1196 お家に寄って欲しいなぁ

 上星川の実家まで送って貰った眞子。

だが、まだ崇秀と一緒に居たい気持ちでいっぱいだったので「家に寄らないか?」っと言いそうに成ったが。

自身がトラブルメイカーだからこそ、一緒に居たら崇秀を疲れさせてしまうんじゃないかと思ってしまい。

あやふやな態度を取っていたら……


***


「うぅ……」

「いや、そりゃあ悪かったな。全然気付いてやれなかったよ」

「えっ?なに?どうして崇秀さんが謝っちゃうの?」


なんでなんで?

私、崇秀さんに謝って貰う事なんて、何1つ無いんだけど……


寧ろ、まだ一緒に居たいから、また我儘を言おうとしてただけだし。



「そりゃあオマエ。……オマエが、さっき、あんな酷い目に遭ったって処なのに、ソレを無視して帰るわ、流石にねぇわな。いやいや、ホント申し訳ない」


あぁ……そっかぁ、そこかぁ。

今の私の煮え切らない態度を、そう言う風に取ってくれたんだ。


これじゃあ結局、自分からは、なにも言い出せず居た上に、エンドレスに気を遣って貰ってる状態だね。


だったらもぉ、隠し事なしに正直に言っちゃおう。

あの件に関しても、此処で『私に怖い思いをさせた』なんて変な罪悪感なんか持ってもらっちゃあ悪いしね。



「あぁ、いや、それに関しては、そこまで、そんな大層な話じゃないんだよ」

「そうなんか?」

「うん。だってわsつぃが言いたかった事は、そんな事じゃなく。ただ単に『疲れてるなら、帰るのが面倒臭くないかな?』って思って。良かったら『また泊まっていかないかなぁ?』って言おうとしてただけだから」


事実、あの国見さんの甥っ子が起こした行動が『怖くなかったか?』っと聞かれたら『非常に怖くはあった』

これはある意味、威圧してくる男性に対して、女性が委縮してしまうって言うのをモロに経験させられて気分でもあったしね。


でも、そんな中にあって、冷静さを失わず。

私みたいな『過去の経験上、喧嘩慣れした女性』であれば、彼程度の人間であれば対処は可能だと言う事も解ったので、今は、そこまで恐怖を感じている訳ではないんですよね。


勿論、そこで相手を侮ったりして、自身が調子に乗らない事は大前提だけど。


まぁまぁ、そんな感じなので、あの一件に関しましては「今は、そこまで気にはしてない」って言う結論に至る訳ですよ。


寧ろ正直に言えなかった理由は、自身が崇秀さんにとってのトラブルメイカーである事の方が問題に成って、素直に言えなかっただけの話なんで。



「そうなんか?……にしても、俺が疲れてるってか」

「あぁ……うん」

「そっか。けど、それなら心配には及ばねぇよ。この程度の疲れなら、疲れてる内にも入んないからな」

「……そっか、そうだよね」

「だな」


うぅ……正直に言っては見たものの。

矢張り、崇秀さんに疲れは見え隠れしてませんか。


基本的な部分でタフだもんね。

しょぼん(´・ω・`)


まぁでも、取り敢えずは、さっきの一件で変な罪悪感だけは持たれなかったから、これはこれで正直に言って良かったのかもね。


なんて思っていたら……



「ふぅ……けど、あれだな」

「うん?」

「冬場に単車で走ると、体が心底冷えちまったっての否めない話だな。だから此処は、一杯の茶を馳走にはなりたいってもんなんだが。良かったら、なんか一杯作って貰えるか」

「えっ?えっ?じゃあ、家に寄って行ってくれるの?」


マジですか?

一瞬は諦めたものの。

その提案をしてくれるって事は、お家に寄って行ってくれるって事ですか?


わーい(((o(*゚▽゚*)o)))


それにしても私って……本当に我欲に従順な欲豚さんだね。

表面上では、崇秀さんに気を遣って貰ってるなんて綺麗事を散々並び立てても。

自分が嬉しくなると、いつもこんな風に感情の歯止めが利かなくなっちゃうんだもんなぁ。


特に崇秀さんの事に成ると……尚更、歯止めが利かない。


だって、一緒に居たくて仕方がないんだもん。



「おぅ。それにな。こんな寒空の下で、これ以上長話されちゃあ敵わねぇからな。それこそ、凍え死んじまうよ」

「えっ?あっ、あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい。あの、あの、だっ、だったら、早く家の方にどうぞ。直ぐにでも部屋を暖めて、なにか暖かいものを用意するから」

「そっか。じゃあ悪いけど、ちょっと、お邪魔させて貰うな」


そう言いながら1度掛けた単車のエンジンを完全に止め。

単車のキーをに抜き、柳田さんの店の前に停めてくれた。


うぅ……嬉しい。

でも、そこまでして貰ってる私って、どこまでも我儘な女なんだろうね。


本当にこれは、崇秀さんの彼女としては反省すべき点ですよ。


***


 ……まぁそんな風に、またまた我儘を聞いて貰って、直ぐ様、家の中に入って行くんだけど。


玄関口で解った事が1つ。


天下の風来坊である飯綱ちゃんは、どうやらあのまま何処かに行ったのかして不在のままだった。


ただ……先程まで、この家の中に誰かが居たのか、部屋の中が、まだ少しだけ暖かい。

それに冬場なのにも拘わらず、室内には少し湿気すら残っている。


恐らく、此処から想定するに。

飯綱ちゃんは、私が外出してる間に1度帰宅して、風呂に入ってから、また外出して行ったのだと推測するのが順当なライン。


……って言ってもまぁ、こんな調子で、連絡が無いまま、いつも外出するのは、お互い様なんだけどね。


それに飯綱ちゃんの場合は、大体、川崎の真上さんの家に行ってるか。

何処かのバスケット場で賭けバスケをやってるかの、どちらか二択の可能性が非常に高いので、意外とその辺に関しての不安はない。


これ自体は、本当に日常的によくある話だからね。



それにしても……今、この状況で飯綱ちゃんが居ないとは、中々ゴッドなタイミングで不在ですな。


私は、そう思いながらも、崇秀さんを、いつもの部屋に通して、先にコタツで寛いで貰っておき。

台所で、手早く、お茶の用意をしてから、崇秀さんの待つ部屋に出来るだけ早く戻っていった。


序に、この紅茶のお湯が湧くまでの間に、お風呂を二度炊きして入浴の準備もしておく。


こっちは、私個人の問題だから、特に変な意味はないよ。


大体にして、崇秀さんに風呂に入って貰うなら、奇麗なお湯では言って貰うのが当たり前。

私や飯綱ちゃんが入った後のお風呂に、崇秀さんに入って貰うなんて言語道断ですしね!!


……って、一体、誰に対して、こんな言い訳がましい事を言ってるんだろう私?(笑)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


桜井さんの件は、自身で対応出来ただけに、意外と気にしていない様子ですね。

そしてその上で、また眞子が何やら良からぬ事を考えてる雰囲気(笑)


まぁ、そうは言っても、この年代は男女問わず、そう言った事に興味が湧くのも仕方がない事。

それにまだ行動に移してる訳ではないので、ただの妄想状態なだけですしね(笑)


……ってな訳でございまして。

次回は、その眞子が妄想してる様な事が現実となるのか?


それとも成らないまま、ただ崇秀にお茶を出して終わるのか?


その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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