第23話

さて、修行で疲れていた体が回復してきたので俺と椛さんに狐菊の三人で神社でくつろぎながら話し合いをしていた。






地元の人なら俺よりも詳しいはずなので大体で構いませんから教えてくれませんでしょうかと尋ねると簡単な説明を狐菊がしてくれた。そうして気になったのは北に存在している廃墟の村や神社があると言うのだ。それは是非とも探索してみたいと考えていた。






廃墟は確かに色んな危険がある場所でもあるけど同時に当時の状況がそのまま残っている可能性もあるので調べるという目的ならば是非とも向かってみたいと感じたのでそこに向かいませんかと聞いてみることにした。






すると椛さんが本当にそこに向かうつもりなのじゃなと嫌嫌そうにして俺に返事をしてきたのでもしかして何かそこで曰く付きの出来事が起きたことがあるのですかと訪ねたね見ると早々を超える返答が帰ってきた。それはかつてそこで椛さんはその廃墟にいる堕神と対決して負けてしまい、その上に廃墟にいた怨霊たちに取り憑かれてしまって結果的に目が見えなくなってしまったと言うのだ。






滅茶苦茶に危険な場所じゃないですか、と言うかあの同僚が言っていたことが半分以上正解しているのですけど。そうなるとそこに向かわないと椛さんの目は一生治ることができないと理解したので俺はなら一人でもそこに向かいますので目印など分かるやつを教えて下さいとお願いした。






それを聞いていた狐菊はお前が一人向かったところで何が変わるというのだ。私もそうだし町の皆もかつてはそこに向かい椛様の目を治そうとその堕神に挑んだけど、結果は見ての通りで私達は負けてしまった。






それを聞いた椛様はこれ以上は多くの命を失うことになるからと言って目の回復を諦めてしまったほどだ。お前一人でどうにかできる問題ではないと言われてしまった。






確かに普通ならそう考えるのは当然の話であるけど俺は二人に対してある事を伝えたのである。






「そうだ、二人に話したことはないかもしれないけど俺はある時に元の世界で堕神と戦ったことがある。確かに滅茶苦茶にヤバイ相手だったけど別の人と協力してその堕神を浄化など一緒にやり、そしてその方法も教えてもらった。どれぐらいの強さにもよりますけど浄化をしてみせます」






すると椛さんがお主、それを何処で教えてもらったのじゃとびっくりしながら聞かれたので俺は昔に廃墟になった神社に行った時にたまたまそこにいた堕神と遭遇してしまって危ないところを通りすがりの人に助けてもらってその人と共に堕神を浄化したと先程よりも詳しく説明した。






それでその通りすがりの人は何者じゃたと聞かれたけど別にそれ以上の接点はなかったからなと思いながら当時の事を思い出しているとその人の名前を思い出したのでその名前は口に出すのだった。






「確か、その人の名前は蝮と言っていたな、明らかに別名だっただけど日本人かな思うけどそれ以外で分かることは男だったという事だけだよ」






俺がそうして終えるとそうか、答えてくれてありがとうなのじゃと返事が返ってきた。だから可能性は低いかもしれないけど少しでも助かる、椛さんがまた目が見える可能性があるのであれば命をかける価値はあると俺はそう覚悟を決めていた。






それを見届けた二人はなら向かって見る価値はあるかとしれぬと改めてくれたのか、その問題の廃墟に向かうことになった。もちろんの事でそこまで危険な旅になる事は間違いないので出来る限りの準備をして出発をしたのだった。






でもいくら危険な旅になると言ってもやはり最初ら辺は何もなく自然が広がっていた。本当に空気に景色が最高だからそんな危険はないと思いたいけどなと考えながら進んでいると急に二人が警戒を始めて、近くに厄介なやつがいると言ってきたので俺も辺りを警戒を始めた。






すると遠くからクラゲみたいな生物がふわふわとして飛んでいた。まあ、異世界だから空を飛ぶクラゲぐらいはいてもおかしくなはないかと思いながら見ていると二人からあの生物はかなり危険な生物なのじゃと言われた。






