第7話

徒歩で向かうのか病院の時に迎えに来た車はいなかった。


「ここから20分くらいのところにショッピングモールがあるのでそこに行こうと思います~」


聞けばそのショッピングモールは上層区域だけでなく中層区域の人たちもよく利用するらしい。


許可が無いと上層区域には入れないが、そのショッピングモールは中層区域にも接しているため中層区域の人間たちも来るという事だった。


とはいっても出入り口には警備員や警察がいるので滅多なことは出来ないらしいが。


「歩いていくのは大丈夫だが、お前らは大丈夫なのか?」


20分歩くくらいなので問題ないとは思うが一応聞いてみる。


「大丈夫ですよー!こう見えて体力結構ありますか!」


晴香は確かに元気が有り余ってそうである。


舞なんかは体力があまり多いとは思えなかった。


「大丈夫です」


大丈夫らしい。


まあこいつらも無理してまで付いてくるとは思えない。大丈夫なんだろう。


そんなやり取りをしている間に正門を抜け出していた。


病院から抜け出した時も思ったが人通りが少ない。少ないというか全くいない。


上層区域では車での移動が主流なのだろう。徒歩で出歩く物好きはいないらしい。


「両手に花ですね~連理さん!」


優菜が自分で言う。


「自分で言うな自分で」


が実際両手に花であることは変わりなかった。


そう思っていると優菜が俺の左手に腕を絡ませてきた。突然のことに驚くがこいつはなんも考えてなさそうなので好きにさせておく。


「あー!優菜ちゃんずるい~!」


晴香が気づき即座に右腕を狙ってくる。しかし右腕には晴香より早く舞がいた。


意外だな。舞はあまりこういうタイプではないと思っていた。


「あー!舞ちゃんそこ私のなのにー!」


晴香が喚くが舞はどこうとはしなかった。


その光景を見てか美穂が言う。


「舞ちゃんがこんなに懐くなんて、珍しい~」


美穂が意外なものを見たかのように言う。


「懐いてない。居心地がいいだけ」


俺の右腕を安息の地にしている舞。


「これは俺の右腕だがな…..」


俺のつぶやきは誰の耳に入ることもなかった。


「連理君はイケメンだからね~。取られたくないのかしら」


そうだろうそうだろう。


「まあそうそうこんなイケメンはいないだろうな!」


上機嫌で言う。


「自分で言うとなんか違いますね~」


美穂がバッサリ切り捨てる。


そんな変な会話をしている内にショッピングモールが見えてくる。


病院も屋敷も大きかったがこのショッピングモールはそれ以上に巨大だった。



「でっけぇな~」


感想が漏れる。


「いろんな人が利用しますからね~」


ショッピングモールの入り口には看守が立っていた。


しかし俺たちが上層区域から来ているからか特に何も言わずに中へ入れた。


逆は確認されるんだろうな....。


「簡単に中に入れるんだな」


「出る時は確認されますけどね~」


「でもでも私たちは顔パスで入れるよー!」


「飛鳥家の使用人ですから~ちょちょいのちょいです~」


優菜がそういう。やはり飛鳥家は上層区域でもヒエラルキーが高いのだろう。言葉端からそう読みとれた。


「メンズの衣類は確か二階だったよね?」


「うん。レディースの向かい側にあった」


やはり舞は服に関することは詳しいのか場所を把握していた。


実際今着ている服もすごくお洒落である。


やはりモデルをやっていたのだろうか。


「舞はモデルでもしていたのか?」


「今も一応やってる。屋敷にほとんどいるから頻度は少ないけど」


やはりか。


「舞ちゃんすごくお洒落だよね~」


「私たちも服は舞ちゃんに任せてるんだー!」


舞がついてきたのはこのためだろうか。この三人に任せるなら自分が服を選ぶという….。


店にはAVARAと書かれていた。店名だろう。


店に入ると店員と思わしき女性が近づいてくる。


「今日はいかがなさいましたか~」


「この人の服を買いに来たんですが....。おすすめなどあったら教えてください」


美穂がそう店員に告げる。


舞は俺の右腕から離れ店内を物色している。


俺に着せる服を選んでいるんだろう。


「連理君だったらなんでもにあいそうだけどね~」


優菜はいまだ左腕に引っ付きながら言う。


試着できないため離れてほしいものだ。


「そうですね~。このお兄さんは素材がすごくいいので....。少しお待ちくださいね~」


接客スマイルをしながら奥に入っていった。


「なんでもいいが、動きやすい服だと助かる。あと優菜はそろそろ離れてくれ」


試着室に行きたいから優菜に離れるように頼む。


「え~一緒に行こうよ~」


あほである。


「馬鹿言ってないで早く離れろ」


そういい俺は優菜の尻を揉む。


「ひゃっ!?何するの連理君!?」


そういいながら俺から離れる優菜。作戦は功を奏したらしい。


「そんなまだ早いよぉ....」


などと訳の分からないことを言ってうねうねと気持ち悪い動きをしているが無視する。


「あー!連理君エッチなんだ~!」


晴香は見ていたのかそんなことを言う。


「作戦だ作戦。お前はトイ〇ラスにでもいってこい」


まだチビな晴香はここでは何の役にも立たないだろう。


なので子供のおもちゃなどが売っているところを指さす。


「私子供じゃないよ!?」


不服そうに頬を膨らませ抗議する晴香。


「じゃあ俺は舞のとこ行くから」


そういいあいつらから離れる。


舞のところに行くと何やら絡まれているようだった。


一応上層区域ではあるんだがな....。


「ねねっ!いいでしょ。俺らと遊ぼうよ」


そういい舞の腕を引っ張る男。


いかにも俗物な感じがする。


舞は無視を決め込んでいるのか相手にしない。


そんな舞の態度に腹が立ったのか男が無理やり腕を引っ張る。


「俺、明石家なんだけど?」


虎の威を借るなんとやらである。仮にこいつが明石家であったとしても翼に知られたらただでは済まないだろう。


俺は男を助けるべく話しかける。


「やめとけ。そいつは飛鳥家の使用人だぞ」


俺は未来の男のために言い放つ。


が、男は俺にお構いなく舞に話しかける。


「使用人なんていくらでもいるでしょ。俺の家来たらもっと待遇よくできるよ」


下卑た目で言う。一応俺の話は聞いていたらしい。


だが飛鳥家の名前を聞いても退かないあたり明石家も相当な良家らしいことがわかる。


面倒なことになったな....。


「すまんなこいつは俺専属のメイドなんだ。諦めてくれ」


何とか諦めてもらうため交渉を仕掛ける。友好にいこう友好に。仮にこいつが明石家とやらであれば暴力を振るえば問題になるだろう。


「ああ?誰あんた?飛鳥家にお前みたいなやつがいるわけねぇだろ」


凄まれた。はぁ、めんどくせぇな。


「だったらなんだよ。いいから舞から離れろよ不細工」


ちょっとむかついていたのか俺は思ってもないことを口にしてしまった。ホントダヨ。


「は?誰に向かって口きいてんだ!?殺すぞ!」


なんとも血の気の多い奴である。取り巻き立ちも見下すような目で俺を見る。


「舞、この場合どうすればいいんだ?」


俺は舞に助けを求めてみる。本来俺が助ける役割だったんだがな....。


「無視してたらいずれ消えると思う」


難しい相談だな。今も舞は男に腕を捕まれている。


「その手離せよ。折っちゃうぞ☆」


冗談を織り交ぜながら言う。本気で腕を折ろうなどとは思っていない。


しかし男は俺に既に興味を失ったのか無視される。


ふぅんカチンときたんだから!


