第27話天体望遠鏡

 文化祭が終わると冬の足音が聞こえてくる。街にはクリスマスソングが流れ、きれいなイルミネーションで彩られ、華やかさが増す。クリスマスは家の近くの喫茶店にみんなで行ってにミニパーティー。クリスマスプレゼントは、私が以前から貯金していたお金と、両親から少しばかりお金を出してもらって、カメラ屋さんで買ってもらった天体望遠鏡。喫茶店の帰りにカメラ屋さんによって、望遠鏡のセットを受け取って家に持ち帰ってさっそく家で組み立て。父と私で、1時間くらいで組み立てて、三脚に望遠鏡を取り付けてスターウォッチング。オリオン座のリゲルやベテルギウス・おおいぬ座のシリウスやおうし座のプレアデス星団やアルデバラン・特にプレアデス星団は、宝石をちりばめたような美しさであった。これですっかり星空に魅了された私は、休みの日の夜、天気が晴れていれば天体望遠鏡を出して星空を眺めていた。時には近所の子供たちを集めて、一緒に星空を眺めたり、昼間に太陽に望遠鏡を向けて、投影板に映る太陽の姿を観察したりしていた。冬休みには太陽の観察結果を記録し、冬休み明けに自由研究として提出したりしていた。やはり自分の目で見る星は、写真で見るより美しかった。大阪のような大都会でも、望遠鏡を使えば小さな星まで観察することもできて、あらためて望遠鏡の凄さを実感した私である。私が買った望遠鏡は、口径8センチの屈折式望遠鏡で、人間が肉眼で見ることのできる最も暗い星の、さらに1/100の明るさまで見ることが出来るという性能であった。この望遠鏡を使って、木星本体と木星の周りをまわっている4大衛星や、土星本体と衛星のタイタンやリング、天王星や海王星などを観察したりしていた。

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