確かに元の世界でもかなり強い毒を持っているクラゲもいたのでそんな感じだと考えていたら急に狐菊がもしかしたら竜輝なら倒せるかもしれないとふざけた事を言い出した。






確かにあれぐらい勝てないとこれから向かう敵に勝てるはずもないからなと考えていたら椛さんが意外なことを言い出した。






「狐菊、何となくであるのじゃが理解したのじゃ。あの女の敵と言える生物がいるのじゃな・・・竜輝、お主は男だから何とかしてあの生物を倒して欲しいのじゃ」






俺は女の敵?と聞いたのでどんな所が女の敵なのですかと気になったので尋ねてみると狐菊が少しばかり恥ずかしそうにしながら説明をしてくれた。






「あの生物の名前はエンジェルクラゲと呼ばれているが実際は・・・まあ、男から見ればエンジェルかもしれないけど女から見れば悪魔以上に危険な生物である。その理由としてあのエンジェルクラゲは女性を捕まえてその女性に卵を産み付ける事で繁栄している生物なのだ」






それは確かに女の敵だと言われても納得してしまった。それにしても女性は抵抗はしないのですかと聞くとあのエンジェルクラゲはその女性を抵抗する手段を奪う方法があると言うのだ。そのおかげで妖狐の中でも捕まってしまったものもいると言うのだ。






そしてその女性の抵抗を奪う方法は頭にあのエンジェルクラゲが掴んだ後に強力な催眠効果がある電流を流し込んで抵抗を奪うというのだ。






それも捕まった女性は幸せな気持ちになり抵抗の意思を奪いそのままとなってしまうらしい。何か、18禁に出てきそうな生物だなと思いながら聞いていた。






その上で捕まえた女性たちは話だと大切に扱いされてしまう為に本気であのエンジェルクラゲに恋をしてしまう妖狐も過去にいたと言うのだ。そのために繁殖して一部の地域で大量に発生して放棄するしかなくなったと言う話もあるというのだ。






それは確かに怖いな・・・って、エンジェルクラゲと言う生き物は下手な暴力を振るって伴侶に傷つける男性よりも良いって変態なの紳士なのと思っていた。






ともかく今はそんな危険な生物がいるから二人は向かいたくはないということかと思っている時に男性にはどんな事をしてくるのと聞くと何もしてこないと言うのだ。






そうなのと思って、なら俺が向かって倒すべき相手だなと改めてそう感じて俺は覚えた炎波が上手く使えるか、実戦と言うにはこちらに時間が余裕があるだけどともかくやってみますかと思いで前に出て準備を始めた。






「暁、今こそ燃え上がり、邪気を焼払え、炎波!!」






そう呪文を唱えて御札をあのエンジェルクラゲに投げ飛ばすと波のような炎が現れて複数のエンジェルクラゲを飲み込んだ。良し!上手く行ったと思って喜んでいた。するとまだ全部が倒したわけではないから頑張れと背後に隠れていた狐菊が言葉を出したら一斉にエンジェルクラゲが狐菊の方に向かって進み始めた。






うわー、マジで女性に反応して動き出したよと思っていたら狐菊が慌てながらいいから早く、先程の炎波やこの旅に向かう前にあげた薙刀でも使って倒しなさいと言われた。






まあ、確かにこの数が先程に説明してくれたようにしてきたら怖いよなと感じて俺ももう一度、炎波を唱えて向かって来ていたエンジェルクラゲを焼き払ってそれでも残っているエンジェルクラゲは貰った薙刀で返り討ちをした。






昔に武芸を独自に練習していたけど役に立ったと内心で喜びながら向かってきたエンジェルクラゲを倒していった。






しかし、数が多すぎて二人を守りながら戦うには難しすぎると感じた俺は二人に内緒で修行していたものを披露してこの場を何とかすることにした。






俺は御札をある形に並べてから呪文を唱え始めたのだった。






「古より伝わりし、陣形よ、今こそ我のもとに蘇れ、鶴翼・炎陣!!!」






そう言って俺の秘策と言えるものが発動した、これは固定であるけど御札の力が残っている限りに鶴翼、簡単に言うとVみたいな形に燃え上がり、来る方面を固定させた。そうすれば相手が大群でも戦えると思っていたが想像以上に体力を消費してしまった。






この数、なんとかして突破をしないとそう考えていた時に遠くからエンジェルクラゲが槍で突き刺さり倒されたのである。俺はすぐに誰と思っているとそこに現れたのは鎧兜、甲冑を纏った一人の武者が現れたのであった。






