5.告白したらフラれちゃうことになっちゃってました。
私たちを助けてくれたのは金髪の豪華な装いをした男だった。
「あ、あの……助けて頂きありがとうございます!」
「…………ん?その格好は奴隷か」
「はい……!良ければお名前を聞いても?」
「俺の名はギルフォードだ」
ギルフォード……!!凄くかっこいい!
まるで白馬の王子様だぁ!私を助けに来てくれたんだ!
「わざわざ助けに来て頂いてありがとうございます!」
「……たまたま通りがかっただけだ」
謙遜までして……!この人超カッコイイよぉ~!
連絡先……あ、スマホないんだった。
「あの!もしよかったら……その付き合って貰えないでしょうか!!」
言っちゃったよ!私言っちゃったよ!!
現実でも告白なんてした事ないのに、異世界で初告白だよ!
どうしよう……!つい舞い上がっちゃったよ私!
「……は?…弱い奴隷には興味は無い。さっさと消えろ」
え…………私フラれたの……?
フラれただけならまだしも、なんかフリ方酷くない?
弱い奴隷?強けりゃいいのか!?
「…………分かりました。強くて奴隷じゃなきゃ良いんですね」
「……なにを言って―」
「い・い・ん・で・す・ね!?」
「……あ、ああ」
やってやるわよ、ええ!やってやりますとも!
絶対に好きと思わせてやりますとも!
私をフッた事を後悔させてやりますとも!!
「待ってなさい……ギルフォードォォォォォ!私があなたを必ず落としてみせるからぁぁぁぁぁぁぁ!おばあさーーーーんありがとうございましたーーーーー!!」
「……い、いいのよ…?」
「…………なんだアイツは」
許せない!私をあんなフリ方するなんて!
別にそこまで言わなくてもいいじゃない!
ギャオオオオオオッ
「邪魔っ!!」
《レベルアップが17に上がりました。》
なんで私がこんな惨めな気持ちにならないといけないのよ!
そうだよ!私の異世界生活まだ2日目だよ!?
ベリーハードからすたーとしたんだよ!?
ギャオオオオオオ
「だから邪魔っ!」
《レベルアップが18に上がりました。》
《スキル:『憤怒』を獲得しました。》
なにが憤怒よ!憤怒超えてマントルよ!
なんで私スプーンでずっと戦ってるのよ!
そういうとこも意味わかんないのよ!
ギャオオオオオオ
「もうっ!しつこい!!」
《レベルが19に上がりました。》
しかもなんでこんなにレベルアップ早いのよ!
レベルアップバグでも起きてるんじゃないの!?神様!
私はフラれたショックとこの異世界のベリーハードスタートに、愚痴をこぼしながら夢中で森を進んでいました。
道中沢山の魔物が現れました。
私はスプーン一本でなぎ倒して進みました。
《レベルが21に上がりました。》
《高坂明美:レベル21【奴隷】》
・スキル【絶対防御】
・スキル【憤怒】
・パッシブ効果【水耐性】
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