第34話ペーパークラフト
星田が家にやってくると、父も鉄道が趣味だということで、私も含めて3人で鉄道の話に花が咲いた。そして父が持っているHOゲージのC62型蒸気機関車を走らせようということになり、線路をループ状につなげて走らせた。Nゲージに比べると車体が大きく、重量もあるので走らせると結構迫力がある。父は手先が器用なので、鉄橋の骨組みなども自分で製作して、時々庭に線路を敷いて走らせていたが、こういう想い出と言うのは、いつまでも心に残るものである。
そして星田もHOゲージの製作に私と一緒にチャレンジということで、ペーパークラフトで103系電車の模型を作ることになった。私は阪和線をイメージしたスカイブルー・星田は大阪環状線をイメージしたオレンジ・父は関西本線をイメージした鶯色にすることにして、まずはパーツをカッティングして、モーターと車輪や床下機器などを取り付けた台車に、電車のボディーを取り付け。さらに屋根にはベンチレーターを取り付けて、次が塗装。ボディー以外に色がつかないようにマスキングを施して、刷毛で色を塗っていく。最後にラッカーを塗って組み立てが終わるまでおよそ3時間くらいかかったであろうか。完成した車体を線路の上にのせて、トランスの速度調整つまみを徐々に開いていくと、軽くモーター音を響かせながら動きだした。自分が作ったものが動くというのは、乗り物好きな子供にとっては、最高にうれしい瞬間である。ただ、手先の器用さの差が出たのか、父や星田が作ったものに比べたら、少々不細工ではあったが…。
この日はわが家に3色の103系が勢ぞろいしたわけ、なかなかカラフルであった。HOゲージの政策が終わると今度はゴンの散歩へ一緒に行った。いつもなら私か姉といくわけであるが、この日は星田も一緒に行ったので、ゴンも
「?。なんかいつもと違うような気がするなぁ?」
と言った感じで、訝しがるような様子であったが、星田がゴンにとって敵ではないと受け取ったのであろう、ゴンも星田を受け入れて1時間ほどの散歩に出かけた。
ゴンの散歩から帰ってHOゲージの線路を1本父から譲ってもらって、家に持ち帰って大切に飾ってあるのを見かけた。
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