第2話 ルーカスの屋敷

馬車で2時間ほどかけて、ついにルーカスの屋敷に着いた。


やっぱり広いなぁと周りを見渡しながらルーカスについていく。


「ここが俺の部屋、その横がユリアの部屋ね何かあったらいつでも来ていいから」 


と言って私の部屋を見せてくれた。


(ん?横の部屋って、普通妻か、後々の婚約者かが使う部屋では?)

と違和感を抱きながらも部屋を見渡していると


 わぁ!!とてつもなく私好みである。しかもこのソファーの生地も布団の生地もあらゆる家具のカバーの生地は私の大好きなブティックの生地で作られていた。


「ねぇ、これって」

「好きだったよね?アンナエトワールの服とか、生地とか」

「そうなの!!色々とありがとうね。この恩はいつか返させてね、、、いつになるかわかんないけどまたちゃんと働くから」


一瞬王子の顔が悪い顔をしていたのは気のせいだよね....


「そんなのはいいよ、俺が守りたいだけだからさ、ずっと守らせてよ」


少しこの腹黒王子にドキッとしてしまった。いけない、と思い自分に言い聞かせる。


私は平民、ルーカスは王子。どれだけ優しくしてくれても、タメ口で話してても、ちゃんと自分の身分を自覚して接するの。と自己暗示をかける。




そして私はその言葉に何も言えなくなったのでとりあえずにこりと笑っておいた。


「今日の夕食一緒に食べよう。色々あったこと聞かせて。18時に迎えに行くよ」


「わかった。待ってるね」


といって私は家から持ってきた物を新しい部屋に移し替えていった。

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