落書きⅤのウラ……夢中で時間を忘れる?

「落書きⅤ」を投稿した後にコメントをいただきました。何かに夢中になった時に、時間を短く感じるのはどう捉えればいいのでしょうか、というものです。


「年齢を重ねるごとに一年間が短く感じる」ということ、つまり、現時点から「過去」を振り返って短いと感じるのと、いま、この数時間を夢中で過ごして時間が経っていたというのは、異なる問題のように思います。


「何かに夢中で時間を忘れる」というのは、「現在」の範疇に入っているように、僕には感じられるのです。


まず、長く感じる場合から考えてみます。料理を注文して待っていると考えましょう。その後に予定があるので早く食べて、お店を出たいと思っているともします。


料理を待っている間は、時間を長く感じるかも知れません。


こういう時間は、外部からの刺戟(風景を眼球を通して視るというようなこと)ではない、自分の記憶を擬知覚(?)している時間が結構あるのではないでしょうか。


その、擬知覚(?)されている記憶というのは、料理を注文したこと、料理が出てくるはずだ、というものです。


何かものを考えているときのような、様々な記憶がシャッフルされるような進捗性はありません。


この停滞性が、時間を長く感じる理由ではないかと僕は考えました。


逆に言えば、様々な記憶がシャッフルされるように進捗性が高いとき、時間を短く感じるのではないでしょうか。


何かしらの知覚(或いは擬知覚(?))が、リアルタイム(低レイテンシ?)に次々と起こる時間は、短く感じるのではないでしょうか。


テレビドラマを見る時、見ながら何かは考えていると思います。様々な記憶をシャッフルしながら見ていると思います。


例えば、何かしらの新しい視聴体験をさせてくれながら、何かしら考えさせてくれる(様々な記憶をシャッフルさせられる)テレビドラマが面白く、時間を短く感じさせるのかも知れないと思うのです。


また、日曜大工をしていて時間を忘れるという場合にも、停滞性とは反対に高い進捗性があるのではないかと思います。新しい体験とともに次々に起こる問題に対処し考えなければならないからです。

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