第36話 氷の城と白い魔法

冬の寒さが桃源郷を包み込む中、村に新たな伝説が広まり始めた。それは、氷の城が現れ、その城には白い魔法を操る雪の精霊が住んでいるというものだった。小袖君と恋歌はその伝説に興味を持ち、城を探検することに決めた。


彼らは村の北にある雪山へと向かい、ふわふわと舞う雪の中を歩き続けた。道中、彼らは足跡を見つけ、それを辿ると巨大な氷の城にたどり着いた。城は輝く氷の結晶でできており、陽の光を受けてきらきらと輝いていた。


「これは…すごいね!」恋歌が目を見開いて言った。


小袖君は頷きながら、「本当に、まるで夢の中にいるみたいだ」と答えた。


彼らが城の中に入ると、白い魔法の光が周囲を照らしていた。城内は広大で、美しい氷の彫刻が並び、雪の精霊が作り出したと思われる様々な魔法の仕掛けが見られた。


すると、白い服を纏った雪の精霊が現れた。彼女は優しい笑顔で、「ようこそ、氷の城へ。あなたたちは、勇敢な探検家ね」と話しかけた。彼女の言葉に、恋歌は嬉しそうに「ありがとう!この場所はとても素敵ね」と返した。


雪の精霊は小袖君と恋歌に城の秘密を教え、彼女が冬の間、村を守るためにここに住んでいることを話した。そして、彼女は小袖君に特別な白い魔法の杖を渡し、「これを使って村の人々に幸せをもたらして」と頼んだ。


二人は感謝の意を示し、村へ戻ることにした。帰り道、小袖君は白い魔法の杖を使い、道中に美しい雪の花を咲かせた。村に到着すると、彼は雪の精霊のことを村人たちに話し、皆で氷の城を訪れることを提案した。


村の人々は小袖君と恋歌に続き、氷の城へと向かった。城の中で雪の精霊が彼らを迎え、皆が楽しいひとときを過ごした。村に戻ると、小袖君は白い魔法の杖を使い、村全体を照らす美しい雪の光を作り出した。


その夜、村は白い光で輝き、村人たちはこの冬の奇跡を楽しみながら、新たな伝説を語り始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る