第33話 次の旅へ
「巨人から取れたインプラントだ。所長の博士探知には引っかかっていない。ピンクちゃんのバグ破損にも引っかかっていないぞ。とりあえず挿してこい」
虹色のインプラントを手に入れた。たしか、全部のインプラント種類が入っているとこうなったはず。
「やったね! 虹色は凄くレベルアップするよ! ばんざーい! ٩(ˊᗜˋ*)و ٩(ˊᗜˋ*)و 」
「早く取り付けてみよう」
「そうだねー、それじゃあいつも通りに!! (*´﹃`*) 」
固定され、ぐるんとうつ伏せになり、麻酔マスクを被る。一瞬で意識が落ちる。
「目が覚めたよ」
「わーい、僕の狙っていた時間通りだよ! 本当にここは安全になったんだね! ₍₍ ◝(•̀ㅂ•́)◟ ⁾⁾₍₍ ◝(•̀ㅂ•́)◟ ⁾⁾ 」
「そうだね! ログ見るか」
――――――――――
手術ログ
インプラントタイプ スペシャル
総合的なレベルアップ
1細胞が出すエネルギーの大幅上昇。
皮下装甲強化レベルが大いに上昇。
表面装甲レベルが大いに上昇。
セーラー服、シューズ、スパッツ、下着の強化。
融合脳の搭載。
脳の電撃耐性2段階強化。
エーテル生産設備の1.5倍化。
貯められるエーテルの増量。
魔力スロットの直列3列化。
レーダー及びセンサー機能の強化。
アイセンサーをアイディスプレイに。表示される情報の向上。
右脚からショートソードが出る。
腹部からバックラーが出る。
右腕から射出兵器が出る。レベル1。
WAZA:
身長の増加:152センチメートル
背中に物を入れるスペースの搭載
以上
――――――――――
「基本のパワーアップと武器かな。融合脳になったのか。今まで機械と生体で分かれていたんだけど……利点あるのかな」
「なりたい自分になれるよ。もっと温和で優しいとか、厳しくて自分を律するとか」
「ピンクちゃんが真面目に言うんだからそうなんだろうね。なりたい自分かー」
「あと、あと、性能がアップすると反射神経とか神経がなくなって脳が全てをコントロールするようになるよ! ₍₍ ◝(•̀ㅂ•́)◟ ⁾⁾₍₍ ◝(•̀ㅂ•́)◟ ⁾⁾ 」
それは利点なのかなと思いつつ反射神経がなくなると言うことは最適な行動を瞬時に判断するということなのかなーと思ったり。脳の思考能力が凄く速くなるんだろうね。
博士の針はもう通さないと思う。それくらい堅くなった自負がある。
継続して力が伸びる1細胞がだすエネルギーの増加のおかげで、今度はあの強い屍鬼にも負けない。60日くらいで細胞は置き換わる。
エーテルは、ちょうど良いや。これから置換技術を沢山行うし。
魔力スロットは直列3列になったけど、パワーは操れるからスロットの増加と見なせるし、直列効果でサクラフレアのパワー増強にもなる。メリットしかない。
サクラフレアの強化はないのかなあ?
ショートソードにバックラーは良いねえ! どんなソードが出るかわからないけど、ナイフよりは長いでしょ。リーチは戦いにおいて命! 腹部のバックラーと合わせて効果的な戦いが出来るでしょう! 雪解けまで訓練積まないとね!
射出兵器と
背中に物を入れるスペースって、確認したけど皮下装甲の内側に入るみたい。一枚膜があって膜と装甲の間に入るみたい。中に何か入れても違和感なし。完全防水、電撃遮断。氷結無効、火炎無効(いくら拷問に耐えたからって、真っ黒になるまで背中焦がしたのは辛かったよ……)。あれだよねえ、護符とお守り入れろってことだよねえ。その割にはスペース大きめなんだよね。護符以外のも想定している?
