痛快！小袖君の黒魔術

第7話 秋の収穫祭と魔法の種

秋が深まり、桃源郷には収穫の季節が訪れていた。村では年に一度の収穫祭の準備が進んでおり、小袖君も村の人々と一緒に祭りの準備に加わっていた。彼は、この村で過ごす初めての収穫祭にわくわくしていた。

「小袖君、今年の収穫祭で何か特別なことをしてくれないか？」村の長老が彼に頼んだ。小袖君は一瞬考え、ひらめいたように頷いた。「分かりました、何か面白いことを考えておきます！」

そして収穫祭の日、村の広場では早くも賑わいが始まっていた。美味しい料理が振る舞われ、生演奏が空気を盛り上げる中、小袖君は自分の番が来るのを待っていた。

いよいよ彼の番がやってくると、小袖君は手にした小さな袋を高く掲げた。袋の中には、彼が特別に用意した「魔法の種」が入っていた。

「これから皆さんに見せるのは、僕が持っている特別な種です。一緒に、この種がどんな奇跡を起こすのか見てみましょう！」

小袖君はその「魔法の種」を広場の隅に蒔き、集まった村人たちと共にその成長を見守った。すると、彼の唱える呪文と共に、地面が軽く震え、種からは瞬く間に芽が出始めた。そして、みるみるうちにその芽は大きな木へと成長し、たわわに実った果物が姿を現した。

村人たちはその驚異の光景に目を見張り、歓声を上げた。木になった果物は、見た目にも鮮やかで、味も絶品だった。小袖君は、「この果物を皆さんで分け合ってください。今年の収穫祭をより思い出深いものにしましょう」と笑顔で言った。

その日の夜、村人たちは小袖君が作り出した奇跡の果物を囲みながら、今年の収穫を祝った。彼の行動が村に新たな伝説をもたらし、彼自身もまた、村での彼の居場所と役割を確固たるものにしていた。

恋歌は小袖君の隣で、彼の行動に感動しながらも、「小袖君、あなたがいるから、この村はもっと素敵な場所になるね」と心から言った。