第10話

食事も終えて休めそうな場所で休みながら佐藤紫ちゃんの顔の様子を見てみることにした。するとまだまだやけどの跡が酷いけど前より良くなってきていた。






何回もやればかなり良くなるのではないかと思い、佐藤紫ちゃんに手鏡を持ってきているけど見ると尋ねると少しばかり間を開けてから貸してくださいと言われたので貸してあげることにした。






そうして佐藤紫ちゃんは自らの顔を見るとやはり毎日見ているだけに変化が起きた事に気がついたらしく、本当に良くなってきていると嬉しそうにしていた。でも何回もこれをやらないといけないから頑張らないとなと答えてあげた。






するといつもよりも元気な声ではいと返事が返ってきたのだった。そしてなら私が今夜は料理をしてお礼をしますと聞いてすぐに俺は紫ちゃんに対して話した。






「紫ちゃん!このことは当たり前の事だからお礼なんていらないからそれに元々、俺が行こうと言い出したことだから紫ちゃんは気にしないでほしい。それに怪我が良くなっているのだから安静してゆっくりと顔の火傷を治してほしいだ。紫ちゃんの気持ちは大変嬉しいけどここは人生の先輩にこの世界出身のリオに任せてほしいだ、リオも構わないよな」






そう聞くとリオもあり得ない速さで首を縦に振って同意してくれていた。やはりお前もそうだよな、あのこの世のものではない物体を目にするぐらいなら料理をした方がマシだよな。






命は誰もがほしいからと思っていると紫ちゃんは本当に申し訳ありませんと謝ってきたけど気にしないでくれと俺は言ってリオも同意するように頭を縦に振っていた。






そうもして俺と紫ちゃんはこの辺に二日ほど滞在して紫ちゃんの顔のケアに必死に努めて、ここに来る前よりだいぶ良くなりこれなら顔を出してもそこまで言われなくなるのではないかと思うぐらいだったけど紫ちゃんはそのまままた包帯を巻いて顔を隠した。






俺はもう隠さなくても良いのではないかと言ったけど紫ちゃんがせっかくだから綺麗にしてみんなに見返すほどなってから見せるかなと言っていた。






それなら確かに隠していたほうが良いかもしれないねと言っておよそ6日の滞在できるうちに移動に一日滞在で二日間ほど使い半分も切ったので俺も行きたい場所があるからそちらに移動をしても構わないかと尋ねると紫ちゃんは勿論ですよ、ここまでしてくれたのにこれ以上の我儘を言えません。






そう言ってくれたので俺が行きたかった場所、湖の辺りの探索もしたかったので良かったと思っていたらあることを思い出してしまった。あの恐竜みたいなものが生息していることを思い出したのだった。






これって紫ちゃんは家に帰宅をさせたほうが良いかもしれないと感じていた。あの時はとっさの判断で巨木に逃げたから命が助かったけど紫ちゃんがそのような行動ができるとは思えなかった。






なので俺は素直に紫ちゃんに説明をするのだった。






「紫ちゃん、これから向かう場所は先程までいた場所の真逆で湖がある周辺を探索するつもりなのだけど実はこの前にとんでもない危険な生物が生息していてその姿はまるで恐竜と思わせる生物でその時は巨木に逃げていたから助かったけどもし、逃げるのが遅れていたら・・・考えたくはないけどそうなっていたかも知れない。だから一度、元の世界に戻った後は一人で行動をする事にするから紫ちゃんは元の世界で待機して明日の仕事に備えておいて」






この子には意外と多くの言葉を出せば押し切れるところがあるので長文で押し切ってみることにした。すると分かりましたと納得してくれた。本当なら一緒に連れて行きたかったけど真面目に安全が何も保証などされていないから連れて行くわけには行かなかった。その為に一度、元の世界に繋がっている場所に帰ってきた。






とりあえず二日間ほどは向こうだと8時間ぐらいだから今から6時間半ぐらいは睡眠出来そうな時間である。なので俺はそう伝えるとこの場所で待っているのは駄目ですかと聞かれた。確かに他に比べて安全かもしれないけどこの辺だって危険かもしれないからなと考えていた。






