第15話
いつも以上に気合を入れて料理を作っていた、佐藤紫ちゃんに頼ってばかりでせめてと思いで必死に作っていた。ここで恩を返せなかったらいつ返すだよと思いで真剣に作り出そうとしていた。
こんなに本気を出したのはいつ以来だろうなと思いながら作り出した。味はよく出汁が出ていて念の為にも佐藤紫ちゃんに味見などさせて美味しいと言わせたのでこれで安心だと思い料理を完成させた。
疲れたー、冒険や命の危機、理性死守など疲れることが多すぎたけどなんとか終える事ができた。まだ、この辺の南北が探索が終えていないけどまた次の機会にしよう。疲れてしまった、明日から仕事が始まるので覚悟しておかないと。
それと出社日の後に異世界に滞在出来るのは約2日半でありこれから当分は佐藤紫ちゃんの顔を治すあの場所に向かうとなるとその場所に辿り着くのに約一日を使うとから・・・あれ?異世界に行っても同じ作業をしないといけない感じ。
でも佐藤紫ちゃんと約束した以上は守らないといけないからやらないとな・・・意外と普通の生活よりも大変かもしれないな、でも俺が始めた物語だ。しっかりとやるのが筋というやつだ。
それにこんなに性格が良い子が不幸のままでは可笑しいからな、俺が不幸になるのは分かるけどなと思いながら紫ちゃんを見ていた。
その後に食べ終えてからゆっくりとして話し合いを始めていた、これまで起きた事をすべて話して佐藤紫ちゃんに話した。すると私がいない間にそんな事が起きていたのですねと楽しそうに聞いてくれていた。
まあ、実際に楽しかったかもしれないけど命の危機を何回も体験したからまたやりたいかと言われたら間違いなく断るけどと伝えるのであった。
すると、やはり冒険は大変なものですねと言われた。俺もそう思うよと伝えて俺と紫ちゃんは異世界の夜を過ごし、朝を迎えて仕事の支度をしてから再び、元の世界に帰ってくるといつも出社する時間の20分前に戻ってくる事ができた。
いつもよりも余裕を持って出社って最高だなと言いながら向かっていた。一緒に紫ちゃんも一緒に向かっていると私と一緒でも良かったのですかと聞かれた。
疑問に思った俺は何でと尋ねると顔がまだ治っていないのでこのまま顔のことがバレたら竜輝さんまで被害が及ぶかもしれないからと言ってきたけど俺はそんな馬鹿にする者たちは気にしないからと話した。
別によく話してくる同僚しか仲が良いのがいないから、それにその同僚も俺と同じようでそんなことで差別するようなやつではないからな。
まあ、代わりにオタクみたいだけど良いやつだからなと伝えた。すると紫ちゃんも顔に包帯を巻いているので同僚に目をつけられてしまって色々と話していたらしい。
そうだよな、あいつなら格好いいとか俺もしてみたいとか言い出しそうだしなと思っていた。そんな事を話しながら来たせいなのか早速、同僚がとんでもない姿になっていた。
佐藤紫ちゃんは理由があって顔に包帯を巻いているのにあいつは理由など・・・・いや、格好いいと理由だろうな佐藤紫ちゃんと同じように包帯を巻いていた。
本当にあの厨二病は治らないの!?昔からあんなことをしているとは聞いていたけど恥ずかしくないのと思いながら他人のフリをして誤魔化そうとしていたのにこんな時にあいつから言葉を出してきたのだった。
「ワッハッハッハッハッハ!久しぶりだな、我が同胞よ!汝らと共に今日も迫りくる災難(仕事)を乗り越えようぞ!」
「お前さ、恥ずかしいという感情はないのかよ。朝から会社に来てこんな事をするやつがいると思っているのかよ」
「何を言っている!現に我が存在しているではないか。汝らは安息を上手く使えなかったようだな、それで災難(仕事)に立ち向かうつもりか。我が笑ってやろうではないか、ワッハッハッハ!・・・だから辛かったら早退しても良いからな。仕事なら心配するな我がなんと頑張るから」
