第45話 古代遺跡群 1
「アウザーラ、それどこから持って来たの?」
一夜明け広場にいたムールは洞窟からスキップして出て来た女の子に声をかける。
アウザーラは金龍だけど見た目は人化して小学生ぐらいの女の子になっている。
昨日サーフラが渡したドレスを着てご機嫌そうだ。
「これ?洞窟の奥に大昔の遺跡があるのよ。なんか見た事がないものが転がっているの。」
「キレイでしょう。透明で青くて。」
サイダーのペットボトルだ。
中味も入っている。
「それ、飲んだことあるの。」
アウザーラが小首を傾げている。
かわいい。あざとい。
「飲めるの。」
ムールの鑑定ではぜんぜん大丈夫。飲める。
なに、なに、なにって感じで他の子たちも集まってくる。
中には同じボトルを持っている子もいる。
ムールに渡してくるので魔法で少し冷やしてインベントリから出したコップに注いでみんなにわけて渡す。
恐る恐る口をつけた子が騒ぎ立てる。
「あわわわ、暴れてるー。口の中でなんか暴れてる。でででも甘ーい。」
それを見て他の子たちも口に含み始める。
大騒ぎして面白がっている。
なんかすごく微笑ましい。
ムールがほっこりしているといつのまに来たのかパエリが手を差し出す。
「これってあの世界のサイダーよね?あってもおかしくはないって思うけどなんでなのかな?」
「バグかな?大陸の端っこの方だしデバッグができてないのかも。」
「やばくない?」
パエリはゲームはしないけれどパソコンは知っているからね。
エイベルとアイゼイヤが洞窟を案内してくれる。
洞窟の中は天井の高い地下街のようになっている。
大きな空洞があって、その壁面にさらに横穴があってその横穴の側面に個室の入口がある。
何故かこの空洞の上の方から光が差し込んでいるので暗くはない。
また横穴もダンジョンのように光る苔が一面に生えていて壁面照明のようで明るい。
メイン通りとも言える広い横穴をアイゼイヤとエイベルについて行くと突き当たりの様な所に何人かの魔獣少女達がいる。
見るとコンビニの一部が壁から露出している様に見える。
床に飲み物や袋に入ったお菓子などが散らばっている。
魔獣少女達にこれらのものがなんなのかを説明するとまた大騒ぎになってしまった。
この子達は自分で取り込む様な事は無くて、他の子達にも声をかけて説明しては面白がっている。
楽しいことは好きだけど物に対する独占欲の様な物はないのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます