第2話を執筆したらしい

「母上め、昨日はよくも!」


「まーまー、そうプンプンしないの。第2話が書けたけど読む?」


「読む!」




 はい、と言うことで今回も第2話の様子などを書いていきます。


 えー、今回の話の内容をネタバレを防ぐため極力簡潔にお伝えしますと……

 異世界のイケメン君がなぜここにいるのか、そして主人公と出会うことになった理由などの説明回のようです。


 相変わらず読みやすくて、説明が長くても読める文章。

 でも、でも……!


「どう? もうこの話は完成でいいかな?」


「……お母さん、確かに良い文章なんだけど……ちょっと意見してもいい?」


「いいよ、どんな意見?」


「会話をもう少し入れて欲しいの!」


 実は、今回の主人公とイケメン君の絡みは……冒頭のわたあめとイカ焼き、そして終盤の■の勇者についてくらいしか、今の所は無い。そのあとはズラーーーッと説明文が並んでいるだけ。


 私は人間味のある会話シーンが無いと死にかけるタイプの人間だから、説明文の間に会話がないとちょっと苦しいの……!


「……というわけで! 説明文の途中に数行の会話文を入れて欲しいのであります!」


「会話文ねぇ……でも、どこに入れれば良いの?」


「まずは『■■を統べる、■王』と『■■の7色の色』の説明の内容の後かな」


「どうしてそこなの?」


「ここの2つ以降は説明の内容が変わるし、ここまで長くて混乱するからね。こういう時は主人公に質問とかの台詞を言わせて用語の補足をすると良いと思うよ」


「な、なるほど。じゃあ、どんな事を言わせたらいいかしら?」


「たとえば、『質問! ■王ってなに?』とか、『私に関係してる■の■■ってどんな能力なの?』とかかな。……あ、■の勇者が■■したってシーンの直後にも似た感じで入れるといいかも?」


 ……ん? 伏字が多くてヤダ?

 母からの要望だから仕方がない、諦めてくださいな。

 今後はこれの2倍くらいに増加する予定だから覚悟してくださいな。


「なるほどね……! ちょっとやってみるわ!」


 そう言うと、母は謎のノートを寝室から持ってきて、それを見ながらパソコンを再びカタカタいじり始めた。

 ……なんだろう、あのノート? 後で聞いてみよう。




「……できた! 娘、できたから読んで!!」


 両手でガッツポーズしながらそう母。


「はいはーい。さてさて、どうなったでしょうか~っと」


 早速修正版に目を通す。


 ……。

 ……おおっ!

 凄い、格段に読みやすくなってる!


 新たに挿入された掛け合いやイケメン君のクール系ポンコツっぽい台詞が、ただの設定の補足だけじゃなくて、物語への引き込み役になっている感じだ。

 程よく■■の設定やキャラクターの情報がわかって……とにかく読みやすい、楽しい!


「お母さん凄いね、めっちゃ読みやすくなった!」


「ふふん、でしょう? 結構頑張ったんだからね!」


 ドヤッと決め顔をする。

 そんな母の手には、さっきの謎のノートが握られていた。

 青い表紙の、Campusキャンパスノート。


「お母さん、そのノートって何?」


「ああ、これ? アイデア帳よ。思いついたアイデアを片っ端からメモするの。寝る前とか、突然アイデアが止まらなくなる事あるでしょう?」


「あるある~」


「そういうときは忘れないうちにアイデア帳を使うのよ。アンタも使ってみたら良いんじゃないかしら?」


「あー、じゃあ私もそうしてみようかな」


 こうして私の日課が増えることとなるのであった……。

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