何で完全に厨二病みたいなことを言った後に優しい言葉を言ってくれるだよ。どちらかにしてくれよと思いながら聞いていた。それにこの顔を隠したのは黄昏の力を封印するためだともう黒歴史を何処まで更新させるつもりなのだと思いながら聞いていた。
だから佐藤紫ちゃんも同じ黄昏の力を持っている設定にされてしまった。本当に毎度毎度にやりたい放題でどうして会社はこの同僚を放置しているのかと言おうとするといつもの上司が怒りに来ていた。
「コラー!!お前と言うやつはいつもいつもいつも!そんなに恥ずかしい事を堂々と言えるのだ。俺なんて絶対に言えないからな」
「それはつまり、上司は黄昏の力を恐れているというわけですなぁ。でも分かります、この黄昏の力を一歩でも間違えれば破滅に繋がりますので上司が言っていることも理解できます」
それを聞いた上司はお前は全然!分かっていないだろうがー!と怒鳴り声をさせられたが同僚は何一つ怯えておらずにいつもの様に完成した仕事量を渡すと上司はまあ、今度はもう少し控えめにやれと言ってその場から立ち去った。
そう、この同僚は厨二病であるけど滅茶苦茶に仕事ができる上に皆からは好かれているので平然とやっていられるという可笑しい事になっているのである。
他人が嫌がる仕事はやるし仕事は上手い上に早い、それに他の人の手助けもしており社内でかなりの評判が良いのだ。欠点と言える欠点がこのあまりにも重度な厨二病だけでそれ以外は欠点は無いに等しかった。
俺も最初はこんな奴に負けてたまるかと必死に対抗したけど接していくうちに同僚との差を見せつけられて諦めがついた。
そしてこんなことを言っている俺もこの同僚に何度も助けられているので今ではかなりの仲良しになっている。困り事があればいつも相談をしてはパチンコなども行く仲間である。
まあ、この同僚は運はないらしく激アツを何度も外して衝撃を覚えている。でも運まであったら何かが勝てるだよとなるのでそれはそれで助かったけど。
とりあえず今日も頑張りますかと仕事に移ろうとした時に同僚がなにか佐藤紫ちゃんに伝えているようで何を話しているのかなと思いながら見ていたがそれはお昼休憩で良いかと考えて俺は仕事を始めるのだった。
そうして仕事も終えてお昼休憩が始まり今日も俺は紫ちゃんと二人でひっそりな場所で食事をしていた。その時に朝の話は何だったのと聞いてみると紫ちゃんはそうでしたと思いだしてすぐに俺に話してくれた。
その内容は異世界に行って楽しめたようで良かったな、紫さんと言われたというのだ。俺はもちろん前に紫ちゃんに伝えた通りにこの世界では俺と紫ちゃんしか知らないはずなのに知っているのはおかしいと紫ちゃんはそう感じたと言うのだ。
確かに可笑しい話だよなと考え始めた、もしかして意外にあの人は真面目にファンタジーの世界など言ってことがある先輩だったりしてと思い考えてみたけどあの厨二病がと思うと想像は出来なかった。
ならもしかして何処からか話を聞いていたと言うのが一番現実味がある話だ。先程のことで知っている通りに同僚は厨二病なので普通にあり得る話だ。
なので俺達はそういう事にしておくことにしたのだった。あの同僚に気がつかれたら面倒くさいと言う言葉では足りないほどに困る事になりそうだから。
本日の成果
異世界で本気で作り出した料理は美味しいと評価をくれた!
仕事場の同僚が職場で厨二病発言や格好をして仕事をしていた!
厨二病の同僚は相変わらずに仕事は上手い!
何故か俺と紫ちゃんしか知らないはずの情報を知っていた!
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