第36話 閑話 ぬかるみのせいでストーリーが進まない。(設定の失敗)
火付けは薪を細かくして燃えやすくするところから始まるんだけど、今回は
こいつもめちゃくちゃ切れるからノコギリとかはサイズがまだまだ小さいけど切れる。斧にもなれる。
これで薪のサイズ調整ができた。
薪は長けりゃ良いってもんでもないからね。
細かくなった薪(焚きつけって言うよ!!)をここあちゃんの指レーザーガトリングで燃やしてもらう。
本来の使用の仕方じゃないけど、燃やす分の火力は出るのでちょうど良いのだ。
ちょっと火がつけば、あとは細い薪から順々に大きい薪へ火を移していくだけ。
といっても、ここで大きさを間違える、火を移すのが早すぎる、などをしてしまうと立ち消えしてしまって最初からやり直しになる。
結構繊細で気長にやる。
大きい薪は燃えにくいのだ。
やるときに重要なのは、室内では上部が開いている家屋か暖炉や薪ストーブでやること。
煙突で危険な排気ガスを外に逃がせる。
この宿泊所にもぼろい薪ストーブがあったため、置換で補修してから使用した。
ただ、固定式薪ストーブじゃなくてアウトドア向けの小さい薪ストーブなのはなんなんだ。冬を舐めているのか。
セメントを置換で作り出して水っぽさをなくしてから、伸ばして傷やひび割れ、割れたガラスなどに埋め込んで、それぞれの素材に置換し直すのだ。
置換使いまくっているので熟練度が上昇しているのか、以前と比べて小さくなる度合いが減ってきたので一発で修理できる箇所もある。
出来なくてなんどか繰り返す箇所もある。
最終的に修復は出来るってことだね。
ここあちゃんなら、鋳鉄とかガラスとか、素材さえ作ってあげれば魔法で形成処理乾燥まで全部出来るのに、面倒だからってやってくれないんだよね。
無限エネルギー持ってるのにさ。
置換はないけど。
「こんなもんかな、あとは適当においても大丈夫になる。薪が炭化してるから少し風を入れれば勝手に火がつくよ」
「お疲れ様。あずきは本当に火を扱うのが上手いわね」
「薄くしか覚えてないんだけど、たしか研究所の中しか居ることができなかったから庭かどっかで火遊びしてたんだよね。そのなごりじゃないかな。でも今は無限電源に石油ファンヒーターがあるからねえ」
「
私のバックパックに一通りの材料は入っているけど容量無限じゃないのでどっさりとは入ってない。入っているのはほぼ無限に入るここあちゃんが持っているバックパックだ。
ちなみに姿勢制御推進を付けてもらったので背負いながら高速機動が出来るようになっている特別仕様だ。
「ここあちゃんバックパックから薪もらっていくよー。割れてる薪100本取り出すよ。残りはおいおい」
「あとで補給しないとな」
「どんな薪でも燃やす自信はあるから堅い木でもいいよん。油が多い木だとくっさいし煙いけど虫除け効果は高いかな。どっちも揃えようか」
「室内だと煙が残るし一酸化炭素で人間が死ぬから油の木は少量で良いぞ」
「わかってらぁ!」
さてと。別にストーブは部屋を暖めるために作ったわけではない。石油ファンヒーターと合わせて使ったら暑くなりすぎてサウナ状態になるっての。
ストーブ上部の熱で料理してもらうのだー。フィー内部の無限コンロで調理しようと言ったんだけど、趣がないとミカさんが言うので。
調理するための火力だと寒いんで石油ファンヒーターは回すんだけどね。
「ストーブと言えば、カレーかシチュー、ブルドイよね。どれがいいかしら」
ブルドイおいしいんだよなー。肉の煮物。香辛料まぶして煮るの。
「ブルドイが良いでーす」
「ボクはシチュー。ミカのは特別美味い」
「わたくしもシチューでしょうか。バターはありますし、ストーブの火力なら焦げませんからおいしいホワイトソースが作れます。ソース作りなら任せてください」
「じゃあ、シチューにしましょうか。ブルドイはまた今度ね」
「はーい」
「ばうばう」
「僕もシチューが食べたいわん、だって。猫舌のくせに。冷めたら食べさせてあげるよ」
そんなわけでシチューです。
フィーの保管庫にかろうじて野菜と肉が乗っているのでそこからにんじんジャガイモそしてうしブーなどをとりだします。
ほとんど岩だから圧迫度合いがひどい。
ここあのバックパックがあるけど 一回大きくなってもらうかなあ……。
うしブーは牛の魔物。肉がうめーんだわ。皮もしなる上に強度があるんでこっちのスタンダード革になってる。銀河と繋がってたころは輸出してたらしいけど。
私のポーチをぶら下げている大型ベルトも、うしブー製。
水に濡れても臭くなったりベタベタしたりしないので、スタンダード革になってる革は伊達じゃないなって思うわ。
このベルトにスカート吊ってるんで、絶対にずり下がらないんだよね。
夏のオーバーニーも素材の性質と透明なベルト吊るしで吊ってる。おかーさんガーターベルト否定派なんよ。ラノベコスプレ界隈で多すぎるんだって。
冬のタイツは素材からしてズレないし、根元まで穿くので大丈夫ですね。面倒だけどスパッツの下に入れてるし。おしっこしないからスパッツが下でもいいと思うんだけど、それはおかーさんとしては教義に反しているんだって。なんの?