というか、護符を入れる場所を作るとか普通のインプラントじゃ考えにくい。スペシャルインプラントには意思でもあるのかな。
さてと。インプラント考察はこれくらいにして、置換してきますか。おかーさんに中型魔力コアをスロットに入れてもらい、超大型袋に集めた死体を置換していく。
討伐隊や傭兵も参加して集めてくれるけど、死体の数1000以上、綺麗に死んだ死体ほぼ皆無なんですよ、めんどいってもんじゃない。
先に血液をやることに。
街の周りに溜まりに溜まっておりますが、繋がっているので一気に灯油にしちゃいました、てへ。
灯油にしたのは、日本銀河帝国のJUNA本部――JUNAってのはこの星の名前なんだそうな。ほぼ使われないなあ――がJUNAにおいて定めた灯油の規格が優秀だからってのもあるけど、無限電源があるので外でも石油ファンヒーターが使えるんですよね。大型の石油ファンヒーター私の部屋にあったんで。それがなくても街行けば買えるし。
酸素不足や一酸化炭素中毒に気をつけながら夜間テントの中に暖かい風を送れるのは便利だと思ったんだよ。
夜間テントに入る機会があるか微妙だけど。フィーがいるからなあ。
キャンプにも使える。ファンが回らない普通の灯油ヒーターにも使える。
ちなみにファンヒーターもヒーターもタンクが非常に大きいでっす。夜間が60時間あるからね。
キャンプに使うならホワイトガソリンも良いじゃんってなったけど、バーナーとランタンしか使わないしちょっと使い勝手が悪いかな、ということで必要な分だけ置換しようってことになった。ホワイトガソリンを日本銀河帝国JUNA支部レベルの品質にするには、寸胴型物質置換機が必要だけどね。
かき集めてもらってフィーの亜空間収納室へ。私の置換じゃ本物の灯油にはならないので、寸胴型物質置換機で精製するって寸法よ。
しかも寸胴型ならナノマシンを混在できる。ナノマシン入れると火力がアップするしなぜか燃費がよくなる。ナノマシンが高効率大火力燃焼物体に変化するんだろうね。
早く置換しないと屍鬼が来るので急いでやってたんですけど、屍鬼は来ました。
討伐隊が「キェェェェェェ!!」って言いながら蹂躙してたけどさ。私を蹂躙したあの屍鬼までをもね。
討伐隊には勝てる気がしない。
3日180時間かけて全部の死体を処理しました。疲れた。
巨人の死体は特大コアになってもらった。
ペットは粉みじんなのでかき集めてサクラフレアで消し飛ばした。再生能力あるからね。
再生というか、亜空間か異次元から身体の元を転送している感じがしたけど。
偽博士といえども侮れないなあ。
その間に灯油は精製され、岩は置換を繰り返して大型魔力コアと各種電池になり、フルオートの10式マシンガンとその弾になり、30ミリ機関砲の弾となり。
30ミリ機関砲がフィーのリロードからチェーンガンになって自動装填になったりしてました。岩はまだまだある。
「置換した結果は特大コア1つと中型コア657個か。あの激戦を見るとちょっと物足りなくなるわね」
「激戦らしい激戦は、巨人戦と私の首に針が刺さったときくらいですよ。ほぼ完封して600個以上のコアと1000リットル強の灯油をもらえるのはお得じゃ無いですかね。私個人でいえば練習できたから置換技術の操作も上手くなりましたし」
「巨人戦が激戦だったから全体も激戦と見ちゃうのかもね。死者が出るくらいの戦いだったからね。街は無傷だし
――少し時間は経ちまして。
「もうすぐ雪解けだねえ」
「そろそろ出発でしょうか。ミカさんどうですか」
「そろそろ出発だけど、まずはソファーなどのラウンジ設備と、個室の防音板かってこないと。こんなに栄えている街はそうそうないよ」
そういやフィーが大きくなっても内装はほとんど変えてないんだよね。そんな余裕がなかった。出撃場からここまでほとんど休みがなかったよ。
「フィー、お疲れ様。なでなでしてあげようねえ。よーしよしよし」
「ばうばうー!」
「お尻可愛いねえ。もみもみ」
「ばうんばうん」
「お腹可愛いねーなでなでなでなで」
「ばうばうー」
「ほーら首筋なでなでだよー」
「ばうー……ぐがーぐがー」
ねた。
「ちょっと、ウチ達フィーの許可が無いとは入れないんだけど! せっかく資材買ってきたのに!」
「ジッパー開けるからそこからお入りください。私が許可出せば入れます。いいよね、フィー」
「ばうん……ぐがーぐがーぐがー」
「うんだって。横ジッパー開けるからそこからお入りください」
「本当に入れるのかなあ……」
すぽっ。
「ね、入れるでしょ。私とフィーは心で繋がってるんだよ」
なぜかはわからないけどね。そこら辺の記憶は博士に破壊されたんだろう。
室内を整備したら、次の街へ行きますかー!
旅は永遠に続く!
第一部・完
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