第28話 大舞踏壊 再演

なんだかんだ有耶無耶になっていた俺と先輩どっちが強いのか論争。


その決着が今日。


って、そばから


「さっさと、中庭出るぞ。じっちゃんが帰ってきちまうからな。」


「先輩の欠点二つ目、情緒が死んでますね。」


「なんだとゴラァ。」


はぁ、怒りっぽいチビって…年上にモテる率高くない?


まぁ、顔が良いっていう前提条件があるんだろうけどさ。


欠点が欠点にならないっていうのかな、


あ~、うらやましい。


まぁ、そんなことはゴミ箱にでも捨てといて。


俺と先輩は中庭に出る。



「憶人、準備はいいか。」


「先輩、待ってくれるなんて優しいっすね。」


「勝った後で言い訳されたくないからな。」


「心配しなくても...


勝つのは俺ですから。」


「言うじゃねえかよ。


もう始めてもいいな。」


「ええ、どっからでも。」


「「ドン。」」


互いに身体強化を施して一気に距離を詰める。


俺はいつもの身体強化魔術と魔力循環による強化でざっと500倍。


それは先輩も同じぐらいのはずだった。


だというのに


「先輩、一体この短期間に


どうしてここまでつよくなっちゃったんでしょうかね。」


「なーに、能力をフルで使ってるだけだよ。


全部踏み抜く。そんだけだ。」


踏み抜くねえ。確かに、先輩が踏み込むたびに地面が消失してる。


「ははーん。さては、崩壊させた物質のエネルギーを上乗せってところっすか。」


「バレちまったか。まっ、それがなんだって話だけど・・・な!」


先輩の踵落とし。喰らったらただじゃすまない。


とりあえず。


仮人迫命ヒトデナバグ


一秒巻き戻りつつ先輩の背後に回り込む。


これでいったんは安全。


大舞踏壊ブレーキングダウンダンスホール


先輩が能力を発動させた俺は触れられていないのに。


物体か?何かを飛ばしてくるのか?


そう思っていたところで


「んな!!??」


地面に叩きつけられる。


「俺はよお。じっちゃんとの訓練で能力のみを使って戦ったんだよ。


その結果、能力発動の条件が緩和された。


間接的に能力を発動できるようになった。」


なんだよそれ。しかも重力も強力になってやがる。


声も出せねえ。


仮人迫命ヒトデナシバグ


「はぁ........はぁ....はぁ。」


詠唱無しなら今までのが限界だな。


それでも危機を脱するのが限界か。


こっからは、地面に立つのもアウト。


「ほんと、ダルイことしてくれますね。」


解眼アンロック人外喰らいヒトデナシグライ


結界シールド八重掛けオクテッド


先輩と俺の周囲に結界シールドを張り巡らせ足場を確保。


そんでもって、身体強化二倍八重掛けブーストダブルオクテッド


もちろん、無詠唱。


流石の先輩も油断してるだろう。


だって、俺が同時に生成できる魔法陣は8つまでなんだから。


「「「「「「「「パリリリリリリリリン」」」」」」」」


さながら跳弾のように飛びまわり。


仮人迫命ヒトデナシクライ


別のルートで飛び回ったことにして


先輩の背後を取る。


「ぶっ飛べや!!」


先輩にドロップキック。


見事に炸裂。


「へへ、やってやったぜ。


ついに先輩に勝ってやっぶべら。」


っち、そう簡単にやられてくれねえか。先輩は。





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