第22話

それから翌朝から俺は二人に修行をつけさせてもらい始めていた。二人の話からすれば俺自身はセンスがあるらしく予定よりも早く身につけることができるだろうと言われて俺は嬉しさのあまりにそれから更に練習をしていた。






そしてリオ、アグニワイバーンの生態なども教えてもらっていた。やはり俺の予想通りにアグニワイバーンは生態の中では中層クラスでドラゴンなどに捕食されてしまうけど他の危険な生物、アークレックスなどの生物を除けば生態系の上らしい。






うん?アークレックスってどんなやつですかと説明をしてくれている狐菊に聞いてみることにした。すると話を聞いていた椛さんが変わりに答えてくれた。それは俺がこの神社に始めて訪れるきっかけになったあの巨大な恐竜みたいな生物の名前がアークレックスと言うらしい。






なるほどあれかと俺は納得していた、確かにあんな生物ならアグニワイバーンを捕食していてもおかしくないと思っていた。






なら、そんな危険な生物が生息している場所で町なんて作れるとは思えないですけど、そこはどの様に作れたのですかと疑問に思ったことを聞いてみた。あの湖にある町は一部は湖に食い込んでいるとはいえ大半は陸地にあるので先程に説明したアークレックスの餌食になってしまうのではないかと心配になっていた。






すると狐菊はなるほど確かに何も知らなければそう感じてしまっても仕方がないなと言ってなんであそこに町が作れたのか、その訳を教えてくれた。






あの町の周りに花が咲き誇っている木が沢山あっただろと言われて俺はその木ってもしかしてこの神社にあるあの木ですかと指を指してそれらしい物を特定しようとした。






狐菊はそう、その木があのアークレックスを近づけさせない要因となっていると言うのだ。あの木が咲き誇っている花から出ている匂いがアークレックスにとって最悪の匂いらしくあれがあるだけで近づかないようになっている。






俺はなるほどと思いながら聞いていた、それにしてもどうしてそんなふうになったのかと考えていたら狐菊が答えてくれた。






あれが来ないので他の生き物にとって見れば安全地帯となりあの木の周辺にはいろんな生物の巣などもありあそこで不要物や色んなものを地面に落としてそれらを栄養として吸収して生きているというのだ。






確かにそれならそのように進化したのも納得できるなと思いながら感心していた。他にも分かっている生物に関して色々と話を聞くことができたので俺はかなり大満足になっていたけどそれはあくまでこれから行う乗竜の練習前の講座みたいなものでそれからは本格的に修行を始めた。






リオに乗って俺と狐菊は近くの湖まで来ていた、と言うか狐菊って俺と同じでワイバーンを仲間にしていたの、しかもリオよりも大きくて強そうなものがおかげさまで最初はリオは怯えていたけど俺は襲ってこないよなと聞くと分からないよと言われた。この不気味に笑みを浮かべて俺を脅すつもりなのかなら買収するしかないなそれでレトルトカレーを何も言わずに渡すと狐菊は自分の仲間に対して伝えた。






「分かっているな!絶対に間違っても襲うじゃないよ!!餌が欲しいならいつでも持ってきているからね!!!」






レトルトカレーの為に必死にしつけをしていたけどそれで良いのか、狐菊の仲間はうん?と頭をかしげていた。まあ、レトルトカレーだけでここまで態度を変えるなんて理解できないよなと思っていると狐菊のワイバーンもレトルトカレーが気になってみていたけどこれは渡さないからねと言われていた。






苦笑いをしてそれらを見ていた、その後に本格的に教え始めてくれた。ワイバーンの乗り方を見せてくれてものすごいと思いながら見ていた、その後にやって覚えてと言われたので早速、先程に狐菊がやっていた行動をしてみるとバランスを崩してそのまま湖に落ちた。冷たい!と思いながら近くの岸まで泳いで濡れた服を絞っていると何をしているの、成功するまでやりなさいと言われてまじでと思いで見ていたけどマジな顔をしていたので俺は再び、先程のことをしようとして見たけどまたバランスを崩して、また泳いで岸にたどり着いてはまたリオに乗って練習をしていた。






どんな事でも始まりは努力だから必死にやっているととうとうなんとなくであるけど感覚を掴めてきて落ちないようになってきた。良し、上手くなってきているとありがとう、リオと感謝をしようとするとリオはチーンと表情から出てくるぐらいに疲れ果てていた。






あれ?リオも確かに疲れたかもしれないけどそんな羽も地面につけて舌も出すほどに疲れたと思っていたのでもしかしてワイバーンって体力はないのですかと聞こうとして狐菊に尋ねて見ようとしたけどその肝心な狐菊が白目を向いて倒れていた。






そして狐菊のワイバーンも腹をむき出しになりながら倒れ込んでいた。あれ?皆さん、これぐらいで音を上げてどうするのですか。俺はまだ元気ですから教えて下さいと言うと狐菊が今日は終わりをしませんかと言ってきた。






まあ、時間もまだあるから問題はないし、俺は教えて貰っている立場なので文句はないので分かりましたと言って帰りますかと俺は疲れたリオを封印して足で帰りましょうと言うと狐菊はそうだよなと嬉しそうにしていた。






なら夕食の準備でもしないといけないので俺は先に帰りますねと言って走り出した。そうして残された狐菊は誰もいないのに言葉に出すのだった。






「あいつ、本当に人間なのか?我々、妖狐よりも体力を持っているだけど。と言うか、滅茶苦茶に上手いだけど、あの練習は普通なら一週間ぐらいはかかるはずなのに・・・」






狐菊は信じられない事ばかりだと思いながら走り出している竜輝を見つめているのだった。






その翌日は昨日の疲れが残っているからと言われてしまったので今度は椛さんにお願いをして陰陽術、炎波に関して教えてもらっていた。






なるほどこれも昨日のやつと一緒でそう簡単には習得はできなさそうだけどここはいつも通りの努力で何とかするしかないと考えた。






そうして教えてもらって俺は早速、修行を始めていた。それを数時間をやり続けてお主、そろそろ休んでも構わないのじゃと言われたけど厳しいと感じてからが本当の修行なのでまだまだですから気にしないで下さいと伝えた。






