第27話 憶人復活。

体がまだ痛い。お腹すいた。おまけにまぶしい。


「今は何時だ。」


上体を起こし周辺を確認する。


俺はベッドの上にいて、掛布団に大きなふくらみがあり、それは上下していて。


「まーやー(# ゚Д゚)」


ふくらみの正体は丸まった魔夜だった。


「ふあー、おはよう憶人。」


よく見てみると魔夜の目の下にはひどいクマができていて。


「もしかして、俺のために看病してくれたのか?」


だとしたらもう少し寝させてあげよう。


「ううん、ちがうよ。看病ならほら」


あっけらかんと否定する魔夜。


その指先には


「アッ。どうもありがと。」


ツクモンがいた。タオルと桶のツクモンがプカプカ浮かんでる。


じゃぁ、気づいたら俺の膝に乗ってるこいつは?


「えっ、私?もちろん憶人成分を補充していたのだよ。


だって弱って倒れてる憶人なんてそう拝めるものじゃないからね。」


反省の色なし。さすがに怒ってもいいよな(#^ω^)。


魔夜の両手を掴む。詠唱省略、身体強化二倍八重掛けブースト・ダブル・オクテッド


「もとはと言えばお前のせいだろがーー(# ゚Д゚)!!」


そのままベッドに倒れこんで巴投げ。


うん。今日も快晴。



魔夜がどこまで飛んでったかは知らないが、


俺は一人ダイニングまで降りる。


「おはようございます。」


俺に気づいて近づいてくる二人。


「憶人君大丈夫?もう目を覚まさないかと思ったわよ。」


「もう大げさだなー、鏡子さんは。」


「おい憶人、平気そうでひとあんしんだぜ。


後でじっちゃんとの特訓の成果を見せてやるよ。」


「やだなあ先輩。知らないんですか?


そんな半日で大した成果出るわけないじゃないですか。」


「「じーーー。」」


なんだこのお前がおかしいと言わんばかりの視線は。


「魔夜さんから聞いてねえのかよ。


お前はなあ。丸一日昏睡状態だったんだよ。」


!!!


俺、そんなに寝てたの・・・。


我ながらなんで生きてんだよ。怖えよ。


「そんじゃ、まずは飯食ってウォーミングアップだな。」


俺を食卓の方に押す朱兎先輩。


「今日はじっちゃんが軍部の方に呼び出し喰らってるからな。


誰にも止められんぜ。」


俺が眠ってる間になにやらかしてんだよ白夜さん。


「入隊試験の続きしようぜ。」


まあいっか、こうして先輩との決着がつけられそうだし。


「いいっすよ。俺もそろそろ白黒つけたかったとこっす。」


「決まりだな。」

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