むかついた俺は不細工な男の腕をつかむ。そして力を籠める。


「いたっ!?ちょ!離せ!!!」


変なことを言うもんだな。離すのはお前だと言うのに。


「お前が離せよ。折っちゃうぞ♡」


今度は相手の目をしっかり見ながら言う。


「わかった!だから離せ!」


よっぽど痛かったのか直ぐに舞の腕を離す不細工。


離したのを確認してから俺も不細工の腕を離す。


「覚えとけよ...明石家を敵に回したんだぞ!」


なんとも小物感がある物言いである。


そういい男は取り巻きを引き連れて店から出ていく。


にしてもひょろひょろな奴だったな。今の世の中異能に頼りすぎなんじゃねぇのか...。と一人感慨に耽る。


「ありがとう....。でも大丈夫?明石家ってそこそこ大きな家なんだけど……」


舞が心配したように言う。


「気にすんな。仮に向こうがなんかしてきたら俺が護ってやるよ」


そういうと何か胸の奥に変な感覚がした。


なんだったんだ...。恋かなドキドキ♡


「ありがとう。でもあなたの方が心配」


舞の顔が少し赤い気がする。


よく考えてみれば舞じゃなく俺に報復する可能性の方が高いな。


まあそん時はそん時だ。今考えても仕方が無いだろう。実際明石家かどうかの確証もない。


そんなこんなな事があって今は舞が選んだ服を試着中である。


なかなか動きやすくて悪くない。見た目も素材を引き出すいい組み合わせだろう。


「どうだ?正直俺はなんでもいいが……」


そんなことを思っていると美穂がさっきの店員を連れてこっちに来る。


「連理さん~どこ行ってたんですか~!」


美穂は俺を一目見ると驚いたような顔をする。


「もう選んでたんですね~」


既に試着していたからだろう。


店員も私は必要なさそうですね~とか言いながらどっかに行ってしまった。


その後も俺は女たちの着せ替え人形となりながら買い物を済ませた。


ついでに靴も何足か買ってもらった。


いたれりつくせりだな...。


帰りは確かに警備員に確認されそうだったが美穂たちを見てか、スルーされた。


帰りも左腕に優菜がくっついていたが心なしか顔が赤い気がする。多分尻を揉みしだいたからだろう。恥ずかしいならば離れたらいいのにと思うが。


行きと変化がったのは右腕には晴香がくっついていたことだろう。


チビの晴香は腕に頑張ってしがみついているらしい。


「今日はありがとうな。助かったよ。」


みんなにお礼を言う。


みんなは「気にしないで~」と言っていたが実際助かった。


服装は外を出るのに必須だからな。


やはり上層区域は歩いている人がほとんどいなかった。


ー-------------------------------------


 


屋敷についた俺は翼が返ってくるまでの間暇だったので読書の続きをすることにした。


教養書には上層区域などの情報に加え、法律、異能に関することも書かれていた。


異能(シークレット)と命名されたその力は、1世紀以上前に人類に突如発現した。なぜ発生したのかはいまだに研究中であるが、人類が危機的状況にあるのではないかという説が有力らしい。もっともその危機的状況というのが何かまでは解明できていないらしいが。


異能に関してだが、異能は一人一つしか発現しない。これも理由は不明ではあるが、異能が発現する状況に応じて異能は決定されると言う説が有力だ。異能が発現する瞬間に炎をイメージしたら炎に関する異能が発現したという論文が査読されたらしい。


また異能にはカテゴリーがある。俺の異能が何に分類されるかはわからないが、異能を扱えない俺には関係のないことかもしれない。


それぞれ異能には制約がある異能と制約が無い異能とで分類される。制約とはありていに言えば代償のことである。たとえば自身の体力と引き換えだったりなどである。


しかしながら制約型にもメリットは存在する。制約があるという事はその分効果も大きいからだ。基本的には制約の大小に応じ、能力は変動する。


病院で翼が使った異能は制約が無いタイプだろう。根拠は特にないが、制約があるならばあんなところで使うとは考えにくいくらいか。


異能に関する法律も発現とともに制定されてきた。法律を作成するにあたっては九折坂という政治家がほぼすべての策定を行ったらしい。


その法律が異能発現してすぐに制定されたため今までの通り過ごすことができているそうだ。


基本的に異能は他者への攻撃および害を為す行為に準ずる場合に法律で禁止されている。異能を使った場合の障害罪などは比較的重く設定されている。しかし、正当防衛や戦争などの場面ではその限りではない。


