母がラノベを書きはじめました｡

主人公のモデルが〇〇だった件

　その後は一応、第1話全体に目を通してみた。

　冴えない主人公がなんやかんやして異世界のイケメンと出会う……そんなありがちな設定、でも読みやすくて面白かった。文才のある人が書くラノベってやっぱ良いね！

　主人公の設定も一見よくある感じなのに、カメラ女子なのが良いアクセントで……ん？

　オタクで地味顔でコミュ力底辺。

　カメラの才能が天才的、それ以外は平均以下、カメラがお友達……？

　……おぉーん？

　この設定、私知ってるぞ？

　いや、自惚れすぎかもしれないけど……なんか私っぽいぞ？？

　実は、私は高校で写真部に所属しているのだ。

　それに、オタクなのも地味顔なのもコミュ障なのも成績が平均以下なのも……何もかも似てる。名前以外は。

　……って、流石に酷いよね？

　実の娘をモデルにしているならこんなに酷い説明しないよね、普通？

　そうだよね、似てるのは多分偶然だね！

　……でも一応確認しとこ、一応ね！

私

「母上！　自惚れてるのは重々承知なのですが、この主人公は私がモデルでしょうか！？」

母

「うん」

私

「な゛あぁーっ！？（絶叫）」

母

「声デカいよ、近所迷惑でしょ」

私

「いやいや！　いくらなんでも酷いよ、こんな説明！　私をなんだと思ってるんだ！」

母

「……あらら、それは勘違いよ？」

私

「なんだとっ」

母

「確かにワタシはアンタの特徴をモデルにしたけど、『カメラ女子』以外のほとんどの部分はテンプレで構成したのよ？（ホントは全部そのままキャラに入れ込んだんだけど）」

私

「そんなまさかっ」

母

「よくいるでしょ、な⚫︎う小説の量産型主人公の女の子版みたいな感じの子」

私

「たしかにっ」

母

「それに、アンタっぽい要素として『カメラの天才』って設定にしたじゃない？」

私

「本当だ！　わーいっ！」

⬆︎言い包められているのに気が付いていない。

母

「……さて、それじゃあ今後もアンタをモデルにしてキャラ造形していくから、なにか入れて欲しい要素があったら言ってね」

私

「はーい」

　私が言い包められていたのに気がついたのは次の日の昼でした。