第32話 激突少年R

なんだコイツは!?


最初の印象はそんなものだった。


同じ顔ってだけでも混乱しているのに


大犠銘文メメントメモリ煙幕スモーク


人外喰らいヒトデナシクライ


煙幕を喰らう。


「っな!いない!?」


大犠銘文メメントメモリ貫通ペネトレーション


背後から先ほど見た攻撃が来る。


身体強化二倍八重掛けブーストダブルオクテッド


直撃を避けたが頬を掠めた。


能力がまったく見当もつかない。


強化系と思えば、具現化するし、内容もバラバラ。


まさかのコピーする能力か!?


だとすると厄介だな。


「待て、目的はなんだ。」


話しかけても反応無し。


バックステップで距離を空けるもすぐに詰められる。


仕方ないか。


仮人迫命ヒトデナシバグ


身体強化を済ませ、相手の懐に潜り込んでいたことにした。


「はぁっ!!」


鳩尾に一撃。さすがに効いたのか声を漏らす。


「っく、」


声まで一緒。もうただの偶然では済まされないだろう。


一端気絶させて、白夜さんのとこまで連れていくしかないな。


魔弾バレット電気銃スタンガン発射ファイア


ビリリリリ。バタンと倒れるところを受け止めて、担ぐ。


そしてそのまま治安維持隊に帰還する。



「白夜さん、帰りました。」


片手で戸を引きくぐる。


「その少年はどこで?」


白夜さんは何か知っていそうで安心。


「路地裏に革命軍を名乗って悪さしようとしているヤツがいて」


「懲らしめようとしたところを横取りされたと。」


先読みして言う白夜さん。


ならば、


「この少年は革命軍の所属ですか?


だとしたら、政府以外に対して犯罪行為をしないって言うのは」


ガラガラ、戸を開けて入ってきたのは


「ただいま、じっちゃん。憶人忘れ物だぜ。」


さっきの悪党二人の首根っこをもってポイっと放り投げる朱兎先輩だった。


「これは説明が必要なんだろうが、


魔夜との約束があるから言える範囲でだけ質問に答えよう。」


床でぶっ倒れているヤツらの胸元から見覚えのあるものを取り出した。


政府の紋章が入ったパス兼身分証だ。


「こいつは政府の人間で、おそらく工作員だろう。」


そのままケータイをとりだし、パカっと開き


「もしもし、瞳か?


そっちの隊員を部下が倒してしまってな。


すまないが引き取りに来てほしい。」


やべえ、やらかした。


この後、赤の革命軍のリーダーが直々に来ることになったらしい。


とんとん


「憶人、ドンマイ。」


『グッジョブ』じゃねぇよ、先輩め。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る