その日は夜まで修行して本当に充実な一日だったなと思いで帰ると椛さんと狐菊が疲れたーと言って神社で横になっていた。何かあったのですかと尋ねてみると俺の修行に付き合ったおかげで疲れてしまったらしいけどそんなに疲れる内容でしたか。






これならワンチャン、普段の仕事のほうが厳しいかもしれませんよと伝えると二人はまたしても真っ青になりお主はどんな人生を歩んだらそんな事になるのじゃと言われてしまった。






どんな人生をと言われても大変な人生を生きてきたらとしか言えませんねと返すとお主はもう習得までそう時間はかからんじゃろうと言われた。それを聞いて俺は嬉しくなり残業と言うか追加で修行して来てもよろしいでしょうかと尋ねるとお主はマジなのじゃなと飽きられていた。






それは無理もないですから俺にとって見れば夢に見た魔法ではないけど普通ではない力を手に入れる事ができますからそれは多少の無理をしてもやりますからと笑顔しながら伝えた。






やれやれ、初心とか憧れほどにお主は凄くなっていくのじゃなと言われたけど別にこれは人間なら当たり前と言うか、普通に考えて夢に届きそうとか夢が全てが叶わなくてもその片鱗でも叶えられると思ったら人間は想像以上に力を発揮する生き物ですからと答えた。






そんな生活を五日ほど繰り返した後、俺は無事に乗竜技術と陰陽術、炎波を取得したのだった。本当にありがとうございますと感謝を言っても二人は過労でチーンと顔色を真っ青にして休んでいた。






・・・少しばかり我儘をやりすぎたかも知れないから何か好きな料理とか作ってあげる事にしたのだった。そうして好きな料理が出ると先程までチーンとしていたのにいつの間にか元気を取り戻しており、勢いよく食べていた。






まあ、簡単な体力の回復方法は食べる事だからなと思いながら俺も食べてから温泉に入って疲れを今夜も取ろうとしてゆったりとしていると背後から声が聞こえてきたのである、椛さんと狐菊の二人の声である。






俺は入っていますよと伝えるとならすぐに出て来てくださいと狐菊に言われたので出ようとした時に椛さんがここでとんでもない発言をしたのであった。






「狐菊、良いではないか。余たちが一緒に入っても変わりはせんよ。むしろ混浴という言葉もあるのじゃ、男が一人ぐらい混浴しても別に減るものはないのじゃ、なあ竜輝」






椛さん、それは間違っております!俺の理性がゴリゴリ削られますから全然、減りますから辞めてください。温泉に入りたいなら俺は全然、出ていきますからと伝えてもそうか、余の姿を見たくはないのじゃなと早速、理性に対して攻撃を仕掛けないで下さい。






ここにいては不味いことになると感じた俺は直ぐな出る準備を始めて温泉から出ようとした時にここで椛さんと狐菊がとうとう布一枚だけの姿で現れてしまった。






ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!俺の理性が一気に燃やされていく、耐えろ!里見竜輝!!お前は男だろうが、これぐらいの危機を乗り越えてみせろと己に鼓舞をして何とかしようとした。






するとそれを嘲笑うかなように椛さんがその最後の砦である布をわざと外れやすそうにして誘惑していた。まずい、椛さんばかり見ていたら取り返しがつかないことになってしまうと本能が理解したのですぐに隣にいる狐菊に視線を向けた。






うん!美人であるけど好みではないから理性が落ち着いてきたとホッとしていると狐菊がおい、私を見て落ち着いてきたって私が魅力が無いと言いたいのかと言われたので素直に返事をした。






「いや、普通に狐菊は美人だと思いますよ、面倒も見てくれて他人も思いやれてその上にこれほどの美貌を持っているなら普通の男はイチコロですから安心して下さい。たまたま、目の前の俺が例外なだけですから気にしないでください」






本心を隠さずに全てを話すとそれはそれで悔しいと言ってきた。理由として私が魅力的であれば椛様に変な視線を向けさせる事を阻止できたのにと言っていた。






それを聞いた椛さんが全くお主も変わらないのじゃと言っていたけど俺はまたしても思ったことを口に出して伝えた。






「でもここまで忠誠心があるのも俺は凄いと思いますけど、同じ事をやれと言われても同じことができる自信は俺にはありませんから」






そう伝えるとそうかと言って狐菊は少し嬉しそうな表情をしていた。本当に普通にしていたら狐菊もかなりモテると思うのにと感じながら見つめていた。






その話もしたおかげで理性が何とか魔性の椛さんから生還することができた。良かったと思いながら俺は明日からはどこから探索しようかなと考え始めているのだった。出来る事なら椛さんとか狐菊も一緒に探索してくれたら助かる上に楽しくなりそうだと思うだけどな。






そう感じながらも椛さんは目が見えていないのに無理をさせるのは良くないから期待はしないで聞いて見るだけ聞いてみますかと考えながら神社に辿り着いた俺は明日に備えるため、布団に入ったら一気に眠気が襲ってきてそのまま眠りにつくのだった。








本日の成果


この神社に始めてきた時に追ってきていた生物がアークレックスという名前が判明!


アークレックスには天敵とも言える草木がある事が判明!


狐菊のおかげで乗竜技術がかなり上手くなった!


椛さんのおかげさまで陰陽術、炎波を習得!


第二次理性大戦を生き延びた!!!

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