第13話

俺は言葉にもならない恥ずかしさと嬉しさのあまりに興奮している己を木に対して頭を釘を打つ金槌のように振り回して頭から血を流しながらも止めずにいた。






その理由は非常に簡単であった、あの俺の理想の女性そのものの椛さんが俺に対して膝枕をしてくれていたのである。これで興奮しなかったらそれは男ではない、でも隠したいからそうして現れた行動が木に対して金槌のように打ち続けると言う結論に至った訳だ。






それにそれをやれば寝ていた時の記憶が蘇り、椛さんに膝枕をされていた時間を長く脳内の大切な場所に保管ができるからと考えて必死にやっていた。






すると椛さんがこちらを心配そうにしてこちらに対して声を掛けてきたのですぐに最大限の優しい声で心配しないで下さい、俺は平気ですからと返事をした。






でもずっとそのようなことをしているわけには行かない、朝飯の支度をしないと行けないうえに椛さんが俺のために座って寝ることになってしまったのでそれを謝罪する事にした。






「申し訳ありませんでした!俺の為に色々とご迷惑をおかけいたした事、改めて申し訳ありません!すぐにお詫びの朝飯なども作りますから許してください」






「竜輝よ、・・・余はそこまで気にしていないからそこまで謝らなくても良いのじゃ。でもその料理に関しては言葉に甘えさせて貰うのじゃ」






本当に心が広い女性だ、・・・見た目も素晴らしくて性格も良いって欠点がなさ過ぎませんか。本当に目を治さないと一生付き合えないほどの女性じゃないですか。元の世界に帰ったら調べないなとな目を治せる方法を、神話でも伝説でも異世界があった以上は存在する可能性も出てきたから無視はできないと考えながら俺は椛さんと共に神社に帰ってから食事の支度を始めた。






幸いなことにお米などが残っているのでメニューはと思い考えた末に雑炊でもするかと持ってきた醤油などを取り出して考え始めた。






食材の方も残っており問題はなかったけどこれを使うと食材がほとんどなくなるのでどうしようかと考えて脳内で天秤を想像して旅のことに関しての思いや冒険心などが重くのしかかり普通なら負けるはずだがこれに対抗したのが椛さんのあの笑みであった。




その椛さんの笑みで天秤の片方が重い石で圧倒的だったのに石より重い鋼が信じられないほどの大きさがのしかかり重い石を空の彼方に飛んでいって結論は出たのだった。






すぐに鍋を取り出してすぐに水を入れて火をつけて火が通りにくい食材から入れ始めて作り始めていた。それから徐々に火が通りやすい食材なども入れて料理を作っていた。そうして作りながら俺は思うのだった、この世界の食べれる食材なども分かればわざわざ元の世界から持ってこなくても現地調達が出来るのになと考えていた。






やはりあの湖にある町らしい場所に向かわない事には始まらないかと考えていると椛さんがそろそろ出来たかのじゃと言ってきたので俺はもうすぐに出来ますから待っていてくださいと返答してしばらくの後に完成してお互いに食べ始めるのであった。






やはり昨夜と同じで心臓と言うより理性に悪い食べさせ方をしてせっかく生還したのに二度目の戦闘に入ってしまった。流石に前回よりも耐性は・・・しまった自己発電(意味深)をすること忘れていた。






ここ最近は色々とやりたいことばかりですっかりと忘れてしまっていた!頼むから落ち着いてくれと必死に祈りながら心を落ち着かせようとして昔に趣味で覚えている孫氏の兵法書など思いだして必死に繰り返していた。






そのおかげもあり何とか俺は理性崩壊の危機を乗り切ることに成功したのだった。ヤッター!もうこれでこれ以上の危機はないだろう、余りにも理性を保とうとして食事の味など覚えていないからな。たまには料理をしっかりとして食べたいから何とかしてほしいけどと考えていると椛さんからそうじゃ、町でも向かってみないかと言われた。






町か・・・今から向かうと元の世界の出社時間を考えるとギリギリのところだな。行けなくはないけど多くは観光できないけどせっかく椛さんが誘っているのだからここは多少無理をしても受けるべきだろうと考えて俺は答えるのだった。






「そうですね、せっかくのお誘いですから喜んで受け入れますが・・・昨夜にもお話した通りに俺はこの世界での明日の朝早くには戻らないと仕事に間に合わないのでそこだけは承知してくれますか」






そう伝えると椛さんが心配しなくても余に考えがあるのじゃと言われてもしかして何かしらの移動手段があの町にあるのかもしれないと感じた俺はなら向かっても問題はなさそうですねと言いながら二人で町に向かうことになった。






