第13話小学3年生 再びクラス替え

 春休みが終わって、姉は4年生・私は3年生へと進級。3年生になって再びクラス替えがあり、クラスメイトが大きく変わり、先生も川野先生から吉田先生という女性の先生に変わった。私は1組となった。吉田先生はクラスで何か問題が起こったら、先生が解決するのではなく、どうしたら問題が解決できるのか、子供たちに考えさせて、問題解決へと導く方針を取っていた。そして子供たちが何か失敗しても責めたりせず、どうしたら失敗せずに次はうまく物事が進むのか、一緒になって考えてくれる先生であった。

 私と吉田先生の相性は良好で、先生も私の話に良く付き合ってくれていた。家のこともよく話していたので、吉田先生は

「リンダ君の家のことは手に取るようにわかる」

と話していた。

 3年生になると毎日の宿題では日記を書くことになっていた。最初の家は書くネタに困らなかったが、さすがに毎日となると書くことがなくなっていて、1か月もすると毎日同じような内容になっていた。時々ネタ探しに姉の日記を見せてもらっていたが、読めない漢字があって、早々に諦めて、自分でネタ探しに奔走する毎日であった。 

 その中でも学校が休みの日はどこかに出かけることが多いので、休日はネタに困ることは少なかったかと思う。特に吉田先生が住んでいるK市に行った時のことを日記に書いたり、話したりすると先生は喜んでいた。K市には母の内職の関係で行くことが多く、電車に揺られて行って、用事がすんだら駅前のデパートのフードコートでお好み焼きやパフェを昼食代わりに食べるのが定番であった。その後はお城に行って散策したり、商店街をぶらついたりして家に帰っていた。1か月に1回は行っていたであろうか。

 母は洋裁の学校に通った経歴があるので、洋裁が得意で、洋裁の内職をしていたのであるが、K市には洋裁の生地を仕入れるために行っていたのである。

 生地を仕入れて、私が母の仕事を眺めていた4月の終わり、突然

「バキバキッ」

というものすごい音がした。私と母が「

何事か」

と思って外に出てみると、冷蔵庫を荷台に乗せた軽トラックが私の家の前を通る際、冷蔵庫が雨よけのひさしに引っかかったのである。ひさしと冷蔵庫が壊れ、ひさしは修理してもらうことになった。とんだ珍事であった。そのことを先生に話すと、

「それはとんだ災難やったなぁ」

と笑いながら歯sなしていた。私も

「ほんまびっくりしたわ~」

と話していた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る