第14話
「椛様を惑わした人間めーー!!その命をおいていけーー!!」
やばいやばいやばい、完全に何処かの戦闘民族みたいに変貌したのですけど明らかに殺意があるだしなのですけど。俺は殺されてたまるかと思いで逃げていると椛さんがココ、そこまでじゃと言われて動きが止まったが納得できませんと言って俺の抹殺命令を下してくださいと言ってきた。
おいー!俺はどこにでもいる普通の人間ですよ。俺はそこまで椛さんを惑わした覚えなどありませんから・・・逆ならありそうだけどそれを話しても火に油を注ぐだけなのは理解できるので落ち着くのを待つのみだった。
すると椛さんはまだ正式ではないから安心するが良いのじゃと言ってそれは本当ですかと俺を切り殺そうとしたココと呼ばれている妖狐は嬉しそうにして確認をしていた。
どんだけ嬉しいだよ、そこまでして付き合って欲しくないのかと思いながら聞いていた。その後はなんとか落ち着いて色々とあって疲れたので主な場所を見たら休める場所に行きたいですとお願いすると椛さんは分かったのじゃと言って先はどのココに町の案内をさせてあげる様に伝えると嫌ですと即答された。
この子に滅茶苦茶に嫌われているなと感じながら聞いていたけど椛さんが後で付き合ってあげるから頼むのじゃと言うとココと言う妖狐はすぐに案内をしますと先ほどと態度を一変させた。
本当にこの子は椛さんしか言うことを聞かないような子だなと感じながら俺は町を歩き出しながら自己紹介を始めるのだった。
「まあ、先ほどの事はとりあえず水に流して自己紹介をしましょう。俺は里見竜輝さとみたつきと言います。改めて宜しくお願いします、それで先程からココさんと呼ばれているので俺もそう言っても構いませんか」
「好きにしなさい、でも本来の名前は一応、教えておきますよ。そうもしないと不便ですから、私の名前は狐田狐菊こだこきくと言います。皆からはココと呼ばれております、椛様を対して何もしなければ私は何も怒りませんので、どうぞ宜しく」
そうでしたかと言い仲良くしようとしたけどやはり椛さんのあの言葉が気になるようでこちらを警戒していた。そこまで警戒しなくてもと思いながらも町を歩いていた。
それにしても妖狐しかいないから当たり前かもしれないけど顔の偏差値が高すぎませんか!?椛さんは別格だからそこは理解できますけどそれでも美人揃いだなと感じていると狐田狐菊のことココが私達のことがそんなに気に入っているのですかと言われた。
ココの話によると人間は我々のことを化け物扱いをしてまともに話せる人がいないと言って俺のことを珍しい存在と認識されていた。しかし、甘いなココさんは現代ではその認識は通用しませんよ。
なぜなら・・・獣耳と言う分野があるぐらいに需要ある人たちが増えているからな。妖狐?むしろ歓迎してくれるぞ、今の世界で妖狐たちが現れたら人気者どころではないですよ。
元の世界に妖狐たちを向かわせることができたらなと考えていた。そうすれば元の世界での案内などもできて楽しそうなのになと思っている時に一つの可能性を考えだした。
もしかしてこちらの世界の人も俺と一緒にトイレに入って迎えるのではないかと考えたけど問題はトイレの広さである。せいぜいあの広さだと3人・・良くて4人までが限界だからそんな多くは移動させられないからなと思っていた。
そんなことも考えながら町を歩いて疲れてしまったので何処かで休みませんかとお願いするとココさんからお前は男なのにそんなに体力無いのかと言われてしまった。
いやいや、体力無いと言うのは言い過ぎですよ!元の世界ではそれなりにある方ですから伊達に社畜などなっておりませんからと内心そう言っていた。
ともかくゆっくりとしたいという事には反対している訳でもなさそうなので二人で今はゆっくりとして休んでいた。
その後は泊まれそうな場所を紹介してもらっていたけど先程の空気から泊まれそうな空気とは言えなかったのでここは素直に佐藤紫ちゃんが待っている場所に帰ることにしようとした。
「椛さんにココさん、二人には申し訳ありませんが俺は明日の用事もありますのでそろそろお暇させて頂きます。また、訪問してくると思いますのでその時にはお土産でも持ってきますので、それではこれにて失礼します」
「いやいや、待つのじゃ!せっかく来たのにもう帰ってしまうのか、もう少しだけでも・・・」
いや、先程の状況から考えても無理ですからそれに真面目に休む場所を探すぐらいならリオでも召喚して飛んで帰った方が良さそうな感じなので素直に帰ります。
椛さんたちには申し訳ありませんが俺には社畜の使命があるのです。それを果たす為にも帰らなければならないと必死に説明した。
すると椛さんは残念そうにして落ち込んでいた一方、ココさんは滅茶苦茶に嬉しそうにしてこちらを見ていた。ココさん、完全に敵として見ていませんかと言いたくなるほどの対応であった。
でも今回は真面目に仕事をやらないといけないから帰りますと言って俺はリオを召喚してからリオに必死に掴んでから飛んでくれとお願いして空に飛び立った。
本当なら素晴らしい光景が広がっているだろうけど今の俺にそれを見ている暇はなかった。落ちたら下手にすれば死亡してしまうのでただ必死に掴み、元の世界と繋がっている場所まで飛んで帰るのだった。
それを見ていた椛は必ず、帰ってくるのじゃよと静かにつぶやくのだった。そうして椛は見えないはずの空を見上げているのであった。
俺はなんとかしがみついて命懸けでなんとか佐藤紫ちゃんがいる場所まで戻ってくる事ができた。そして本当に佐藤紫ちゃんがこの世界の巨木の上で作業をしていたのでマジかと思いながらも声をかけた。
「紫ちゃん、ただいま!それはそれとその絵はもしかしてこの世界の生物の絵・・・滅茶苦茶に上手い。もしかして美術とかとんでもない才能を秘めているの」
「先輩、おかえりなさい!これは私の趣味と言いますか。私はこの姿ですから友達がいませんからこうして絵を書くことで時間を費やしていたので・・・」
それは聞いて悪かったと謝ると別に先輩が謝ることではないですからと言ってくれたけど。こちらとしては悪いことをしたなと考えていた、それに俺もやりたいことの為に一日以上もここに残ってくれていたからと考えると余計に。
なので俺は元の世界に帰り、なにかご馳走はないかと探していると冷凍の切りガニがあった。これは確か、料理しようとして忙しくて作らずに残っていたものだけど冷凍していたから腐ってはいないだろうと考えてカニの汁が出ている味噌汁を作りご飯しかないと絶望して元の世界に帰り、俺は申し訳ない気持ちで紫ちゃんに話すのだった。
「ごめんなさい、冷凍のカニとご飯はあったけどそれ以外が何も無くて本当にごめんなさい」
「い、良いですよ!その気持ちだけでも私は嬉しいですから。それと私なりに食べれそうな植物や近くの川で小さいですけど捕れた魚などを使いましょう。毒味などはして食べれることは確認しておりますので安心して使ってください」
すみません、神様。なんでこんなに性格が良い子を酷い目に遭わせているのですか。おかしいでしょうと何度も思いながら紫ちゃんが必死に獲ってきてくれた食材を無駄にしない為にも俺は必死に料理を始めるのだった。
その必死さは家から料理器具を大量に持って失敗しないようとするほどであった。
本日の成果
襲ってきた妖狐の名前は狐田狐菊こだこきくと言う名前ということが分かった!
町の様子など状況など知る事ができた!
佐藤紫ちゃんが美術の才能があることが理解した!
佐藤紫ちゃんにこの世界の食材を集めてきてくれていた!
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