第16話

そうして仕事も終えた俺と紫ちゃんはお互いに真っ直ぐに家に帰り、異世界に向かう準備を始めていた。前と違いがあるとすれば向こうでも食べられる食材が一部だけであるが分かったのでせっかくだから向こうで取れた食材で料理を作りたいと考えて食材は入れずに向かう事にした。






もちろん最悪なことを考えてカロリーメイトだけ持っていくことにした。そうして異世界にたどり着いては目的の場所に向かう事にした。やはりと言うべきか食材を入れていないお陰で何時もよりも体が軽く、これなら予定よりも早く着きそうだと考えていた。






佐藤紫ちゃんが先輩はそれ程の量を背負っているのに私が遅くて本当にごめんなさいと言われたけどいやいや、男だし元々から体力には自信がある方だったから別に気にしないでと伝えた。






そして俺の考えどおりに予定よりも早く辿り着くことができた。食材もこの辺に食べられると判明した物が多くあり食料にも困ることはなかったけど気になるのがあるのだ。






あの再生に持ってこいのあの薬草って食べられるのかと気になっていた。幸いなことにこの辺なら沢山、生えているので採取には困ることはなかった。






なので俺はこの薬草を食べてみないかと聞いてみると紫ちゃんは確かに食べたらもっと早く傷が癒やされるかもしれませんから試して見る価値はあると思いますと言われた。






更に肌に使っているので毒性はないと思うので確かめて見る必要もないので今夜の食材に使えことにしたのだった。苦味などが予想されるので味噌汁などにして食べたいと考えていたので何かあるかなと探していると沼地にカニらしきものを発見したのである。






あのカニって食べられるのかなと感じながら観察していた。何か鈍足みたいでそれに警戒心もなくて簡単に捕まえられると考えた俺は沼地に発見したカニらしい生物を捕獲してみることにした。






余りにも簡単で甲羅は非常に硬そうであるけど煮込んでしまえば問題はないなと考えた俺は手頃なサイズのカニらしいものを捕まるのだった。そうしているうちに夕方になりお互いに集めた食材を見ていた。






向こうも料理にしたら美味しそうな食材ばかりを持ってきていた。それに紫ちゃんはしっかりとパッチテストをしてきており毒性が極めて低いと言うものばかりで安心して料理が出来ると考えるのだった。






本当に何処でそんな知識を学んできたのと聞いてみると全てが本で読んできて覚えましたと言ってきた。頭が良すぎませんかと思いながら料理を始めて話し合いでもしているのだった。






「そう言えばさ、紫ちゃんは他に好きな本とかあるの?もし宜しければ教えてくれるかな。ついでに言い出したから俺から言うけどフェニックス伝説が大好きで神話や伝説が元に作られた話だけど、アニメ化とかもされているから意外と知っていたりする」






「もしかして先輩もその話が好きなのですか!実は私も大好きで主人公が格好いいですよね始めた私もあのような運命の人と出逢いたいと一度は夢に見た事もありますから」






「まあ、女性ならまさに理想の男性だよな。格好いい上に性格も優しくてお金なども持っているって欠点は何処ですかと聞きたくなるぐらいに思ってしまうよね。でも知っているそのフェニックス伝説の最後ら辺って本当に残酷な話が出て来るからアニメや小説版はそこら編が改変されていることに」






そう言うと紫ちゃんは先輩ってそこまで詳しいですかと聞いてきたので他にも伝説の英雄、フェニックスに従っていた旗本二千の話なども色々と知っているから聞きたいことがあれば教えてあげるからと話が進んだ。






意外にも紫ちゃんってフェニックス伝説が大好きなのだなと感じた。一般的に男性のほうが好きになる人が多く女性も多くのファンはいるけど男性の人気差って凄いことになっているからそこまで食いつくとは思いもしなかったと感じた。






でもこうして話せる話題があるだけでも話は楽しいから良いかと考えながら料理を終えたのであった。料理はかなり豪華に見えていた、カニみたいな食材も使ったこともあり余計にそう感じていた。






味付けも問題はないはずで味見で一通りに食べたけどこれといった体に変化はなく安全だと思っている。我が身で実験したから紫ちゃんも安全なはずなので少しばかり心配しながらも食事を始めた。






食べてみて問題はなさそうだし紫ちゃんも特に異変はなしとそして心配していた味噌汁も先程に捕れたカニみたいな生物が良いだしを出しているおかげで美味しく出来上がっていた。






我ながら良くできたものだなと思いながら食べながら紫ちゃんがそう言えばフェニックス伝説の最期っていくつか諸説がありますけどどれを信じますかと言われた。






確かに全滅説に隊長のフェニックスだけが生き残った説に部下の数名のみ生き残った説があり俺はあるとすれば全滅説または部下の数名が生き残った説かなと言うと紫ちゃんがフェニックスが生き残っている説はと聞かれたので俺は返答をするのだった。






「もし、フェニックスが生き残っているなら軍団が復活してもおかしくないのに復活しないのは隊長が死んでいる証拠だ。まあ、全滅が有力だろうけど俺は最後の説を信じたいかな」






そう伝えるとなるほどと言って納得してくれた。このような科学では説明できないことが起きた以上はあの伝説も実話だと思い始めている。もしかしたら椛さんたちがなにか知っているかもしれないから機会があれば聞いてみようと思うのであった。






そうしている内に食べ終えて今日は食材も集めた事でここに来て疲れが出てきたのでおとなしくに寝て回復する為にお互いに眠りにつくのだった。






そうして何か異変を感じて夜中に目を覚ましたのであった。意外にも俺って昔から野生の感はかなりある方なので間違いなく何かがあるなと段々と意識を回復してくると一緒にいる紫ちゃんが苦しんでいることに気が付いたのである。






ヤバイ!先程に食べたのは即効性の毒ではないやつだったのかと慌てて急いで紫ちゃんに尋ねた。






「紫ちゃん!大丈夫!!辛いなら何か、最悪な事を想定して色々と応急手当を出来ると思うから」






そう言うと紫ちゃんは息を荒くしながら俺に対してお願いをしてくるのだった。そう、彼女はまさかのお願いに俺の脳みそが可笑しくなったのかと思うのだった。






「・・・私の初めてを先輩に・・竜輝さんに捧げたいのでそれを受け取って下さい」






何か明らかに目がハートになりながらこちらを見ていたのでもしかして媚薬の効果でもあったのかと思ったけど俺自身は何も変化はなく、基本的に彼女と同じ物しか食べていないから有り得ないと思ったけど俺はある事を思い出したのである。






元の世界で実は男性しか効かない毒、女性にしか効かない毒が存在している事を思いだした。俺には効果が全く無くても紫ちゃんには何かしらの効果があったのだろうと理解した。






でも安心してほしい、いくら自家発電(意味深)をしていないけどあの美人すぎる妖狐達を見た後ではそんなに興奮はしないからと考えていると治していた顔に貼っていた葉っぱが剥がれ落ちて現れたのはまだ火傷は少しは残っているけど完全に治れば妖狐たちよりも更に上の美人になるだろう紫ちゃんがそこにいた。






・・・・マジでとんでもない逸材じゃないですか!?と言うか俺って絶対絶命と言える状況じゃないですかと思いながら何とかしようとするのであった。








本日の成果


色んな食べ物を発見できた!


紫ちゃんが俺と同じでフェニックス伝説が大好きだった!


今夜に食べた中に女性に対する媚薬になってしまう品物があった事が判明!


その為に絶体絶命!!!

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