だからむしろ光栄だよ」






「全く、魔法使いになる寸前のこの体にそんな価値はある・・・かもしれないな。今の俺は一人ではないからしっかりとした思いがある。だからこそ負けない、これが終えたら蛟にはしっかりと説教をしてやるから覚悟しておけよ」






すると本当に私は助けるつもりなのかしら貴方は想像以上に馬鹿なのねと言われたけどその行為が馬鹿と言うなら俺は一生馬鹿が良いと伝えてから再び、火焔車の準備をした。






蛟が貴方は同じ技ばかりで本当に脳が無いわねと言われたけど仕方がない、俺は才能が全くないやつなんだからさと言って準備を終えていつでも撃てる様に回して構えていた。






確かに脳はないけどその技が厄介なことには変わりはないからねと言って警戒していた。俺も流石に神様相手なので先程の椛さんたちよりも強いことは間違いない、下手にすれば負けてしまうというのは理解していた。






その上にこちらの技は見せたのに対して向こうは未だに秘策を持っている可能性があるのだ。それに蛟が得意な属性は恐らく水属性だと考えると属性的に不利な上に向こうはあの感じだと何かあるなと感じていたのでこちらも見守っていると急に地震が発生して揺れ始めたのである。






何事かと考えていると地面から違和感を感じてまさかと思いですぐに近くの巨木に向かって巨木の枝と巨木の枝をうまく利用してジャンプを繰り返して上に避難した直後に地面から信じられないぐらいの水が噴水のように現れたのである。






これほどの大規模な事をやるとは流石に神様だなと感心していたけどこれは敵だからそんなことで感心している場合ではないと考えていた。






そしてその水がこちらに向かって来たので不味いと理解しほかの巨木に乗り移って避難したけど避けた水がこちらに曲がってきて意地でも当てに行きたいと感じて向かってきた。






またしても避けては待たしても向かってくるのでこのままだとこちらが体力が尽きてしまう。そうなったらあの巨大な水が当たってやられてしまうと感じて俺は罠があるのは承知で蛟に突撃をした。






多少の傷は覚悟の上だと思いで突撃をすると向こうはやはり待っていましたと言うばかりの顔になり蛟の近くから先程と同じぐらいの水が噴水のように現れたのである。






それを見て挟み撃ちするつもりかと理解したけどこの2つまで増えた攻撃をすべて避けきれる自信などないのでダメージ覚悟でと思っている時に己が作った火焔車を見つめてもしかしたらと思いで俺はその準備していた火焔車を発動して投げ飛ばす瞬間にその火焔車に乗り移り挟み撃ちの状況から見事に脱出することができた。






炎だから熱いと覚悟していたけど現人神になっているおかげに熱いと殆ど感じられずにいた。そのまま俺は蛟に向かって突撃してそして呪文など唱えることもできない程の接近戦まで持ち込んだ。






後は白兵戦だとこう見えて武芸など昔から練習などしていたので戦えていた。良し、向こうはあんまり白兵戦が得意わけではなさそうだなと感じていると蛟は一気に後退して強大な力が感じられる水を出し始めていた。






「お見事ですね、私にこれを使わすとは神同士の戦いならともかく現人神とはいえ、人の身で使うのは貴方が初めてですよ。光栄に思いなさい、私の奥義で倒されるのだからあの世でせいぜい自慢しなさい。深淵水!!!」






溢れ出てきた水はまるで今の蛟の心を表すように真っ黒い水であった。間違いなくこれが彼女が持っていた秘策だろう、防ぐことも避けられるものでもない・・・なら、こちらも最大限の力を出して迎え撃つのみと感じて俺は全ての力を薙刀の刃に集中して集めて始めた。






集め始めた薙刀の刃は炎が溢れ出てきてそれが一つの大きな刃になっていた、それを見た蛟はなかなか良い技だけど私の奥義に比べたらどうした事もないかしらと言ってきたけど俺はそうかな、やってみないと分かりませんよと言うとなら今ここで証明してあげるわと言って深淵水と呼ばれている水が俺を襲ってきたけど俺は勢い良くただ、一直線に突撃した。






