第28話列車大好き人間
一方で鉄道の方にも力を入れていて、休みの日には近くを通る私鉄の電車を見に行っていた。特急や急行、普通列車の形式や行き先を見たり、写真に撮ったりしていた。あれから40年余りが経過して、私が当時写した車両は大半が引退したか、地方鉄道に譲渡されて大きく様変わりしている。そしてクラブ活動である鉄道クラブでは、小学4年生でありながら、主に発表するのは私で、私鉄・国鉄の特急・急行列車の名称や使用されている車両の歴史などを発表していた。クラブ活動がある日は時刻表や鉄道写真集なども持っていくので、かなりの重量で、クラブが終わって家に帰って
「ただいまぁ~。あぁ~肩が凝った~」
というと母が「どないしたん?」というので私は
「電車の本とか時刻表とか重いねん」
というと、母は私の方を優しく揉んで解してくれた。母が
「少し荷物を減らしたらどうなん?」
というのであるが、どれも大切な資料なので減らせないというのが正直なところであった。毎週あるクラブ活動も3月を迎えて6年生が最後のクラブ活動の日を迎えた。先輩が私に
「次はリンダ君が主に鉄道クラブを引っ張っていってほしい。この1年ありがとうな」という言葉をかけてもらった。そしてそれからしばらくして6年生は卒業式を迎えて、姉は5年生であるが、在校生代表として卒業式に出席しに行った。4年生以下の児童は休みで、この日は父も母も仕事に行っていないし、姉は学校、妹は保育園に行っているので、暇なのでしんちゃんのところに遊びに行って、一緒に遊んでいた。ただやはりくみちゃんがいないのはさみしい感じがした。くみちゃんが亡くなって1年がたとうとしていた。しんちゃんと遊ぶ時もくみちゃんの話はしなかった。姉を亡くして悲しい思いをしているのはしんちゃんだということをわかっていたから。孫茶もくみちゃんの話は、私の前ではしなかったのではないかと思う。多分お互いに気を遣っていたのだろうと思う。
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