第一部・完

第2回星投げポイント終了

幕間 なになにおしえてここあちゃん (幕間なのに2800文字あります……)


 会話文しかないので、見やすくするため特別に会話の最中に改行空行を入れております。

 ――――――――


「え、ボクの装備はなんだって? か」

「うん、忙しさにかまけて聞いたことなかったし」

「そういえばちゃんと説明はしたことなかったな。それじゃ服から。」


 深い紺色の戦闘服。

 迷彩もしていないし特にないも加工していないが換えは一杯ある。

 どこでも注文できる。


 同じ色の装甲服。接触硬化技術が用いられており、ひらひらしている。

 裂けたマントみたいな感じ。少しキラキラしてる。


「この装甲服が防御の要だな。まあそれ以外にも電磁防御やかなり堅い表面装甲もあるわけだが」

「んでんで、なんで装甲服が防御の要なの?」

「んーと、これでいいか。どうでも良い布だ。ピンと張る。

 お前のナイフじゃどんな物でも貫いてしまうから……このペティナイフを使おう。これで刺してみろ」


 ブス。簡単に刺さった。


「刺さるだろう。じゃあちょっと置換してもらって真ん中を結って直して、軽く硬化してくれないか。

 今度はひらひらとさせてみよう」


 ぶすっといったが、刺さりはせずひらひらしているのでしっかりと力が届かないし、硬化したところを貫けない。


「まあこんな感じだ。接触した瞬間に硬化させて、且つひらひらが勢いをそぐんだ。

 勢いをそいでしまえばボクは超反応と超高速移動があるから十分に対応が出来る。

 距離取ってから電磁防御に任せたり、そのまま飛んで勢いを殺しきったりな。


 装甲服の布もかなり靱性が高い素材を使っている。こういう防御だから殴られると弱い。背も低いからなおさらだ。

 でもフォワードが殴られてくれてるからな」


「なるほど強い。フォワード強い。聞きにくいですがゴブリンジャイアントデスキングロードの時はなんであんなことに?」


 ここあちゃんは渋い顔になる。


「あれはなー、プラズマライフルでゴブリンジャイアントデスキングロードを攻撃していたときに突進してくるゴブリンジャイアントがいてな。

 それだけならよければ良いだけなんだが、当時のセンサーでは感知しない魔法の糸が絡んでいたんだ。

 それに引っかかって、ゴブリンカッターゴブリンの前にライフルが落ちてな」


「ありゃ、それはまずい」


「魔法で出来ていたらしく糸は消えたからジャイアントは蹴り飛ばして失神させたんだが……ここは武器喪失で撤退するところなんだが。

 ライフルをどうしても回収したくてな、突っ込んだ。魔法の糸があった。

 なんとか右腕だけ切られて回収した」


「ほうほう。それで,、喰われそうになったじゃん」


「まあ、高速移動する奴はバランスが命なんだ。右腕が無い状態じゃまともに飛べない。

 もがいたがどうにもならなくて士気喪失、ってところだな。

 お前との特訓でバランスも士気も戻したけどな。あの特訓がなかったら今ここにはいないよ」


「でへへ。それじゃー武器の方をよろしくお願いします」


「武器か……巨人を倒したときのワンオフ機の時を説明しようか。それ以外はシンプルだからな」


「あ、じゃあシンプルな方で」


「そうか? 簡素だぞ。スモークグレネード、閃光グレネード、フラググレネード、これを複数。

 今はバックパックと寸胴型物質置換機、大量のコアと複数の岩があるから実質はほぼ無限に持っている。突入や後退、撤退時に使う物だな。

 武装はレーザーライフルに右手のエネルギー速射砲、左腰に付けているお前のナイフだ」


「本当にシンプルだ。プラズマライフルじゃないの?」


「一応ライフルを変形すればPになる。ただ無理をしてPを撃つので消耗が激しい。

 戦闘中に壊れちゃったらたまったもんじゃないからな。普通のRライフルを使用してるよ。


 以前は普通のマガジン式だったけど、所長の設計図によってマガジンに無限エネルギーを貯められるようになった。

 銃もかなり耐久力が上がったしチャージすれば巨人の腹部にも穴開けられるぞ」


 へー。


「街のエネルギー積層技術の魔法陣にパワー入れたときのように、無限エネルギーはエンジンみたいな物で、出力があがるまでに時間が必要なんだ。


 私専用にカスタマイズされているからな、Rライフルも無限エネルギーのチャージが必要なんだ。チャージするのはライフルにでは無くて、マガジンにチャージするんだ。

 マガジンごとにチャージ量変えて持てたりとか、オーバーチャージも出来るんでこれはこれで便利だぞ。


 なによりマガジンチャージだからマガジン複数個にフルパワーで溜めちゃえばかなりの数の全力射撃が可能。私は手先が器用だからリロードも一瞬だからな。

 ああ、チャージし続ければずっと撃てるぞ」


「私まだセンサーでもレーダーでも視認でも高速移動されたら捉えられないもんね。それで撃たれたら勝てないわ。じゃあエネルギー砲のことを、次に高速移動と飛行も教えてね」


「今日はやけに教えて君だな。

 エネルギー速射砲は所長に付けてもらった砲だな。弾速は速いしビームの一種だし速射砲に名を恥じない連射力だし自分の意思で弾道を変えられるし。

 しかもチャージ出来るから第2の主力だな。


 お前が屍鬼にボコボコにされたときかなりチャージして頭蓋骨くらい割ろうと思ったんだが割れなかったな。さすが初回アンドロイド君」


「痛かったで終わったなあ……その割には博士の先っぽは貫いて侵入してくるんだよね。

 おかしい。

 では飛行のことを」


「私のエネルギーは場所は教えないが無限エネルギーでできている。

 何でも無限だ。

 出力、燃焼時間、限界高度。他にもあるが大体何でもだ。


 以前宇宙に行こうとしたことがあったな。行けるからな。

 宇宙でも推進は出来るし、内圧も下げられるし呼吸も要らないから宇宙で生活できるんだぞ。


 まあ、このエネルギーを使って体中についている主推進や姿勢制御推進を吹かして移動したり飛んだりする。

 もう何年も生きているからここは特に強力だぞ。

 推進機関にパワーをかなり貯めた状態で活動できるから、いきなり高速機動をすることが可能だ

 そもそも足が速いってのもあるな。三千数百年かけて育て上げた自己進化による足の速さは並大抵じゃ無いぞ」


「最後、自己進化お願いします」


「長いなあ。

 簡単な部分では常にシステムが最適化とアップデートをしていて、深い部分では常に全ての器官が発達している。

 付けたばかりのエネルギー速射砲はさほどの威力じゃ無かったけど、今のエネルギー速射砲は改良が入っているから凄く強いぞ、そんな感じで常に改良が入るんだ。

 傷を負ったところは人間の超回復みたくさらに強くなって回復する、という感じかな。右肩の強度はあずき並になっているはずだ。


 回復し続けているから、ボクもあずきと同じくほとんど不老不死って奴になるよ。

 肉塊にはならないような設計みたいだけどね。

 ただ、腕がまた生えてくるような不死性は持っていないからそこは別だな。

 壊されたとして記憶装置とエネルギーだけは保存してくれないと、別人になっちゃうな。


 ボクは生きて三千数百年、それでこの強さだけど、あずきの強さの伸びはこんなもんじゃ無いよね。あと6000年くらい旅をやめて待ってくれないか?」


 なにをだよ。


 というところでカメラチェンジ。おかーさーん。


「え、これ撮ってたの? なんで?」


 なんでもー。

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