第31話 赤の革命軍

先輩に勝利し、魔夜から魔法を貰った翌日、


自体は急変した。


テレビ画面に砂嵐、次に移ったのは真紅の髪の女性が映り


「我々、赤の革命軍は政府を断罪する。


政府の施設に侵入、証拠は確保してある。


民間人に被害を加えるつもりはない。


一週間後、政府の拠点、首都に進攻を開始する。」


政府への宣戦布告。


唐突なことでその日一日は騒然とした。



「鏡子さん、お疲れ様です。」


近隣住民への対応で燃え尽きた鏡子さん。


結局、白夜さんが


「住民の安全は私が命に代えてでも保障しますから。


今日のところはお帰り下さい。


我々も調査に出られませんので。」


といったことで、


「英雄様がそう言ってるんだ、


みんな帰ろうぜ。」


「まぁ、たかが国内の暴動だったら英雄様が何とかしてくれるだろう。」


「がんばってね英雄様。」


うん、やっぱ白夜さんのネームバリューは偉大だな。


「おい、朱兎、憶人、巡回に行ってこい。」


こうして俺と先輩は各々の巡回ルートを闊歩することに。



巡回を開始して二時間ほどたったころだった。


「へっへっへっ。赤の革命軍ね。


おかげで仕事がしやすくなるぜ。」


「今なら責任押し付けられるからな。」


悪党2匹発見。


白夜さんから


「赤の革命軍は政府以外に対しては一切の犯罪行為を行わない。


そう取り決めてある。


瞳はああ見えて約束を絶対に守るヤツだ。


濡れ衣を着させないための巡回でもある。」


と御達しだからな。


「サクッと仕留めますか。」


そう踏み込もうとした瞬間


大犠銘文メメントメモリ強化ブースト


先輩にも匹敵する速度でフードを被った何者かが飛び込んで来た。


そのまま、男二人に首トン。


男はグシャッと腰を曲げて地面に倒れこみこむ。


顔色からして死んではいない。


気絶しただけの様だ。


だが、


大犠銘文メメントメモリ貫通ペネトレーション


存在偽造カバー・イグジステンス・ストーリー


漆黒の槍のような何かと白銀の剣が交差する。


風圧でフードがめくれ見えたその顔は


「・・・俺?」


まるで鏡の様だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る