侍ーー!??なんでー!??と思っているとその侍は次から次へとエンジェルクラゲを狩り続けて倒していた。俺も負けていられないと感じて奮闘をした。






侍の助けもあり俺たちはなんとかエンジェルクラゲの群れを倒して落ち着いていると一人の侍がこちらに近づいてきたのでお礼をしようと自己紹介を始めた。






「ご助力、感謝致します!俺は里見竜輝と言います。お礼をしたいですけど生憎な事に今は武器と食料しか持っておりませんので・・・」






「それで構わないでござる・・・某に飯を・・・飯がほしいでござる」






侍がそう言うと腹の虫が大きく鳴いており、余程に腹を空かせていると理解したので俺は少しばかり安全そうな場所で食事を作りますよと伝えると感謝するでござると言われた。






それにしてもござるってマジモンの侍さんだったりしてと思いながら俺たちは安全そうな場所に辿り着いて一息を付きながら食事を作り始めていた。そうもしながら侍は己の名前を教えてくれたのであった。






「一食、恩義忘れないでござるよ。そうでござった、某の名前を伝え忘れていたでござる。某は円城寺信胤えんじょうじのぶたねでござる!気軽に信胤で構わないでござるよ」






・・・え!?俺は歴史オタクの戦国オタクと呼ばれているだから理解してしまった。この人って、戦国時代に名前を残した程に凄い人じゃないですか。






円城寺信胤って、龍造寺四天王と呼ばれている5人の一人であり最後まで主に従って日本史どころか世界史でも稀に見る戦闘民族の島津家、相手に戦った武将ではないですか。






ついでに四天王なのに五人いるとかの元ネタはこの龍造寺四天王なのは意外と知られていない。それはともかく龍造寺四天王と呼ばれている武将は異世界に飛ばされても平気で生きているですけど魔法とかそんな物は使えませんよねと思いながら料理を作っていた。






そうして円城寺信胤がこれまでのことを教えてくれた。やはりと言うか案の定、島津との戦で殿を窮地から助けるべく影武者となり島津に突撃して血だらけになりながらも戦っていたら気がつくと見たこともない場所にいたと言うのだ。






円城寺信胤はここはあの世かと思いながら歩いていたらしいが腹が空いていることで生きている事を再確認して何処かと歩いていたら俺達と合流したと言うのだ。






なるほど肝が座り過ぎていませんか!滅茶苦茶に適応しているですけど昔は今ほどに情報などありませんよね、物の怪とか存在していると思われていた時代の人ですよねと思いながら料理が完成してみんなで食べ始めたけど・・・円城寺信胤さんがお腹を空かせていたらレトルトカレーにしたらあの・・・信胤さんと狐菊がレトルトカレー、争奪戦が起きていた。






「そこの物の怪、物の怪と言うだけによう食べるでござるな。しかし、この食べたこともない美味しいものは某が全て、頂くでござるよ」






「ふざけるな!これは私のレトルトカレーだ!!お前みたいなやつに渡した覚えはない。さあ、竜輝!次のレトルトカレーを寄越せ!!」






「竜輝殿!某もおかわりでござる!!」






俺は苦笑いをしながら二人の食事を与えていた。食べ過ぎというか、どこにそれだけの飯が入る腹があるですか、二人共!!そう感じながら俺はわんこそばのように食べる二人をおかわりをしてあげるのだった。






それを感じていた紅葉さんは全くお主も大変じゃなと嬉しそうにしてみていた。確かに賑やかで見てる方は楽しいかもしれませんがそれをしている方はかなり大変ですからね。






そう伝えても二人はお構いなしに食べて、椛さんは目が見えないから余は仕方がないのじゃと言われてしまって俺の負担は下手にすれば先程の戦いよりも疲れてしまったかもしれなかったがなんとか終えて円城寺信胤さんにこれから俺達はどこで何をするのかを説明すると円城寺信胤さんはこれもなにかの縁でござるので某も同行致すと言ってきたのでこれは心強いと思ってお願いをするのだった。






それにしても道中で誰かが同行してくれることも備えておいて助かったと思っていたけどレトルトカレーの処費は勢いよく無くなり、帰りの分は無いなと思いながらも俺達は目的の廃墟に向かって進むのだった。






本日の成果


椛さんが目が見えなくなった原因と経由が判明!


北側に神社と村の廃墟があることが判明!


実戦で炎波を発動成功させた!


オリジナル技、鶴翼・炎陣を成功させた!


戦国武将、円城寺信胤を仲間に加わった!

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