第6話 - サバイバル 1日目





「ねえ、提案のだけど、少しの間だけ協力しない?」



(はい、ハーレム決定……なんてなったらなあ)


「協力というと?」


俺はこの世界を一人で生きるつもりでいる。

だけど別に人嫌いとかじゃない、単にこの世界で色々としたいことがある。

その中で危ないこともあり得る。


「私たちも森に残るつもりでいたよ。この森の広さはわからないけど、君もここに

残るなら会うこともあるでしょう。ならいっそのこと、近い場所に拠点を作り、

三人で助け合うのはどうでしょう?」


「うむ、わかった」


即答だった。


「え?いいの?」


普通にこの二人が心配だ。

一人で生きるつもりだが、異世界に来たからと言って、こんな知らない場所に

女性二人を残すなんて。


他の転移者のことも、魔物のことも、この世界の人たちのことも怖いけど、自分に

起こりえる最悪の事態はこの二人にも起こりえる。


「正直に話そう。この世界の人も他の転移者ことも信じない、スキルを使って、

世界でそいつらが何をしでかすのも知らない。だからここに籠り、そいつらから

隠れるつもりだ。君たちにも当てはめるだが、少し信じることにする。だから、二人も他の人たちに気を付けてほしい。これに賛成ならできる限り協力しよう、

いや、協力したい」


「そうか。それなら私たちと一緒なのね。私たちも他の人たちがスキルで悪い

ことをするかもしないと思って、二人で離れたところに行こうと話したのよ。

そこで君にあった時は本当にビックリしたね」


「ああ、俺もビックリした」


「ならいいよね?私たちも他の人たちと関わらないようにする」


「うむ、それじゃあ、これでパーティーだ。自己紹介しようか?俺は月島で

いいよ」


―――真波がパーティーへの招待をしてきた―――

【メンバー】

- 真波

- ゆずりは

―――――――――――――――――――――――


【はい/いいえ】


「おお!マジか、こういうのもあるのか!」


そのメッセージをタッチしたら、説明が表示された。

どうやらパーティーで魔物を倒した時に経験値がメンバーで山分けになるようだ。


「無事に招待できたみたいね。月島さんと出会う前、私たちもいっしょに

頑張ろうって話をしたらパーティーのメッセージが現れたの」


「そうだったのか。それじゃあ」


【はい】


―――――――――パーティー―――――――――

【メンバー】

- 真波 Lv.2

- ゆずりは Lv.2

- 月島 Lv.3

―――――――――――――――――――――――


「ん?二人は先のでレベルLv.2になったのか?俺は3になったけど」


「本当だ。どうしてだろう?」


魔法少女が言った。


(この子がゆずりはさんね)


「もしかしたら戦闘の貢献度みたいなものかもな。俺は七回くらい攻撃を

したから、もらった経験値が多くなったかもな」


「そういうの漫画でみたことあるな」


っとお姉さんが言った。


「おっ、やっぱり二人も異世界ものの漫画とかを読むんだな」


「ええ、この子に影響されてね」


どうやら二人は従姉妹で、この世界での名前はまだ決まていないが、

お姉さんの方は真波さんと学生はゆずりはさんっという。


こうして、善は急げということで、協力すると決めた俺たちは再び森に入った。

理由は魔物がくるかもしれない川に長居するのは良くないのと、寝る場所を

探すためだ。


幸い、雨から隠れる場所に心当たりがないかっと精霊たちに聞いてみれば、

笑顔で森へ入った。



◇ ◇ ◇ ◇



歩くこと一時半。



「……マジか」


精霊たちにおすすめした場所はなんと、洞窟だ。


(ご都合主義じゃねえか)


木の間をに挟まれて、入口は蔦や他の雑草で隠れている。

精霊たちによるとこの辺りに住んでいる魔物はいないので、比較的に安全。


「本当に何もないようだ。使われたようにも見えない」


3メートルもありそうな入口に近づいて見れば、4mx3mくらいのある中の広さに

も驚いた。


(もう、家だろう)


「うむ、大丈夫そうだ。二人はこれを使ってね。俺はこの近くで寝れる場所を

探してみる」


「いいの?」


「ああ、問題ない。だけど協力するなら、出来ればここが見える所にしたい、

いいか?」


そう言って、数十メートル離れたところを指さした。


「わかった。だけど強い雨の時は雨宿りに来てね」


距離が決めたことで、俺は周りを歩き始めた。


(さて、最初は適当でいいかな)