が、正当防衛と判断するのはあくまで俺たちではなく、司法であるため、よほどのことが無い限り異能での正当防衛はしない方が賢明だろう。


俺に関しては異能が使えないのだから心配する必要はないだろう。


本を読み終わったころ気配がした。


夕食だろう。外はもう既に帳が落ちていた。


「連理さん、夕食はいかがなさいましょうか」


綾香だ。やはり夕食の報告だった。


「わかった。すぐ行く」


そういい部屋から出る。


綾香の後ろについて食堂に向かう。


ふと気になったことを聞いてみる。


「ちょっと聞いてもいいか?」


「はい。どうぞ何なりとお聞きください」


「綾香の異能を見せてくれないか?」


俺は異能が使えないため、一目見たかった。


「異能ですか?」


別に構いませんがと言い異能を発動させる。


綾香の周囲が淡く光る。


凄いな……。綺麗だった。


「私の異能はクリーンと言って、周囲にあるものを清潔にする異能です」


なるほど。なかなか便利そうな異能である。


実際普段使いできる異能は重宝するだろう。


炎が出せる異能なんて言ったって、普段使うことはほとんど無い。


それらを考慮するととても有用な異能であることは間違いなさそうだ。


「ありがとう。にしてもこの屋敷が綺麗だったのは綾香のおかげだったんだな」


「私だけではありませんが……。そうですね、ほとんど私が清掃をしております。」


掃除するという点においてこの異能は最強だろうな。


「俺は異能が使えないからな。ちょっと見てみたかったんだ」


「そうでしたか…。私の異能ならばいつでもお見せします」


いい女だな。つい胸に手が引き込まれそうになる。


「どうかされましたか?」


「....いや、なんでもない」


危ない危ない胸凝視していたのがバレたようだ。


しかし美穂までとは言わないがなかなか立派な胸だ。


そうこうしつつ食堂へ向かう。


食堂には翼もいた。やはり夕食は一緒に食べるんだな。


翼は既に席についていた。


「ではみんな揃ったことなので食べましょうか」


翼は俺を待っていたのだろう。


「今日はどうでしたか連理さん。無事服は買えましたか?」


そのことか。


「ああ、助かったよありがとう」


そういうと翼は顔を輝かせた。


「それはよかったです!不便があったらなんでも言ってくださいね」


いまさらながら胸を揉んだことに対し罪悪感が湧いてくる。


ここまでいい子だったのか...。金持ちの子供って基本わがままなもんだと思っていた。


「ちょっと気になることがあったんだが、明石家って知ってるか?」


そういえば明石家に舞が絡まれていたことを思い出す。


舞がナンパされていたことは伏せているが、接触したことは言っておいた方がいいだろう。


「はい、存じ上げていますよ。通っている学園に明石家の長男がいますので」


という事はあいつのことだろうか。しかし学園をさぼって居たという事だろうか。


あの時間は翼は学園にいたはずだ。


「いや今日ショッピングモールでその明石とやらに絡まれたんだよ」


「そうだったんですね...。明石さんはちょっと問題行動が多いみたいなので....」


やっぱ問題児だったのか。問題児でもなければ学園をさぼってナンパをすると思えない。


「まあ一応報告しようとおもってな。それだけだ」


そういい締めくくる。


「翼ちゃん~連理君を学園に連れて行かないんですか~?」


優菜が言う。


「俺は学園に通う年齢じゃないぞ?」


学園に一回り年上の俺が行くと目立ってしまうだろう。


そのほかにも色々問題があるだろう。


「そうですね....。それも良いかもしれませんね」


思わぬことに翼が納得してしまった。


俺がおかしいのか?そんな簡単に通えるものなのだろうか。


「いや、良くないだろ。俺は部外者だぞ」


記憶もないし。てか普通に面倒臭そうだし....。


