ゾンビ討伐後

俺たち(俺とコギルさん)は城でめちゃくちゃ感謝された。一方のリア充はというと、牢獄の中から「遠隔でゾンビを弱体化させた!」とか、自分の手柄にしようと必死である。


――まぁ、そんなのを信じてくれる人はいないわけだったが。


そして俺はこの戦いで得たものがある。


…レベルだ。


どうやらあのゾンビはめちゃくちゃ強かったみたいで、それを3分もかからず倒してしまったため、タイムボーナスや、HPボーナスなどで、なんかめちゃくちゃレベルが上がった。俺はもう一度ステータスを見た。


「名前:山口浩 lv:5094

職業:無職

HP:1

MP:1

攻撃力:0.6

防御力:0.3」


ゴミじゃねぇか。(自主規制)。


まぁ、いい。どうせ『覚醒』で、めっちゃ強くなれるんだし。


それよりも…


「コギルさん。指名手配ってどういうことですか?あと、あなたが警察っていうのは…」


「ああ。順番に説明する」


俺はコギルさんに近寄った。


「この国の王は、この国に老若男女問わず虐殺し、この国を得た。もちろん犯罪。んで、僕たち魔法警察は、…ああ、魔法警察っていうのは、魔法使いを取り締まる警察ね。そしてその王を捕まえようとしているんだけど…」


「だけど?」


「奴は強すぎたんだ」


「強すぎた?」


「そう」


コギルさんはつづけた。


「強すぎたんだよ、だから捕まえられなかった。簡単な理由だろ?確かに、この国の人全員殺すぐらいだから、強いのは分かっていた。だけどここまで強いなんて…魔法警察内でも、犠牲者が出るぐらいだ。だから…」


「だから?」


「君に、協力してもらいたい」


「…え?」


時が止まった。これは魔法なのだろうか。


魔法とまでしか考えられないのに、魔法を撃ってくる人を考え付かない。


コギルさんのわけはないし、リア充にしては遠すぎる。つまりこれは、あまりの衝撃的な出来事に、時が止まったように自分が感じているだけなんだ。


時が止まっている間に、そんなことを考えた。


「もちろん、無理なお願いだとはわかっている。でも」


「いいですよ」


すんなり了承した。


「え!?いいんですか!?」


なぜか敬語になっていた。


「いいよ。隠しスキルあるし」


なぜか頭で考えるより先に出てくる。これは魔法ではないことを、瞬時に判断した。


コギルさんは言った。


「それより思ったんだけどさ」


「なんですか?」


「敬語やめてくんない?」


「あ、すいません」


「いや、謝るほどのことではないんだけど、気ぃ使われるの、なんかいやだわ」


「ごめん、敬語やめるわ」


「おう!その調子その調子!」


コギルさ…コギルは言った。


「そういやさ、」


「なに?」


「まじめな回続きすぎじゃね?」


「まぁ…確かにそうかも。でも、作者も次は普通に作るって言ってるから」


「この流れで普通に作れるか?」


「……」


…沈黙は10分ほど続いた。

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