「ハッハッハッハッハ、これを選んで正解でしたよ。素晴らしいですね、希望が絶望に飲み込まれる光景はいつもね」






俺はそう聞こえてきたけどそう簡単に希望が消えてたまるかと必死に迫りくる水を蒸発させて一直線に向かって蛟まで辿り着いた。






それを見た蛟は信じられない顔をしてこちらを見ていた。そう言ってこちらに対して最後の抵抗をしてきたけど俺はもう怯えきっている一人の少女しか見えなかった。






俺は武器をおいて静かにゆっくりと迫ってくると蛟は来るな、来るなーー!と叫びながら攻撃してきたけど俺はその攻撃を受けても何もせずにゆっくりと近づいて蛟の前に辿り着いた。






すると蛟は来るな来るなと何度も言いながら水で結界を作り出したけど俺はそれを突破して優しく蛟を抱きしめてあげた。






「頑張ったね、もう一人ではないからそんなに気を張らなくても大丈夫だよ。おじさんが何とかして助けてあげるから信じてほしい」






そう言うと私の心に入り込むなと抵抗してきたけど俺は神通力を体に強く展開させて必死にこの子を苦しめているやつを探した。するとこの子の魂に引っ付いている怨念の塊を感じ取れた。これがこの子を苦しめている元凶だと理解してその怨念を向かって己の炎で焼き払い始めた。






しかし、怨念は俺の想像以上に強く全然焼き払えていなかったのである。それを感じた俺は更に神通力を高めて焼こうと必死になった。神通力を高めるほどに体に大きく負担が掛かり気持ち悪くなり、その上に調子もおかしくなって来ていた。






でもここで離れたらこの子は一生苦しむ事になると勘がそう訴えかけていた。そしてまだ火力が足りないと感じて更に神通力を強めた次の瞬間に口から大量の血を吐き出してしまった。そして体中が痛みに襲われていた。






くそ、俺の体よ。後もう少しだけで構わないから耐えてくれ、後もう少しでこの子は救われるだ。この子はこの痛み以上に苦しんできていたから頼むから耐えてくれと俺の体に必死になってお願いをしていた。






殆ど焼き払えたけど一部がもの凄い強い怨念で焼き払えずにいた。これを残してはまたこの娘が苦しむことになると理解していた。しかし、これ以上に神通力を上げると体の一部が壊れてしまうと本能がそう言っていた。でも俺はこの蛟をもう一度、顔を見て覚悟を決めて俺は神通力をもう一度上げた。






その瞬間に片目がトマトが踏まれて潰されたように目から大量の血を流して視界が半分見えなくなった。これはすでに覚悟の上だ!後は全力でこの娘の魂に取り憑いている怨念を焼き払うだけだと全ての力を使い、俺は遂にこの娘に取り憑いていた怨念は全て焼き払い終わり、この娘は既に疲れてしまっていたのか寝ていたので静かに横にさせてあげた。






これで一件落着と思って気を休めた瞬間に一気に今までのダメージが襲いかかってきて倒れそうなのを必死にこらえて近くにある薙刀を杖代わりにして廃神社で休めそうな場所まで何とか向かいそこに倒れ込むように座り込んだ。出血は一応、止まったみたいだから出血しすぎで死ぬことはなくなったからひとまず安心かなと考えたけど辛い状態には変わりはなかった。






はぁはぁと木を今度は緩めたら意識が無くなりそうだったので気を休めずにいると朝日が登りとても美しい光景が広がっていた。やりたい事を成し遂げた達成感もありいつも以上に美しく朝日に見えていた。






ここもかなり素晴しい景色だなと感じながらも俺は神通力の使い過ぎで疲れ果ててしまったのでみんなには悪いけど先に休ませてもらう事にしたのだった。








本日の成果


火焔車を編み出して習得した!


現人神状態の能力など分析を概ね完了!


蛟たちを撃破する事に成功した!


蛟を負の怨念から救い出す事に成功した!


代償に里見竜輝の片目が神通力を上げ過ぎて見えなくなった!

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