第19話 家慈想示
「それじゃぁ、憶人君やりましょうか。」
鏡子さんはいきなり戦闘態勢に入る。
エプロンのポケットや足につけたホルスターからナイフにフォーク。
手に持つ木刀すべてに能力を使用している。
「いつでも良いですよ。」
俺はまだ鏡子さんの能力を詳しくは知らない。
あまり戦闘をしない人だからてのもあるが、
「嘘だろ。」
目の前に浮かぶのは大量のツクモン。
数は優に100を越える。
これは念動力系の能力者の中でもかなり異端だ。
だから、ギャグとして捉え考えてこなかったてのもある。
「ツクモンいっけー。」
一斉に襲い掛かってくるツクモン。
ツクモンというとかわいいがすべて凶器である。
「
初見ですべてを躱すことは不可能だと思い、
習得したばかりの防御系の魔術を発動する。
しかし、
「ナイフは切るもの。フォークは刺すもの。
違うかしら?」
一瞬で俺の
「鏡子さん、もう少しお手柔らかにお願いできませんかね。」
ものは試しだと聞いてみる。が、
「魔夜ちゃんから憶人は絶対に死なないから殺す気でやれって言われちゃってね。
私はかわいいものに目がないから。ごめん。」
攻撃は止むどころか勢いを増す。
躱すことしか出来ない俺。
被弾するたびに能力を使って避けれていたことにした。
ただ、痛みが、俺が攻撃を喰らったという事実はなくならないわけで。
「もう限界?」
顔からだんだんと余裕がなくなっていく。
「ちょっと質問良いですか?」
「なーに?」
「鏡子さんの能力って何なんですか?
念動力系統にしては操っているものの数が異常ですし。」
「う~ん。教えてあげてもいいかな。
私の能力は
大切に使ってきたものをツクモンにするだけだよ。
ただし、ツクモンはものが内包する概念的な力を扱える。」
ん?ってことはつまり。
「実質、能力複数持ちじゃないですか!」
ただ、リソースを能力に使っているのだから、
大した身体強化は出来ないだろう。
きっと、距離をつめて
「
脚に魔力を集中させさらに強化する。
リソースによる強化と原理は同じだ(倍率はまだ2倍)。
目前の鏡子さんに拳を振るう。
「甘いですよ。」
「ぐふっ。」
口から血が出る。
「
どういうことだ!?
「私のツクモンはね、リソースを保持することができて、
自立稼働できるのよ。
だから私は全リソースを自身の強化に使う。
倍率は600。憶人君よりも少し上かしら。」
なるほど、ツクモンは本当にツクモンだったのか。
って反則じゃねえかよ!
「さぁ、まだまだこれからよ。」
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