第34話 始めるぞ第二部!
道はぬかるんでますけど、雪解けしました。年も明けました。
大体ですが、1月2月が春で、3~6月が夏。
7月8月が秋で9~12月が冬って感じかな。
赤道近くだと9月が秋で12月が春みたいな感じかなー。
「今みたいな冬からの季節移行期間はバスとかの大型タイヤはいてチェーンつけている乗り物くらいしか動けないんですよね」
「あと飛行機だな。ボクみたくみんな飛行できれば良いんだが」
「フィーは飛べますけど、限定的な飛行ですものねえ」
ミカさんはこの冬の訓練でですます調を超えた、お姉さん言葉を身につけていた。
博士を倒したあとは雪解けを待つしかないのでみんな修行とバイトに励んでいたのだ。
私は下水処理と伐採と薪割り。午前中だけで出来るんで3つこなしていたよ。めっちゃ稼いだ。
1日70~80ゼニくらい。がっつりがっつり!
そのお金でソードアンドバックラーの技術を学んだ。
といってもこのソードってのはもっと長い、刃渡り60センチ以上90センチ程度とか、大きい物で100センチとかの片手剣のことをいうみたいだけど。
重量は800グラムから1.5キログラムくらい。普通の人間なら重いだろうね。
私から出るショートソードは刃渡り45センチくらいで全長60センチくらい。刃の幅は2.4センチ。重量は450グラム。腰くらいまで使って出るねー身長高くしたいねー。
直刀だけど手をガードする部分は和式。洋風だと人差し指を刃の下、根元部分にかけて動きを安定させるんだけど、これにもバッチリついていて、そこには梅の意匠が施されたしっかりしたガードがついてる。
一番根元のことをポンメルっていうんだけど、そこには桜の意匠。多分だけどサクラ・パンチのSAKURA粒子が乗ると思う。切れない相手は殴るからココを使ったりするんだよ。
まあ小回りきいて良い感じだ。刃渡りもうちょっとほしいけどね。背を伸ばさないとだ。
もう一つの武器バックラーは直径30センチくらいで、真ん中がぽこっと丸くなっていて、中央に長いスパイクが着いているベーシックな物。
ただこれが強くてさ、めちゃくちゃ堅いからスパイク絡めて相手の剣を折ることが容易に出来るんだよ。殴るように持てるから、挨拶代わりの左ストレートもスパイクついてる状態で出来るからね。利き腕左だけど、多分右足が前のスタイルから左足が前のスタイルに変更すると思う。オーソドックススタイルっていうんかな。
たださ、訓練官に言われたんだけどさ、
「モンスター相手に片手剣はアホ。しかもそのサイズで戦うのは馬鹿とも言えるレベル。ソードアンドバックラーは対人間用。モンスターにはリーチのある槍を使え」だってさ。
ごもっとも。ごもっともすぎる。槍、あるんですよね、おかーさんが決戦用に作ったあれが。あれでツンツンした方が良いかな……。ま、ショートソードというサブ武器があるってことで。
サブ武器といえば、ここあちゃんの身長でも十分に扱えるサイズだったので近接戦闘になったらメイン武器として使うってさ。にっこり笑ってありがとうって言われたのはとろけそうなくらい嬉しかったなあ……よだれじゅるり。
「さーて、いつ出発しますか? 雪乃さん来るのなら挨拶したいけど」
「まだ寒いから来ないんじゃないかしら。階位も18位をもらえるんだしすぐにでもいきたいわね」
そうなのだ。博士を殲滅したので18位をもらえることになったのだ。20位から2段階アップ。
博士殲滅で18位だから、位の高い人は本当に凄いんだなって思わせてくれるよね。名誉階位もあるとは思うけどさ。
「じゃあ、まいりましょうか。夜はぬかるみも凍結しているからフィーが歩けますからね。乾くのは一週間後という所でしょうか」
「この時期夜間は誰もいないからボクはずっとソファーでお菓子食べていられるな。わーいらくちんらくちん」
「夜間はフィーだけで歩いてもらいますが、日中は交代制ですよ、残念でしたね」
えーそんなー。そもそも日中はぬかるみで歩けないじゃーんなどというここあちゃん。ごもっとも。ただうちにはおかーさんが居まして……。
「おかーさんがフィーのタイヤを幅広で大口径、そして8輪駆動にしといたわよ! フィーの燃費は下がったけど日中も走れるわ!」
まあこうなる。でもここあちゃんにはなんどか手術室に来てほしいそうだ。なんでもとある実験をしたいそうで。もう理論は完成しているからあとはやるだけだという。なんだろね。
それじゃしゅっぱーつ!向かう先はまずは国際河川のドリアン・オレサマだ! 国際河川の記憶がないから楽しみでござる。
「フィーにお肉あげる間隔が短くなったくらいで、今まで以上に快適ですね、この亜空間」
「大きくなったから何もかも変えましたからね。お風呂も広々としてますし、個室も大きいです。村で補給さえできればどんどん大きくしていきたいですね」
「大きくすると、変身した際に子犬とかになれなくなるんで、あまり大きくはしないでくださいね。親友からのお願いです」
「今のところフィーの素材保管室が岩で満杯くらいじゃないかしら? 不満って。個人の物は恥ずかしい物は個室、そうでなければ共有チェストにしまってるし」
「あと大きな拡張一回すると、子犬から中型犬の間にしかなれなくなっちゃうなーそれはちょっと。チェストをもっと作って貰う方向でいきませんか」
そんな話しをしながら進むこと200キロ。国際河川まで腐ゆっきー街から400キロ。なっが。この星デカすぎるよ。フィーの進む速度がかなり速いので相殺されているけど。
「先進街だった腐ゆっきーの街と、銀河と接続していて銀河技術が手に入る日本銀河帝国の飛び地。間の村がどれくらい先進的なのは見てみたいですね。ちょっと食料ないか寄ってみましょうか。冬明けすぐなんでないと思いますけど」
街道を離れて村道へ。道がぐっちゃぐっちゃ。これは期待できないなあ。8輪駆動でも動かないので、夜間まで待つことになった。これは履帯を付けるぞ、あのババア。キツく言っておかないと。
「ここまでぐっちゃぐっちゃだと村も期待できないですねえ。エネルギー積層技術もやってないかも。そもどこの領地なんでしょうか。調べたところ腐ゆっきー町は独立都市でしたよ」
「ねえねえおかーさんに「だめです」まだなにもいってない「駄目ったら駄目。私だって履帯の燃費の悪さ知ってますよ。フィーが動けなくなったらみんな死んじゃうんですよ」 (´・ω・`)そんなー 」
「ボクとルカさんで村まで行ってこようか。フィーは夜間になっていったん通常モードにならないと動けないだろう? なんか御用でもあるか聞いてくるよ」
「ここあさんの推力なら大人一人なんて余裕で飛ばせますしね。それでいきましょう。無線はあずきさんとここあさんが繋がりますよね」
「うん、アンドロイド2名は無線能力も向上してきているので。外にいますので何かあったら無線下さい」
というわけで二人は飛んで行った。今思えばここあちゃんの推力ならフィーくらい担げるよね。フィーも小さくなれば良いし。まあ良いか。
フィーの鞍に乗り、ぽんこぽんこリズム良くフィーを叩く。フィーもワンワンばうばう吠えてリズムを取る。のどかー。
「こちらここあ、あずき、聞こえるか?」
「お、こちらあずき、聞こえてるよ。首尾はどうだった」
「めぼしい物はないが、コボルトの群れが近くにあって昨年はあまり小麦を生産できなかったようだ。コボルト退治、いくぞ」
「まさに
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