第12話 廃村と中毒
結論から言おう廃村に着く事は出来た。着く事は出来たが色々この森おかしい。木々が巨大とかそう言う次元じゃない。植生が異常、僕の知識だけでも共存する事はありえない植物らが共存し、一つ一つに何故か悪意を感じる。植物には意思はない筈だし、この背筋が凍る様な猛烈な嫌な予感の原因もよく分からない。しかも、少しずつほんの少しずつ体が壊されていっている気さえする。怖い。
「うっぷ、気持ち悪い。」
「シル君大丈夫?」
「無理、気持ち悪いぃ…。」
ただディーネの後ろについて歩いただけなのに激しい眩暈と吐き気がする。フラフラして真っ直ぐ歩けない。ディーネは大丈夫そうだし毒とかそう言うのじゃ無いはずなのに一体何があるんだ。新たな摂理の影響なのか?それじゃあディーネが大丈夫な理由が…。
頭にモヤがかかったように急に思考が中断される。ディーネの手が見えた時その理由を察した。
「危ないなぁ。よっと。」
どうやら僕は一瞬意識が飛んでいたらしい。それで倒れかけて背負われている。
「ディーネは大丈夫そうで良いな…。早く民家に入って記録探して紛れる奴決めてこの森出よう…。」
「シル君が苦しむのは嫌だしそうしようか。」
僕は背負われたまま廃村の民家の中へと入って行く。
「良さそうな靴あるよ。草履って奴だっけ?」
「使えるものは全部貰おう…。」
「そうだね。役目を全う出来ず朽ちるのは可哀想だし、ありがたく使わせてもらおう。」
適当に民家を物色し使えそうな道具を集める。まぁ僕は何も出来ないお荷物になってるんだけど…。
「アルバムだ。確かこれって写真って奴だね。本当に時を切り取ったみたいにその時の風景を絵として記録できるんだね。ここも結構文明進んでるって事か。」
「うぅ…。こほっこほっ。」
「大丈夫!?血、血吐いてるよ!!」
「…何も見えない聞こえない。怖い。」
見えない聞こえない匂わない触れて筈なのに触れてない…。結構ヤバいかも。
「早くここから離れよ!多分何かの毒だよそれ!!」
ディーネは速攻で使えそうなものや資料を集めると僕を連れて森の外へ逃げ出した。
後で分かった事なんだけど、この世界には魔力と呼ばれる酸素みたいな物質があるらしくそれの濃度が高い場所に行くと中毒症状を起こす事があり普通に死ぬらしい。同じ濃度でも人によって中毒を起こすまでの差異が凄いらしく、速攻で中毒を起こし重症化するのは体が小さく魔力の吸収効率が高い個体らしい。
中毒症状の進行はこんな感じになる。
1.強い眩暈と吐き気
2.平衡感覚の喪失と意識混濁
3.数多な臓器の損傷とそれに伴う症状
4.五感の喪失及び精神不安
5.脳や各種臓器の壊死とそれに伴う猛烈な被害妄想及び幻覚
6.自覚制御不能な自傷行為及び壊死した組織の破裂及び異常分裂
7.細胞の分離及び溶解それに伴う確実な死又は魔物化による自我の喪失
うん、この事知った時思わず叫んじゃったよね。
「死ぬ直前だったよ!魔力って何なのー!!怖い!!!」って…。
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