第6話 銭湯での出来事と小袖君の新たな決意

子猫との新しい生活が始まってから数日後、小袖君は再び村の銭湯へ足を運ぶことにした。今回は一人ではなく、子猫を安全に自宅に残し、恋歌と一緒に行くことに。小袖君は、銭湯での時間を通じて村人たちとの絆をさらに深めたいと考えていた。


夕方、二人は手を振りながら銭湯に到着する。いつものように女将さんが温かい笑顔で迎えてくれた。銭湯の中は、既に多くの村人で賑わっていた。小袖君と恋歌は、脱衣所で着替えた後、別々の浴室へ向かった。


小袖君が湯船に浸かると、周囲の村人たちが彼に声をかけてくる。彼らは最近の魔術ショーの話や、子猫のことで小袖君に感謝の言葉を伝えた。そして、彼らの話から、小袖君は村での自分の役割について新たな気付きを得た。


その時、銭湯の外から急な雨音が聞こえ始めた。しばらくして、雨漏りが浴室の一角から始まる。村人たちは一時的に動揺したが、小袖君は落ち着いていた。彼は魔術を使って雨漏りを止めることを決意する。女将さんに許可を得た後、小袖君は湯船から立ち上がり、集中して魔術を発動した。


彼の手から放たれた魔術の力は、雨漏りしている天井に向かい、小さな光の膜を作り出す。その光の膜が雨漏りを即座に止め、銭湯の中は再び平和な雰囲気に包まれた。村人たちは小袖君の行動に拍手を送り、感謝の気持ちを表した。


恋歌が男湯の方に顔を出し、小袖君の行動を目の当たりにして、彼女は心から彼を尊敬した。「小袖君、あなたは本当にこの村のために何でもできるね。」


その日の出来事を通じて、小袖君は自分が村で大きな役割を果たすことができると確信する。彼は、魔術の力を使って村のために尽くすこと、そして常に村人たちのそばにいることを新たな決意とした。

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