第4話 - スキル無効化





あの二人と一緒に精霊たちの案内で森を歩いていた。

俺がいたところよりこっち側の森は深いが、問題なく歩けることができる。

まだ武器を手に持っているが、10メートルくらい後ろの二人も静かに

歩いている。


40分くらい過ぎると、精霊たちは俺たちに向けて静かにっとするように指を

口のに立ってた。


それを見た俺に緊張が走った。

もしかしたら女神のクエストは魔物退治じゃないかっと。


(いきなりかよ⁉)


いきなり不安になってきたが、それでも足を止めない。


後ろの二人も不安か表情は険しいものになった。


足音を立たないようにしながら、更に十分歩いたところで精霊たちが完全に

止まり、木の後ろに身を隠すようにして、俺たちを手招いた。


俺は精霊たちと一緒に腰を落とし、身を隠した、二人も横の木に隠れた。

そしてゆっくりと前にある茂みから顔をだして、あたりを見た。


(ん⁈……なるほど)


そこには予想通り、魔物がいた。

そいつは身長、1メートルもありそうな赤色の鶏だった。

それだけで異常だったが、大鶏の尻尾から緑色の蛇が伸びていた。


見た光景にビックリしたが、クエストの内容が分かってきた。


そいつは大きな木の下で寝ているが、その木の上には大きな穴があり、そこは

何だか花で飾ているみたい。


(あそこは精霊たちの家か何かじゃないかな?)


そう思った俺は精霊たちに身振り手振りで魔物を倒してほしいかっと聞いてみた。

精霊たちが頷いたので、それを少し離れた所にいた二人に伝えた。


(正直に、こっちに来てちゃんと作戦を建てたいがな)


そう思いながら、俺は鶏に女神から貰った魔物鑑定のスキルを使った。


(起きるなよ)



―――――――――――――――――――――


【ステータス】

名前: ニワトリス

ランク: E

レベル: 7


筋力: 27 [27]

魔力: 20 [20]

速さ: 20 [20]

器用: 12 [12]

運: 10 [10]



【パッシブスキル】

-『風魔術 Lv.1』


―――――――――――――――――――――



(ステータス高いな、俺と同程度だ……もしかしたらこの世界版の

コカトリスか?)


ステータスだけを見れば三人がかりでは行けそうだが、問題はあの風魔法の

威力、蛇の毒と二人のスキルだ。


確認のために俺は改めて自分のステータスを見た。



―――――――――――――――――――――


【ステータス】

名前: ―― ← 『名前を決めてください!』

年齢: 27 種族: 人間

称号: ――

レベル: 1 SP: 5


筋力: 27 [31]

魔力: 12 [13]

速さ: 21 [24]

器用: 13 [15]

運: 10 [12]



【アクティブスキル】

-『スキル無効化 Lv.1』

-『ステータス隠蔽 Lv.1』


【パッシブスキル】

-『体術 Lv.1』


【特殊スキル】

-『女神の守り』

-『言語理解』

-『魔物鑑定』



【装備】

『武器』

-

『防具』

-

『アクセサリー』

-

―――――――――――――――――――――


(さて、どうしよう。出来ればもっと低レベルの魔物を倒して、レベルを上げて

からにしたいな)


その考えを精霊たちに何とか伝えたが、必死に俺を止めた。

それから家とらしきものを指さして、むしろ早くやるようにせかしてきた。


(うわあ、こういう博打みたいなものは怖いな……)


相手は同格だ、最初にの敵としては避けるべきだ。そして他の二人もいるとは

いえ、彼女たちのスキルは知らない。


救いのは彼女たちの格好から、魔法使いと忍者関連のスキルを取っている可能性が

ある。そして何より……


スキル無効化


ここまでの道に魔物と遭遇しなかったから、まだ試していないが、異世界の

約束通りになんとなくあいつの風魔法に使える気がする。


(無謀かもしれないが、これは女神と縁を繋ぐチャンスかもしれない)


