ゾンビ討伐

ゾンビは想像していたよりも大きかった。


「逃げようかな…」


と本気で思った。が、そんなことしたらストーリー的にあれである。


そして俺はゾンビに近寄り、ゾンビに攻撃をしようとした。

だが、攻撃をしたのはゾンビの方だった。


ヴォン!」


その瞬間、すさまじい勢いの風が吹いた。


「グッ!!」


そして俺は城壁にぶつかった。だが…


全く痛くない。どうやら俺は壁にぶつかる瞬間にバリアを張っていたらしい。


九死に一生を得た。だが、まだゾンビを倒し切れてはいない。


…俺は思わずこう言った。


砂嵐ダスト・ストーム!」


――まただ。


『覚醒』の影響で、勝手に呪文を撃ってしまう。


そして、強大な砂の嵐が、ゾンビを襲う。


ゾンビは、なんだかめちゃくちゃ目がいたそうだった。少しかわいそうに見えた。


だが、俺はとどめの魔法を撃った。


地獄炎インフェルノ!」


そして、瞬く間に火はゾンビを襲った。そして、ゾンビは死んだ。


ちょろいな。そう思っていた矢先、小さいゾンビがちょろちょろ出てきた。


その小さいゾンビは一瞬で集まり…あのゾンビよりさらに大きいゾンビが出てきた。


「まずい!」


大きいゾンビは建物を壊して…まずい!あそこは避難所だ!


爆発エクスプロージョン!」


すると、すさまじい爆発と爆音が起き、大きいゾンビは倒れた。


「殺ったか!?」


俺の予想は甘かった。


ゾンビは、完全に真っ二つになると、その二つのゾンビから、もう一本の手や足や、目が出てきた。


「分身…?」


その通りだった。


「まずい!」


一方は俺をやり、もう一方は避難所をやるらしい。


そんな大ピンチの状況で、俺はマジで逃げようとしたが、足が動かない。クソッ!作者の呪いだ!


俺は、分裂してもなお大きさを保つゾンビを前に、ビビることしかできなかった。

『覚醒』も、もう限界のようだ。


「やめろーーーーーーーーー!!」


――その時だった。


「…閃光グリン


ピカーン!!まばゆい光に包まれ、俺は思わず目を閉じた。

そして、


春嵐ミストラル!」


その瞬間、とても強い風が吹いた。

その風はゾンビを吹き飛ばし、多分ゾンビは死んだ。


安心した。だが、あの魔法を撃ったのは一体…?


「お久しぶり…じゃない。昨日ぶりだね。覚醒さん」


「あ、あなたは…」


俺の目の前に映るのは、あの村で唯一俺の味方をてくれた


「コギル・レウダーゼンさん!?」


「ああ、憶えてた?よかった、よかった。いやぁ、もし忘れてたらどうしようって、不安になりながらアルファ―ル城に行っていたんだよ」


「それはそうとして、コギルさん、なぜここに…」


「うん。説明してあげる。ていっても、簡単なことなんだけどね。実は僕、覚醒さんに言い忘れてたことがあって…」


「山口です。山口、浩」


「ヤマグチっていうのか。聞かない名前だね。ヤマグチさんに言い忘れてたことがあって、ここに来たら、なんかゾンビと戦ってて」


「言い忘れてたこと?」


「そう」


「なんですか、それ」


「実はね…」


コギルさんはワクワクしながら言った。


「アルファ―ル城の王様は、指名手配犯なんだよ。あと僕は警察なんだ」


「…え?」



~お詫び~

なんだかめっちゃまじめな回になってしまいました。ギャグを求めていた皆さん、大変申し訳ございません。


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