第8話 絵画について(官能小説の挿し絵)
僕にとって身近な「絵」とは、どんなものだろうか、と考えてみる。
マンガは読むことがもうほとんどない。久しぶりに単行本を揃えたくなった『昭和天皇物語』も途中で止まってしまっている(ぜひ再開したいが……)。
近年で言えば、官能文藝雑誌「特選小説」(辰巳出版)の表紙や掲載小説に添えられた、いわゆる挿し絵かも知れない。
官能小説と言えば、毎号愉しみにして読んでいた懐かしい作品がある。「週刊プレイボーイ」(集英社)に連載されていた睦月影郎さんの「白衣のフェロモン先生」である。先生というのは確か保健婦(ほけんふ)の設定だったと思う。現在は変更された資格かな。後に「大洋文庫」として『白衣の匂い』『制服の匂い』の二冊で文庫化された。書店で見かけたとき、タイトルが変わっているのにもかかわらず、あれだ! と直ぐに文庫化であることが僕には分かった。僕が小説を執筆しようとするとき、濃厚に反響しているのは睦月影郎さんの文体であると思う。
さて、連載時に挿し絵を担当していたのは、山本タカトさんという人のようなのであった。始めの印象は、何だかクセの強い感じの画風だなあ、というものだったかも知れない。しかし、接する内にとても魅力的に見えるようになった。
注意してほしいのは、当時の「週刊プレイボーイ」はグラビア・ページと藁半紙のような(?)地が黄色っぽいモノクロ・ページで構成されていて、挿し絵もカラーで描かれたものではなかったということ。それから、文庫本に挿し絵は収録されていない。
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