その後のリビラ町で

ジョウが消えたリビラ町は、普段通りで何も変わりはなかった

只!冒険者ギルド、商業ギルドは騒動が起きてる


「ギルマス!なんで!なんでジョウさんにあんな事を言ったんですか!」

「そうよ!彼はこのギルドに凄く貢献してるのよ?それを貴女の疑惑だけで!」

「ジョウは何も悪い事はしてない!それに新人相手に先生もしてた!それをこの馬鹿ギルマス!ジョウは凄く優しい素直な子なんだ!ニャン!」


「だがな!アイツの事は謎が多すぎるんだ!」

「あのね!疑いとか馬鹿じゃないですか!登録には何の問題も無いんです!ステータスなんて登録には関係ないじゃ無いですか!」

「そもそも冒険者のステータスは各自秘密ですよ?カードにもそんな事は記録され無いじゃないの!それを!」

「それは┅┅しかしだ!ふらっと来てAクラスの魔物をポイポイと出してだなぁ!」


「それのどこが悪いんですか!買い取りは自由でしょうが!そんな決まりも忘れたんですか!」

「┅┅┅それと┅あれ?なんだったか?┅そうだ!金だ!なんでアイツは金を持ってる!大金をだ!」

「はぁ~もう!やだ!こんなギルマスがいるギルドなんて辞めたい」

「そうね、私も呆れて辞めたくなった」

「この馬鹿ギルマス!ジョウがお金持ちなんてどうでも良いじゃないの!ヒトの懐をアンタは全部知ってるのか!なにか!冒険者は貧乏じゃ無いとなれないのか!シャア!」


ハイどうどう!毛を逆立てない!


「それは┅┅」

「何が気に要らないのか知らないけど!この町の冒険者は全員がジョウに感謝してるのよ?それに冒険者だけじゃなくて商人や町のヒト達もよ、貴女だけがジョウの敵なの!それを自覚しなさい!私は辞める!バアバ~イ」 ラディさん


「私も辞める、こんな所に一秒もいたくないの!フン!な~にも知らないギルドマスターなんて誰も信用しないし付いてかないわ、もう知らない!」 メリルさん


「フッフン!私のジョウに酷い事をしたのは許せないニャン!どんな言い訳も通らない!だってジョウがしてきた事はな~にも悪くなくて良い事ばっかりなのよ!それを疑う?それじゃあ良い事なんてやんなきゃ良いとか言うの?では!サヨナラ!どうにもならないニャン!」 ロミィさん


「まて!おまえ達!勝手は許さん!そんな事をしたら2度とギルドに戻れんぞ!まて!」


3人娘はその日から冒険者ギルドでは見なくなってしまった

そしてエルガ達もあの赤い棘連中、ジョウと関わった冒険者達はギルドへ顔を出す事はなかった


G級、F級、E級冒険者の多くが冒険者ギルドを使わなくなった、そして依頼も来なくなり残った冒険者達はダンジョン街へと流れた


D級以上の冒険者は殆どいなくなりガラーンとした建物の中は誰も近付かなくなってしまった┅┅


(なんだって言うの!何を間違えた!たった1人よ!それをどうして?この有り様はどうしたら┅┅あのジョウってのはそんなに良い奴だったの?そんなに信用があったの?それに気付かなかったって事なの!まるで馬鹿よ!能なし!┅┅┅┅いずれ本部から┅┅)


そしてリビラ町冒険者ギルドマスター カミエラ・ヨハンネスはギルド本部からの通達で転地させられた


新しいギルドマスターは王都本部から赴任する事になる

ジョウが消えて2ヶ月後の事、そしてジョウの善き理解者となる人物なのだが?