そう決断をした俺は二人に自分は戦いたいっと伝えた。

二人も自分の理由があるのか、覚悟が決めた顔で俺に賛成した。


距離を置いたまま、手振りで作戦を決めた。


ニワトリスは気を背に寝ている。こっちは寝ているかどうかはわからないが、

尻尾の蛇はその右側で目を閉じていた。俺たちの作戦はもちろん、そいつが

起こす前に致命傷を与えることだ。


数分でそれが決まり、俺たちは動いた。


まず俺は隠れながら、蛇が届かない左側で木の後ろまでにいた。

どれくらいの音でそいつが起きるかはわからないので、俺は寒い汗をかきながら、身を低くして静かに歩いていた。


二人も一緒に来て、途中で足を止めた。

俺がそいつの寝ている木の後ろに立ち、ニワトリスが南を向いていると想定して、二人は西にある木の後ろにで身を隠している。


俺が最初の攻撃をした時に起きたニワトリスに学生の子は魔法を使うとういう

作戦だ。


そして、その作戦開始の合図を二人に送り、心臓辺りどころか、胸全体が苦しく

なる程の緊張を抑えながら、物々しいナイフを手に、そいつへ近づいた。


(やべえ……この世界の魔物の強さの基準をわからないのにこんなことをするなんて、どうかしているぜ俺。馬鹿じゃねえか……うわああ、最悪だ)


今更ながら、頭にこれから起こりえる最悪の展開が頭に嫌なほど色々と

浮かんでくる。


それでも俺は前へ進み、ニワトリスの50センチまでの距離に着いた。

音を立てず、重いナイフを上にあげて、そいつの首筋に狙いを定める。

二人にもう一度視線を送り、学生も杖を構えているを確認できた。


(殺すっ!!!)


俺はその瞬間だ頭を綺麗にして、殺す!という言葉だけを強く浮かべた。

同時に渾身の力を使い、魔物にナイルを下した。


アニメなどの効果音に慣れている俺にはそれは以外に感じた出来事だった。

ナイフは何の音もなく、曲がることもなく、そいつの首に深々と肉を

切りながら入った。


(出来る!!!)


それを見た瞬間に俺はまだ刺すことができるっと悟り、痛みで目を覚ました

そいつにナイフを何度もぶっ刺した。


傍からどころか、どう見ても殺人鬼みたい行動に自分でも引いた。

だけどそれ以上にこういうのが必要だっと自分に聞かせた。


流石に限界があり、7回くらいナイフで刺し、暴れ始めたそいつから後ろへ

数歩下がった。


ギェエエエッ!!!!っと鳴き声は鳴らし、混乱しながらも自分を傷ついた

存在を威嚇した。


そいつを睨み、動かないように俺もその場から離れなかった。


シュッ!


そこに一つの光の矢が飛んできて、ニワトリスの左脇腹に当たった。


(これがあの子の魔法か)


体に刺していた白い矢は消えて、ニワトリスは怒りに満ちた鳴き声を上げ、あの

二人の方へ体を向けて、翼を高々と上げた。


キエエエエッ!!!


(風魔法か⁉)


そいつが向きを変えた時点で既に動いていた俺は三人の間に立っていた。


(来い!)


左手で背中のリュックを体の前に持ち、右腕で喉と左目を守り、魔法の攻撃に

構えた。


……


キュエエ?


(かはははっ!)


背後の二人に見えないようにして、心の中で高らかに笑った。


(ふははっ!効いた!!やっべえ、集中が落ちているけど、笑いがこみ上げて

くる!)


目の前でニワトリスは何が起きているが分からずに自分の翼と尻尾の蛇を

見ていた。


(違いない!あいつを最初に切り刺した時にスキルを発動した。その効果で

風魔法が使えないんだ!)


少しだけ冷静が戻った俺は手を上げて、背後の二人にもう一度の攻撃を頼んだ。

ニワトリスは血を流しすぎたか、起きたところから動こうとしない。


シュッ!


前と同じく、そいつに光の矢が当たった。

ニワトリスは怒り出して、魔法は諦めて、歩き出そうとしたが、その足は地面から

数センチ上がったところで下した。


遂に立つことも出来なくなり、ニワトリスは震えながら自分の足元に溜まった

血の上に意識を無くした。


その様子を静かに見守り、俺たちは数分も動けずに待っていた。


――レベルが3に上がりました――


――スキルポイントを2取得した――




つづく

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