10.お貴族様が瀕死になっちゃってました。
皆さんお久しぶりです。
高坂明美17歳です。
私は今食い倒れています。
いえ、もう3日も何も食べていないので当たり前です。
今は豪華なお城の医務室に居ます。
怪我なんてどこもしてないのに……。
お腹空いて倒れましたなんて言えないんです。
「調子はどうですか?」
「あ、はい、大丈夫ですありがとうございます」
なんかよく分からない針いっぱい打たれたけど。
「あの〜、なにか食べるものありませんか?」
「食べるものですか?」
お医者さんは質問を質問で返してきた。
「はい、お腹空いていて…」
「そうでしたか、ではパーティ会場に行かれてはどうですか?」
「パーティ会場…ですか?」
「はい、今ならまだ開かれているかと」
パーティ…ってもしかしてあのドラマとかでよく見るアレ!?
ダンスしたり、使用人さんが飲み物を、高い服着たおばさんに零したりする例のアレ!?
う〜ん、凄く行きたくないけど…
でも何か食べないと死んじゃうよね。
流石に食い倒れで死ぬのは神様にも顔向けできないよ……。
「……そのパーティってどこでやっていますか??」
私はお医者さんに言われた通り道を歩いていく。
気付かないうちに倒れちゃったから、
運ばれている時、お城の中見れなかったけど……
「すごっ!!!!!」
シャンデリアって実在するんだ……。
それも廊下歩く度に見かけるんだけど!?
こんなにもシャンデリア要る!?
「いらっしゃいませ」
「あ、ど、どうも……」
「あ、倒れられたご令嬢ですね」
もう広まってるのかよ……!
「え、ええ、すみません」
「具合はどうですか?」
「もう大丈夫です、ヨホホホ〜」
「それは良かったです。では中へどうぞ」
この使用人さん凄くしっかりしてるなぁ〜。
心配もしてくれるし……!
きっと私が奴隷のままだったら、
こうは行かなかったんだろうけどね!
「うわぁ〜良い匂いだぁ〜!!!」
ダンスをしている人ホントにいるんだ……。
そんなものよりご飯ご飯!
「あら、貴方広場で倒れていたお方ではありませんこと?」
うわ!いきなり話しかけられた!
もういいよ!私お腹空いてんだから話しかけないでよ〜!
「え、ええその節はどうもヨホホホ〜」
「……無事ならよかったですわね」
「ええ、それはもう元気も元気この通り!!」
私はマッスルポーズを披露した。
「そ、そうですか……ま、まぁお互い楽しみましょうそれでは」
あ、あれ?私なんか引かれた?
凄い引かれた?おばさんもう遠くなっちゃったんだけど…。
でもいい!そんなことはいい!
はやくごっはん!ごっはん〜!
うわぁ〜美味しそう!
なにこれフランスパン?!
に……あ!コーンスープみたいなやつ!おばあさん大丈夫かな?
……あとこれは……なんだろう?虫の唐揚げ??……うん、これはいいや。
他にも沢山ある〜!
「いっただっきまーーーーす!」
う〜ん!おいっし〜!
3日ぶりの食事最高だよ〜!
やっぱり空腹は最高のスパイスってやつだね!
「……おいし…あこれも……う〜ん!最高っ!」
「やぁ、初めまして。綺麗なお方ですね」
「……はひ?なんれひょう?」
いまフランスパン食べてるんだから邪魔しないでよもう!
「美味しそうに食べますね。初めましてロバートと言います」
「あ、ろうもほうはかあへのでふ」
「飲み込んでからで結構ですよ」
おっと、今は私も令嬢なの忘れてた〜!
早く飲み込まないとっ!
「……っふぅ…初めまして、高坂明美です」
「コウサカアケミ?珍しい名前ですね」
「え、そうですか?私の故郷ではみんなこんな感じですよ!」
「そうでしたか……もし良ければダンスでもいかがですか?」
うわほんとにダンス誘われちゃった……。
でも私ダンスなんてした事ないしなぁ。
「あの〜ダンス初心者でも大丈夫です……か?」
「ええ!もちろん!僕が優しくリードしますので」
流石貴族様だ!
まさに乙女ゲーのプリンスそのものだよ!!!
「で、ではお願いします」
「はい、お手をどうぞ」
ロバート膝ついて手を伸ばしてきてる!
ここは私も気合い入れないと……うん!よし!!
「よろしくお願いします!!!!」
「はい、こちらこそよろし―」
あっ……
「ぶぎゃああああああああああああああぁぁぁ」
ドンッ
スキル切り忘れてた…………
《レベルが61に上がりました》
《高坂明美:レベル60【令嬢】》
・スキル【絶対防御】
・スキル【憤怒】
・スキル【摩擦係数操作】
・スキル【空気読み】
・パッシブ効果【水耐性】
・パッシブ効果【威力上乗せ】
・パッシブ効果【集中】
・パッシブ効果【自動体温調節】
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