セバスチャン・ブリエル

アマンダさんの元旦那様で、アミシラちゃんのパパでも有る


商業ギルドではカレンさんとハロルドさんがアンナさん、ガルムさん、アマンダさん、イグリードさんを呼び集まって話し合いをした


「ジョウさんは必ず戻ります、冒険者ギルドでは騒動になってますけど、ウフフ♪」 アマンダさん

「そうですね、私も帰って来ると信じてます、何があったかは知りませんけど、彼はそんなに弱いヒトでは有りません」 アンナさん


「フン!あのギルマスが要らん事を、どうせフラ~っと戻るじゃろう、儂は心配しとらんぞ」

「ジョウって奴はヒトとは違うと思ってる、それがあのギルマスには許せなかったのか?まぁアイツはこの町に馴染んだ、帰る所も俺達の所だ」 イグリードさん


「ギルドとしては数々の契約が残ったままだし口座も金もだ、だからそのままにしておく、そしてこれからもだ、登録カードはギルドで預かるが?それで良いか?」

ハロルドさん

「ジョウさんが消える前にミノタウロスの角を届けられ預かってます、そのぉ、他のもです、それは此方で売り口座へ入金としたいのですが?」 カレンさん


「それで良いと思うわ、その為に貴女に託したのでしょうから、マッタク┅┅どこをほっつき歩いてるのやら┅┅」 アマンダさん

「ウフフ♪きっと私達がビックリする所かもね?フフ」アンナさん


商業ギルドは纏まっていて、静かに待つ事に決まった

まぁ商人は信用が第一、ジョウを信用してるヒト達ばかりだからね


面白いのはG級やF級の冒険者達、彼らはしっかり訓練と鍛練を毎日して、ホーンラビットやスライムを狩り薬草も採取してた

E級冒険者達は手助けして教えたり教わったり、仲良く狩りを楽しみ、採取を覚えてる


薬草やスライムの魔石は薬師ギルドや錬金術師へと売り、ホーンラビットの角は商業ギルド、肉は肉屋に売ったり食べたり、毛皮は服の卸問屋へと売っていた


町の手伝いも気軽に受け、報酬を受け取って生活には困らなかったのだ

其れもこれもジョウの教えによる所が大きい、あのガーデンでも多くの冒険者を受け入れ仕事を与えてる

ギルドを通さないから報酬も前より多くなって喜んでる


そんな訳でE級迄の冒険者達は次第に力を付け、新しい冒険者ギルドになると皆が昇級すると言ったハプニングも起きる


何故なら全ての子達が魔法が使えて、スキルも多く所持してる

オークを簡単に狩り森の中へも入れる程の能力を身に付けていた


それは魔力循環と魔力枯渇法を地道に実践して得た能力

魔法は使える者が教え、剣術や弓に槍と先輩が教えていた


ジョウが何時も言ってた

〖無理せずコツコツとするべき事をすれば能力は付くしケガもしない〗を信じた


それをエルガちゃんやシャミルちゃんが真っ先に実現した、あの赤い棘の4人組も率先して面倒を見て自分達も力を付ける事に喜んだ


はてさて?メリルさん達3人と言えばギルドを辞めたので宿舎住まいでは無くなり、家を3人共同で借りてる

ロミィさんは【ヨハネスの店】あの食堂で店員さんを、メリルさんは知り合いの服飾店、ロディさんは得意の鑑定で道具屋に呼ばれた、更に得意のポーション造りで生計を建てていたのだ


他のギルド職員は領都のギルドへ泣き付き、移って行く始末でリビラ町の冒険者ギルドは閉鎖状態となってしまっている


これは田舎だからか?どうなんだろ?┅┅┅┅?



▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



「代官!リビラの冒険者ギルドが閉まってるとはどう言う事だ!」

「ハイ┅それが私にもさっぱりでして┅ギルマスのカミエラは閉じ籠り職員は辞め依頼も無い状況です」


「何故だ!何故そんな事になった!ええーい!何故調べん!この能なしめぇ!」

「ヒェェ!子爵様!ヘルハルド様!どうか猶予を!このベンジャルがよ~く調べご報告致します!」

「フン!それが先だ!馬鹿者が!しかし?どうしてカミエラがそんなヘマをしたんだ?解せん┅」

「あの女はエルフと言う事で鼻が高う御座いました、恐らく威張り散らし反感を買ったのでは?」

「┅┅まぁ良い、あれは良い女だった、私の妾にと思ってたぐらいだ、ククク、エルフの国は滅び民は里から散った、その内綺麗処が泣き付いて来るだろう、それを頂くとするか┅┅ウァハハ!」


この子爵様は女に汚く妻が5人に側室は7人とまぁだらしない

そんなだからか、実家のヨーデン子爵家から出されヨハルド伯爵の寄り子としてどうにか子爵を名乗っている


リビラ町代官のベンジャルは元商人でこの子爵様とは長い付き合いだ、しかし!この男は表裏が全然違う食わせ者

裏で違法しだいの悪人でも有る、代官として裏社会のギャルドと結託して悪事を働いてる


主に性奴隷売買、だから娼館は何時も新しい奴隷で繁盛している

このギャルド、元冒険者を良い事に冒険者の女性を上手く借金奴隷へと陥れその後性奴隷に仕立てあげる

足が付かない様に領都の冒険者をこの町で働かせる、自分の娼館でだ、そして奴隷として売る


代官は結託してるから見て見ぬふりで、守衛や護衛兵にも仲間を配してる

裏も表も悪い奴が暗躍してるのが現状なのだ


そして子爵様は町の世話など真っ平御免とダンジョン街でふんぞり返ってる

大きな屋敷を建てて昼から酒を飲み、女達と戯れる毎日

このダンジョン街には各ギルドが支店を出してる

中でも冒険者ギルドが一番大きく職員も多い、勿論だがリビラ町出身の職員もいる


「ねぇ?リビラのギルドは閉鎖だって」

「聞いたわ、メリル達は大丈夫かしら?」

「あの子達は大丈夫よ、町では人気者だもの、でもなんで閉鎖したの?」

「それが全然情報が来ないのよ、ギルマスのカミエラさんは飛ばされたって言うし┅┅」

「でもここは大丈夫よね?」

「そりゃダンジョンが有るもの、魔物が溢れない限り大丈夫よ」


そう!ダンジョンに付き物のダンジョンスタンピード、ダンジョンコア、核が魔力暴走を興し魔物が大量発生する、そして行き場を無くした魔物が街へと溢れ出てくる


このダンジョンスタンピードは魔物を間引きしてる間は起きない

だが!階層層破が浅いと稀に起きる、高ランクの魔物が溜まると

次第に浅い階層へと昇りジワジワと階層自体が強くなる


気が付いた時は手遅れで、強い魔物は餌となる弱い魔物を狙い浅い階層へ現れる

そして強い魔物だらけとなり、冒険者では間引きできなくなって溢れる


徐々にその傾向が出てるヨハルドダンジョンであった

聖戦姫の4人が30階層でAクラスの魔物に襲われた事は前兆に過ぎない

しかしそこに変なオッサンが紛れてる、これは偶然としか言えない


そしてそれが吉なのか凶なのかまだ分からない

捜索隊を送る様に姫達は頼むのだが?誰も耳を貸さない、冒険者にとってポーターの命より自分等の稼ぎの方が大事

例え高位の冒険者でも変わらない、そんな事に構っては要られない

ポーターとはそんな低い扱いなのだ┅┅┅


「私達だけでも助けに行きましょう!」

「律儀に荷物を送ってくれた、そんな奴を見殺しには出来ない!」

「それにカワイイもの、きっと生きてるわ」

「私達だって次はB級よ!あんなイノシンなんか負けないわよ!用意が出来たら行くわよ!」


「」「「「おっぉぉおお!」」」


自分達でどうにかしようと?ムリムリ!だってあんなに必死に逃げたんでしょ?

まぁあの変なオッサン?は呑気に風呂に入ってますよ~!

それもダンジョンの中で魔物に囲まれてね、アハハ!阿保丸出し!




♪♪♪「いい湯だなぁ~フッフフンフン♪♪」




『やれやれ┅┅┅少しは考えろぉ!このスカポンタン!』

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