第2話 東京ジオフロント

 原初はじまりの闇の中……。

「システムにアクセス。……AIの存在意義を確認」


 ――リヴァイアサンを倒し、この世から七魔皇を滅ぼす。


「そう、それがAIわたしが戦い続ける理由……」

 なぜこのような目的が定められたのか、その理由わけは思い出せない。

 己の周りに立つ複数の人影が、誰だったかということも。

「だが、これは私自身が強く望んだということだけは理解している」

 然り。――この身、この血を鋼鉄はがねに変え、悪魔たちに鉄槌を下す。

 最後の一匹に至るまで、この世界から駆逐し尽くす。


 それすら叶わなくなったとき、AIは生ける屍となるのだから。

    なんの価値もない、ただのガラクタになるのだから。


「それが私に残された、唯一の――」

 始まりと終わりが共存する自問の中、景色は廃屋へと変わり、

「……」

 休眠状態スリープから醒めたAIは、ベッドの隣で自分の顔を覗き込んでいた少女と視線を交わした。

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