「大丈夫ですよ。皆さん護衛として連れていらっしゃる方が多いですから」


なるほど確かに。護衛としてなら入れるだろう。しかし俺は面倒事になる気がしてならなかった。


「いやいや、俺は通わないぞ。お守なんてごめんだね」


俺がそういうと翼が悲しそうな顔をする。でも嫌なものは嫌である。


「だいたい俺がお前を護れるほど強いとは限らないだろ?異能も使えないぞ?」


異能も使えない俺が護衛につくのは合理的ではない。


「大丈夫ですよ。形だけ護衛という感じにしたら一緒に通えます」


俺の内心を知らずかなんとかして一緒に通おうと画策する翼。


「いやだー!いやだ!行ききたくない!」


最終手段の幼児退行を試みる。こうすることで尊厳と引き換えにそばに置いておくことを不安要素にすることで通わなくてよくする作戦である。


「「「「………。」」」」


メイドたちの視線が痛い。しかしここは退くわけにはいかない。


「それでは明日学園に詳細を説明するので明後日からよろしくお願いしますね」


俺のことをがん無視しながら悪魔のようなことを言う。


もう翼の中では決定事項のようだった。思わぬとこで以外に強情な一面が見えた。


「せめて心の準備をさせてくれ」


準備期間は一年以上を求めるがな!


「駄目です。明後日から通います」


とりつく島もなかった。


「いや急には無理だろ。いや無理であってくれ!」


「いえ、学園では結構あることですので全然大丈夫です」


にっこりと笑う翼。まるで悪魔の微笑みだった。


「では制服は私たちでご用意しておきます」


綾香が言う。こんなとこでその有能さを発揮しなくてもいいんだが....。


「じゃあ私は連理さんの履歴書などを作成しておきますね~」


俺の履歴書なんて作れるのだろうか。なにせ苗字すら忘れている男である。戸籍すらも怪しいと思うのだが。


「どれだけ粘ってもお前らの中で俺は学園に通うことが確定しているんだな....」


「連理は嫌なの?」


舞が聞いてくる。


「いやだね。心底」


「なんで?」


「そりゃ面倒臭いからだ」


「多分学園で翼様に引っ付いているだけでいいと思う」


「それはだけとは言わないんだ」


実際翼が学園に通う間に色々しようとしていたため、これからの計画を見直す必要が出てきた。


命の恩人だから無碍にするのも忍びない。


「せめて学園では自由にさせてくれ」


ずっと付きっ切りは流石に疲れそうだ。形だけの護衛だとしても変に目立ちたくはない。


翼なんて学園じゃあアイドルみたいなもんだろうからな。学園でモテる翼は容易に想像できる。


「う~ん。しょうがないですね....。それで良いですよ」


何とか翼に許可をもらう。


「授業は俺も受けるのか?」


「基本的には自由で大丈夫ですよ。学園の皆さんがお連れしている人たちは半々くらいで授業を一緒にうけていると言う感じですね」


「なんならメイドを連れている人もいますから」


なんとも悪趣味な奴もいたもんだ。周りに見せつける為だろうか。


金持ちの考えそうなことだな。


「じゃあ授業中に外に出るのは良いのか?」


授業中に外出できるならば俺としてはありがたい。


実際いろいろこの世界について知りたいことが多いからな。


「それは多分駄目だと思います…。セキュリティの人に言えば大丈夫かもしれませんが....」


あまり良くは思われなさそうだな。実際護衛なのにそばにいないことを不審がられる可能性もあるだろう。


「わかった。外出はやめておく」


おとなしく授業中は図書室にでも行くことにするか。知識を付けるのも大事だからな。


と、自分に言い聞かせる。


「ではまた明日に色々と話しがありますのでその時はよろしくお願いしますね」


そうして俺は学園に通うこととなったのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る