あとがき
お初にお目にかかります。可笑林と申します。
ここまでお読みいただいた作品は、第36回ファンタジア大賞にて〈銀賞〉を頂戴した『血眼回収紀行』の応募原稿を、現在刊行されている作品に合わせて改稿したものとなります。
ラングトンで運命的な出会いを果たし、社会の表も裏もかき回した挙句にそそくさと首都を去った二人のその後の冒険が、『血眼回収紀行』にて綴られているわけですので、二人のその後が気になる方は、是非とも各書店、電子書籍にて拙作をお手に取っていただきたく、平にお願いいたします。
さておき、新人賞を受賞した作家というのはもともと膨れていた自尊心をさらに膨張させるものでして、「賞を取った作品なのだから、あとはちょちょいと誤字などを直して出版だろう」と思っていたところに、爽やかな声色の編集者から「全部書き直しましょう」と提案された際には風船のようにはじけて冷たいアスファルトに横たわるような気分だったわけです。
やっとの思いで出版できるものを書き上げ、これでようやく一息つけると思ったところに、「次は宣伝のために応募原稿を改稿して公開しましょう」と言われた頃には、弾けずにバルーンアートになれるくらいには成長しました。
本作品を改稿するにあたり、『物語の約半分がプロローグ』であることなど、あらためてこの作品の構成の滅茶苦茶さには自分でも目を覆いたくなりました。
改めて、本作を選んでくださった選考委員の皆様方、そして編集部の皆様には深謝申し上げます。
多くの方のご協力をいただき、改稿を重ね、荒々しい応募原稿も立派な作品に磨かれたと思います。この場においては自作への尊大な評価もどうかご容赦いただきたく……
何度も何度もお見苦しい限りですが、現在発売中の『血眼回収紀行』もぜひぜひお手に取っていただきたく、ここに再びお願いするところでございます。
血眼紀行 可笑林/ファンタジア文庫 @fantasia
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