たまには森でのサバイバル動画とかを見るけど、再現する技術なんて

持ち合わせていない。だけど何も出来ないっとも思っていない。


ここで生活するに当たっては、問題になるのは水、食べ物、雨、魔物、現地人、

転移者、と毒がある虫と動物だ。


幸い、その中で水、食べ物、魔物、現地人は後回しにしてもいいかもしれない。

水は川があり、2Lのボトルもある。毎朝、川に行けば問題ない。


食べ物はニワトリスの残りがあるけど、明日、明後日まで腐っていても

おかしくない。だけど女神から貰った干し肉がある。他の二人も持っているかは

わからないけど、俺だけなら節約しながら一週間は我慢できる量だ。


魔物に関してはあの石が魔物除けであることを祈るしかない。


そして現地人。精霊たちの話では村とかは存在するけど、結構遠いようだ。

警戒はするが、対策はそう多くない。


残る問題は転移者、雨とこの森の毒を持つ虫と動物たちだ。


転移者は現地人と一緒、拠点を隠れたところに作る以外、どうしようもない。

正直に言って、あの二人のように女神が俺たちの場所に飛ばしてもおかしくない。


虫はサバイバル動画では小さな焚き火の煙で対応しているけど、効果は

わからない。蛇などの動物の対策だけは思いつかない。そいつらが焚き火から

遠ざかればいいけど、逆に群がってきたら危ない。


そこで役に立つのは地面から離れた寝床を作ることだ。

最後の問題である雨は今日振るように見えないので、今は屋根なしの寝床を

作ろう。


「ここでよさげだな」


洞窟から数十メートル離れたところに大きな木を見つけた。

その周りは少し開けているので、陰になっているところに寝る場所を作ると

決めた。


(そうっと決まれば、早くやろう)


日はまだ高いが、俺の一番の目的は魔物狩りだ。

拠点作りだけに時間を使うわけにはいかない。今日は床を作った後、周りの探索をするつもりだ。


やることの順番を決めながら、俺は地面の雑草を切り、周りの細い木々を

三つ倒した。それらから六つの1メートルくらいの長さの木の棒を切り、

ナイフで木の棒の先端を尖り、それで地面に木の棒の半分が入るくらいの穴を

六つ掘った。そこに床の柱になるように木の棒を固定させて、その上をナイフで

切り、大きめのやつを二つの並べた。最後に蔦を細くきり、縄の代わりに使い、

全体を固定した。


「ふう」


(結構な作業になったな)


だけどここまですれば、後は上に木の枝などを並ぶだけだ。

俺は汗を拭きながら、離れたところにいる二人の様子を見た。


(???)


「なんだあれは?」


洞窟の中の掃除が終わったのか、二人は外の木の枝を集めていた。

そこまではOK。だけど真波さんは大きな葉っぱの木を見つけて、それに

近づいたっと思ったら、その手に大きな光のハサミが現れて、それで葉っぱを

切り落とした。


(スキルか?本当に何でもありだな……自分の作業に戻ろう)


っと思ったが。次に必要のはまっすぐな枝だが、それよりいい物がいる。


それは竹だ。

竹があれば何でも作れる。


(作ったことないが)


だから、それを探すために周りを探索しようと思った。

だが、二人のところでまだ遊んでいる精霊たちに聞いてみれば、即答で場所を

教えた。


(マジか)


竹の有能性を聞いて、真波さんたちも欲しくなり、全員で取りに行った。

ありがたいことに竹があった場所は洞窟から5分という距離だった。


それを回収して、速やかに作業に戻った。

竹を割り、それをベッド代わりになるように木の棒の上に置いた。


「やればできるもんだな」


寝床完成。


正確にはわからないが今で16時くらいので、思った以上に時間がかかった。

寝るところを作った後は探索しようっと思ったが、今日は辞めた。


その代わりに二人のところに行って、手伝うことにした。


「真波さん、俺の方の寝る場所ができた。洞窟はどうだ、使えそうか?」


「すごいね、あのベッド!私たちも月島さんを真似て、作っているのだけど、

洞窟の中の雑草が多くてね」


二人は既にベッドを作るための木の棒などを切り終わっているが、雑草取りが

なかなかうまくいっていない。


どうやら二人共は器用だけど、力仕事はあまり慣れていない。


「手伝ってもいいか?もうすぐ夜になるので、寝る所と焚き火だけは作らないと」


「いいの?」


「ああ、もちろんだ」


「ありがとう!」


「ありがとう、月島さん!」


そうして、二人と一緒に洞窟の雑草を取り、ベッド作りも手伝った。

それが終わった頃には周りが怖い程に暗くなり、俺たちが作った焚き火の光と

月明かりだけが辺りを照らした。





つづく

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アンチxチート ー集団転移に巻き込まれて、他の人はチートを使ってるけど、俺だけ正々堂々と闘うぜ!ー @TSGui

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