絶対にずれません見えません。太ももだけは見えちゃうけど。おかーさん絶対領域ふともも教だからなあ……スカートの丈がジャストなんだよね。
夏用の、短いスパッツまで作って着るの強要してくるの。なんなのいったい!?
シチューの方は順調に進み、ミカさんが模倣で包丁使わずににんじんカットしていたり、ルカさんがへらを使わずにソースこねてたりしていた。
「なんもやることないなー。
「一歩外に出ただけでぬかるみだぞ。新しく手に入れたWAZAの訓練でもしたらどうだ」
「
出来たら呼んでくれるということなので、個室の片付けをすることにした。
「いやー、汚れてるねえ。町にいたときに着ていた私服とか洗濯機に掛けなくちゃ。ゴミはフィーお願いできる?わからないやつはベッドの上で良いよ」
全身洗濯機に私服を突っ込みスイッチをオン。あとは待つだけ。戻って残りを掃除することにする。
戻ってくると、そこそこ片付いていた。時計や人形などはベッドの上だったけど。
「目覚まし時計はサイドテーブルだし、この人形はタンスの上だな。据え置き壁掛け時計は……壊れてるから直さないと。
「ぴー」
私も構造覚えたいから左手の権限を明け渡すのではなく、指示してもらう方式で直していく。
「ぴぴー」
「あら、基板にくっついてるゲジゲジが壊れてるんだ。これはうちらじゃわからないなあ。おかーさんに聞こうか」
そうしておかーさんの
「おかーさん、このゲジゲジの設計図作れるー?」
「
言われたとおり薄ーく剥ぎ取ったら、見えないレベルでなんか書き込まれていた。
「なるほど。じゃあ寸胴型物質置換装置にデータ転送するから岩でも入れて物質置換しちゃってね。ハンダ付けできる?」
「ぴぴぴー」
「僕はどれだけ微細でも溶かせるけど、くっつける人の技術が全く足りてないって。てめえ潰すぞ」
「でしょうね。ICをくっつけるのは専門の機械がやることだから。私がくっつけるから時計だっけ?それと一緒にIC持ってきてね。あ、ハンダもある程度物質置換してもらえると嬉しいわ (΄◉◞౪◟◉`) 」
仲間はずれにされた気分になりつつも、個室区域の一番奥、なんもない突き当たりに置いてある岩を砕いて物質置換し、ICと多めのハンダを入手。おかーさんの所へ。
「持ってきたよー」
「お帰りなさい。じゃあやりましょうか。よろしくね、
そういって作業を始める。微細すぎて目が追いつかなかった。こりゃーわたしじゃむりだー。
「できあがりー。単3電池付ければ動くんじゃないかしら (΄◉◞౪◟◉`) 」
「戻って付けてみるね。おかーさん、ここ手術室なんだから清潔にしなきゃ駄目なんだよ。おかーさんのゴミ屋敷じゃないんだよ」
「これにはすべて用途があるのっ。ゴミじゃないんだから 。゚(゚´ω‘゚)゚。 」
おかーさんに自動手術装置に自動消毒無菌化装置と手術時膜で覆う装置付けておいてと注文を付けて
部屋に戻るとここあちゃんがいた。
「出来上がったの?」
「うん。おいしそうな香りで包まれてるぞ、はやくこい」
「この電池交換終わったら行く行く。はやく食べたーい」
無事に起動が出来た時計を壁に掛けて、私はシチューを食べに行くのだった!
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