町の様子までは見れないがかなり近くなのでそこまで時間は掛からずに町の近くにたどり着いていた。そうせると影が急に現れたのでなんだと思いで空を見上げるとそこにはワイバーンまたはドラゴンに乗っている人影も見えて、よいよい異世界らしくなってきたと内心、喜んでいた。






町の入口に辿り着くとそこには椛さんと同じ妖狐が門番をしていた。そうか、ここは妖狐たちの町なのかと理解したけど人間はいるのかなと疑問が起きていた。するとその疑問が椛さんが理解したらしく町の簡単な説明を始めてくれた。






「この町は紅葉こうはと言ってな、見ての通りに湖に面して作られている町でじゃ。平和でとても良い場所じゃ、竜輝からすれば同じ同胞がいないから少しばかり住みづらいかも知れぬが・・・」






「いいや、椛さん、とても良い場所ではないですか!自然と町が見事に融合されていると言うか。少なくても元の世界ではこのような町は見たことが無いですよ」






するとそうか、そうなのじゃなと嬉しそうにして椛さんは答えてくれた。そんな事をしていると何処からか叫び声が聞こえてきたので何だと思って構えようとしたらその叫び声は真上から勢いよく落ちて、俺の頭と何かが激突をしたのだった。






俺は思わずに痛ーーーー!!と叫んで激突した頭を優しく抑え込んでいた。間違いなくたん瘤出来たですけど全く、誰がこんな事を怒ってやると思いで言葉を口に出した。






「全く、誰ですか!おかげさまでこちらはたん瘤が出来たのですけど、責任をとってくださいよ!」






すると激突したのは椛さんと同じく妖狐で椛さんと違うのは金髪色の妖狐であり、その妖狐はすぐに俺に対して謝罪の言葉を出したのだった。






「この度は本当に申し訳ありませんでした、治療もこちらの方でやりますのでどうか許してください」






・・・・そう、妖狐の彼女は頭から大量の出血を出しながら謝罪をしていたのを見てすぐに感じたのは・・・向こうの方が重体だったーー?!!!






「すみません、そちらこそ大変じゃないですか。こちらはたん瘤だけですからそちらの治療に集中して下さい」








なんか俺が悪いはずではないのに謝りながら向こうの心配をしていた。俺ってここにいただけだよね?別に悪くないよね??向こうがあまりにも辛すぎる姿を見てなんか可笑しくなりそうと感じていると椛さんが先程の妖狐に対して話し始めた。






「その声はココなのじゃな、全くお主はあれ程周りを見てドラゴンに乗れと言っておるのにどれ傷を見せるのじゃ」






「ごめんなさい、椛様〜、椛様がいると思って会いに行こうとして急降下している時にくしゃみをしてしまいましてそのまま落ちてしまいました」






その子は頭から血を流して目からは涙を流しながら謝っている光景は色々とカオスな事になっているとしか言えなかった。






ともかく悪い娘ではなさそうでどちらかと言うとドジっ子に近い何かを感じた。それに今、この妖狐が椛様と言わなかった!?もしかして椛さんって想像しているよりもしかしてこの町で偉い人だったりしますかと思いながら見ていた。






すると周りの妖狐たちが何事かと思い集まりだした時に一人だけではない程の妖狐が椛様と言っているので間違いなく偉い妖狐だったのかと思っていると先程の俺に激突した妖狐が俺に対して話をしてきた。






「先程は本当にすみませんでした、ところで貴方はどうして椛様と一緒にいたのですか。怪しいので教えて下さい」






いきなりですか!それはそれ、これはこれと言う妖狐だなと感じた。それだけ椛さんが慕われている証拠だなと思っていると椛さんがとんでもない発言をするのだった。






「そうじゃな、もしかしたら余の伴侶になるかも知れぬ男じゃ」






そう言った瞬間、一瞬だけ周りが静かになりまるで時が止まったようになりその後に一斉に周りがえーーーと叫び声を上げて、俺と激突した妖狐は怒りを表して俺に対して声をかけてた。






「おのれ!椛様を惑わした人間め!!ここで成敗してやるからそこを動くな!!!!」






気迫な声を出して持っていた小刀で俺を切り殺そうと迫ってくるのが理解できたのですぐに逃げ出したのだった。その妖狐は待てーー!!と声を上げたけど確実に殺させるのが分かっているのに待つやつがいるかと思いながら逃げるのだった。








本日の成果


椛さんに膝枕をしてくれた!!!


(以下数回同じことが書かれてある)


町に到着して町の名は紅葉こうはと言うらしい!


空から落ちてきた美少女、妖狐と激突した!


椛さんが想像超える発言で先程の美少女、妖狐に殺されそうになっている!?

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