第12話 妨害工作

「ご飯を一緒に食べよう!!!!!」

「ぁあ!?」


俺は驚愕しながら奈央を見る。

奈央はニコニコしながら俺達を見ていた。

それから奈央は何を思ったか天水の所に向かう。

そして天水を見る。

天水は驚きながら居たが更に驚いていた。


「一緒にお昼ご飯どうかな」

「...え、ええ。まあ...」


あの天水でさえ言葉がおかしくなっている。

俺はその姿を見ながら奈央の元に向かう。

「おいどういうつもりだ」と言いながら、だ。

すると奈央はコソコソとしてニヤッとする。


「だって一緒に支え合うんだよね?じゃあ慣れだよ」

「慣れってお前な。冗談じゃ無いぞ」

「私はジョークでは言いませーん」

「お前な...」


すると固まっていたクラスメイトの1人。

坂本が聞いてきた。

「どういうこった?」と言いたげな感じでだ。

俺は聞かれる訳にはいかないと思いそのまま誤魔化す様に話す。


「まあその...天水に友人が出来たんだ」

「...え?そうなのか?」

「そ、そうだ。それでな」


奈央の口を塞ぎながら天水と一緒に出て行く。

それから屋上にやって来てからドアを閉じてから「なぉ!!!!!」と怒る。

奈央はてへぺろ的な顔をしていた。


「もう。でも苦しかったよ?息が出来ないかと思った」

「お前のせいだろ!!!!!」

「横田くん。声がデカいです」

「それは仕方が無いだろ」


「全く」と呟きながら俺は奈央を見る。

奈央はまたてへぺろ的な顔をする。

それからニコッと誤魔化す様な顔をする。

全くコイツは!!!!!


「まあまあ。一緒が良いかなって思ったからさ。ね?春樹」

「お前に言われると何も言い返せなくなるから...」

「でしょ?あはは。私は仲良したいから。全部においてね」

「...お前らしいよ。全く」


そう話しながら居ると天水が「あの」と聞いてきた。

俺は「?」を浮かべながら天水を見る。

天水は「その。お二人は何処で友人に?」と聞いてきた。


「ああ。俺ら?俺らはきっかけはハンカチだったな。古典的だけど。コイツがハンカチを落として俺が拾った」

「そうなんですか?」

「ああ。そういう事」

「何だか運命的ですね」

「運命的かな?そう言ってもらえると何だか嬉しいな」


奈央は「えへへ」と言いながらはにかむ。

すると天水は考え込む様な仕草をした。

それから俺を見てくる。

俺は肩をすくめた。


そして俺はお弁当を広げる。

その事に奈央が即座に反応した。

覗き込んで、だ。

目を輝かせた。


「凄い!美味しそうだね」

「あ、ああ。まあな」

「君が作...とは思えないな。お母さん?」

「まあ...いや。天水が作ったよ」

「え?!愛花ちゃんが?」

「う、うんまあ」


天水が圧倒されている。

俺はそんな姿に苦笑しながら2人を見る。

すると天水がオドオドしながら「...食べる?」と奈央に聞いた。

奈央は目をまた輝かせながらどデカい声で「食べる!」と大声を上げた。


「お、おう。天水がマジにビビってるからな」

「あ、ご、ゴメン...」

「...いや。そんなにビックリしてないです」


奈央の謝罪に天水はクスッと笑った。

俺達は驚きながら天水を見る。

そんな天水はハッとしながら咳払いして「でも面白い人ですね。猫又さんは」と柔和になる。


「私、そんなに面白いかな?」

「私は少なくとも嫌いにはなりません。私は貴女を面白くて実直な人だと思います」

「...そっか。恥ずかしいなぁ」

「友人の言う事だ。素直に受け取れ。ははは」

「だね。春樹」


すると猫又は立ち上がる。

「ゴメン。日差しがキツイから日陰に行くね」という感じで、だ。

俺達は顔を見合わせてから「日差しの下はキツイな。確かに」と移動した。

それから思いっきりの日陰に来る。


「奈央。キツイ時は言ってくれ。すまない」

「あ、キツイ訳じゃ無いけど。ゴメン。そう聞こえたなら」

「何にせよ日差しの下はキツイだろ。ゴメンな」


そして俺は奈央と一緒に食事をする。

その中で奈央はずっとニコニコしていた。

嬉しいのだろう。

俺達が居る事が、だ。



私は信孝とイチャイチャする。

信孝は最高の彼氏だ。

横田春樹とは違う。

考えながら信孝に寄り添う。


「なあ」

「ん。何?」

「この前のアイツの態度が気に入らないんだけどさ。何かチョッカイとか掛けないか?」

「ああ。横田春樹の事?」

「そーそー。横田春樹。負け犬の癖に生意気だよな」

 

「私はちょっかい掛ける必要無いと思うよ」と言いながら信孝を見る。

信孝は「でも分からせてやりたいんだよな。なんだか」と言う。

まあ好きな様にすれば良い。

私は付いて行くだけだ。


「天水財閥の件でのちょっかいは?」

「楽しそうだな。俺をクズ扱いした罰を受けさせてやる。俺は金持ちなんだから」


伊藤財閥御曹司の伊藤信孝。

天水は知り合いだ。

まあでも私はそこに惚れた訳じゃ無い。


私は根っから伊藤信孝が好きだ。

だからどんな形でも信孝に付いて行く。

だけど個人的に楽しみだなとは思う。


信孝は偉大だ。

伊藤信孝は...本気で素晴らしい人間だ。

頭が切れるし。

横田春樹へのちょっかいもそれなりになるだろうとは思うが。

ふふふ。

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