第34話 パソコンは家電製品か?

 数年前のWindows系OSのサポート終了のタイミングだったと思う。電子化した論壇誌『論座』で、確か、文系研究者によるパソコン業界周辺への批判があった。僕は、興味津々だったので有料記事だが、そのためだけに入会して読んだのだった。

 その時事評論の中では、これだけ買い替えを要求してくる家電製品は他に無かった、というような言い方がなされていたと思う。

 それを読んだ僕は「パソコンは家電製品か?」と疑問に思ったものだった。

 パソコンは家庭電化製品なのだろうか?

 家庭電化製品とは何かを考えてみたいので《三種の神器》を思い出してみる。白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫。《3C》は、カラーテレビ・クーラー・自動車である。

 家庭電化製品(家電)の「電化」というのは、電力を動力等に利用しているくらいの意味のようなのだが、僕の家電のイメージは、家庭に元々あった何かしらの機能を代わりに任せられたり更にはより高機能にできる機械である。

 電気洗濯機は、洗濯である。

 電気冷蔵庫は、食料品の保存である。

 クーラーは、納涼である。

 テレビは微妙である。新聞の映像化とも言えるが、これは衣食住とは、関係ないからである。

 自動車は電気でないことを置いておいても、家庭の機能というよりは、公共の機能を私的に利用できるようになったと考えるといいと思う。そういう意味で、僕の家電のイメージではない。

 さて、パソコンである。これは、算盤の代わりだと考えると良いと思う。家計簿とセットで考えても良い。コンピューターに電子計算機という和訳があるのは正しいとも思う。

 パソコンも、やはり家電製品と言うこともできるのではないかと僕には思えてきたのである。

 それでも、やはり、何か違和感がある。その正体は、おそらくインターネットに繋げられる(セキュリティー上の問題から更新が必要になる)ところからきている。ありふれた推測ではあるけれど。

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