するとなら巨木の上で作業でもしたいことがありますのでそこなら問題はないですよねと言われた、確かにあそこなら寝ている時も襲われたことがないから安全かもしれないけどそこまでなんでこの世界にこだわるのかなと感じていた。






でも巨木の上では安全なのも確かなので止める理由もないので分かったと伝えた。もちろん食材は俺の家から取ってきても良いからねと言ってから俺は気になっていた湖に面して出来ている町に向えたら良いなと考えながら俺はリオと共に向かい始めるのであった。






すると佐藤紫ちゃんがこれからまもなく夕暮れになりこれ以上は危険ではないですかと言われたけど時間もそこまで言うまで残されていないので時間がほしいから危険は承知で進むことにした。






幸いなことにリオが空から偵察をお願いすればある程度の危険は回避できると考えたので向かうのだった。






そして湖に到着した頃にはもう夕暮れも終えようとして辺りがかなり暗くなってきていたが前に見た町は明かりが見えており人が住んでいることが遠くから見ても理解できていた。






さて、ここからは湖に沿って歩くだけだなと感じながら歩いていると背後から地響きが感じ始めて来ていた。まずい!あいつがこちらに来ていると勘が感じ取り走り出して少しでも距離を取ろうとしたけど地響きは俺が走っているのにも関わらず大きくなってきてこうなったらと俺は声を出した。




「リオ!お前の背中に乗った、後に空を飛んでくれ!」






そう言うとリオも声を上げて了解らしい声を上げたので俺はすぐにリオに乗り真っ暗な空に飛び出した。やはり慣れていないので落ちてしまいそうだけど落ちたら死ぬと理解しているので火事場の馬鹿力を出して何とかしがみついていた。






そうして雲に隠れていた月が現れて真っ暗になっていた夜を月の光が照らされて現れたのは恐竜以外例えない生物が先程まで俺が居ただろう場所に存在しておりもう少しでも判断が遅れていたら今頃、やつの胃袋に入ってしまっていただろう。






とにかくここから離れないとあいつはこちらが空から降りてきたところを襲うつもりでずっとこちらを見て尾行してきていた。まずいな、リオは俺という荷物がある以上はいつもみたいに飛べないから時間が経てば危険だけど何処に向かえばと考えていると町の明かり以外に近くに小さな明かりがあるのを見つけたのである。






あの明かりがある場所ならこの生物が追ってこないかもしれないと考えそちらに飛んで移動をしていた。するとある境を越えるとあの恐竜みたいな生物は追うのをやめて何処かに消えて行った。






俺は助かったと思いながらその明かりに近づくとそこには石の階段に左右に神社にある明かりを灯すやつがありここは神社またはそれに近い何かがある場所という事が理解できた。






その上でここに住むものは少なくてもあの恐竜みたいな生物が獲物を諦めて帰るぐらいには強さを持っている、下手にすると先程よりも危険かもしれないけど初めての異世界人との交流ができるかもしれないと考えたら危険かもしれないけど俺は石の階段を上り始めた。






リオは先程のことで疲れたのか赤い宝石の中に自ら封印していった。本当にお疲れ様、助かったよ思いながら石の階段を上った。それにしてもどんな人がいるのだろうか、話し合いができる人なら助かるだけどなと考えながら石の階段を上りきった。






そこで待っていたのは俺にとって信じられない光景だった。そこには神社がありそこで月夜を眺めながらゆっくりとしている妖狐がそこにあった。






その妖狐は銀色の髪をしており髪型はクラウンハーフアップだろう、胸はかなりの大きさで巨乳の部類だろうけどそれ以上に顔が何とも美しかった。






俺はその妖狐に一目惚れをしてしまった。






本日の成果


佐藤紫ちゃんの火傷が改善された!


恐竜みたいな生物から逃げ切ることに成功した!


天女・・・または絶世の妖狐がいた!


絶世の美女の姿をした天女または妖狐がいた!!(一目惚れで錯乱中)

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