幕間 かたってもらおうあずきちゃん (3500文字強もあります……)


 会話文しかないので、見やすくするため特別に会話の最中に改行空行を入れております。

 ――――――――


「それじゃ、あずきちゃん、撮るわよーん」

「どぞー、今日はおかーさんディスプレイ表示しないで声だけで喋るの? 声だけだとピンクちゃんだよ?」

「主役じゃ無いからね。ここぞの時にディスプレイ表示するわ ₍₍ ◝(•̀ㅂ•́)◟ ⁾⁾₍₍ ◝(•̀ㅂ•́)◟ ⁾⁾ 」


 ふふ、ここぞの時が決まったわ。


「私はここあちゃん見たく、私そのものはシンプルなんだよね。

 防御は表面装甲と皮下装甲、骨格の強度かな。


 ダメージ食らった瞬間に発動するここあちゃんみたいな方式じゃ無くて、常に堅い。でも戦闘時以外はぷにぷにの艶々だよーなんでかは知らないけど。


 どのタイミングで戦闘になるかわからないんだよね。暗殺も戦闘だし、下水処理だって戦闘の一種だよ。どっちもぷにぷになんだよなあ。


 おいしい依頼だからって、円形刺突刃を本当の暗殺に使うのはちょっと心が痛かったな。


 あ、骨格はどんなインプラントが刺さったときでも強度が増してるよ。表示は無いけどね。

 翠乃沃土みどりのよくどが私の骨を割ってたとき大変だったろうなあ。


 骨の結合終わってからプレート担いで走ったけど、釘をぶっ刺してとりあえず動けるようにしただけで完全じゃ無かったから両手にしびれが起きてて全速は出せなかったね。


 ルカさんにヒーリングされなかったら過負荷重荷電ブーステッド・SAKURA粒子加速砲サクラ・フレアは撃てなかったと思う。思うというか、そう」


 よく喋るわあ、良い子に育ったのね。恩呼知真おんこちしんさん、ありがとう。第一アンドロイド研究所所長として、いや、おかーさんとして、うれしい。


「すごいわねえ。足回りはどうなの?」


「んー訓練で各種キックが連係で出せるようになったとか。あとなに? あ、速さね。


 腐ゆっきーの街に、精密に測れるところがあったんだけど、最速で100メートル4.5秒でしたね。

 時速80キロメートル。


 スピード付けては走らなかったからわからないけど、つけて100メートル3秒、パワーアップ込みで2.5秒くらいじゃない?


 2.5秒って時速どれくらいだろう。PDAちゃん呼び出してっと。144キロだってさ。

 今は脳もだいぶ改善されたから5秒くらいは同時使用出来るんじゃ無いかな」


「アンドロイドだから、どれだけパワーが上がってもスラッとしているのよね」


「1細胞が出せるパワーが増えるからね。それは嬉しいけど嬉しくないっていう人が一名。ここあちゃんです。ここだけの話、お胸の成長がしないとかなんとか。うっひょーばれたー! にげろー!」



「一時中断っと」



「再開。いやーボコられてるわねえ」


「まへばぜんふおられひゃ――前歯全部おられた――」

「でもその修復力ならすぐ治るんでしょ?」

「……うん、治ってきた。肉塊にはならないけどそこそこの不老不死ではあるんだよね。じゃないと1万年の拷問に耐えられない。


 一瞬でも考えると窒息するってことは、一瞬考えると窒息が始まって、苦しいって思っちゃって、それが引き金になって窒息して……の繰り返し。

 確か自分で思考回路組んだよ。脳の活動を停止させて、十分時間がたってから再起動する、その際思考を消去する、っていう。考えちゃ駄目って思っても駄目だからね。ま、アンドロイドだから出来る技だね。


 普通の話をすると、触手を自力で排出するくらいのことは出来るね、ありゃ指突っ込んでおえおえしたんじゃない、胃が押し上げて食道が引っ張って上に持ち上げて口腔内に運んだんだ」


「そういえばなんで胃を食い破られたのに他に移動できなかったの触手君は」


「んー、なんて言えば良いのか。私は生体アンドロイドで皮下装甲とか、そういうの以外は金属部分がほぼ――現状左腕のサクラ・フレア加速装置とパカッと取れる部分、魔力ソケットを覆う部分――無いんだけど、

 私もわかんないからあやふやな返答しか出来ないんだけど。


 膜というか、境界というか、ブロックごとに成形されているというか、一つ一つの臓器がなんらかの保護膜に覆われているんだよね。そこを突破できなかったんだと思う。


 頭部後ろの心臓は何度も破られて血をまき散らしているけれども、それが回復への最短ルートだから膜が無くなっているというか。

 戦闘で頭部思い切り殴られても破裂しないでしょ、通常の頭部後ろの心臓はそうなんだよ」


「すごいわねー。そういえば心臓は何個あるの、どこについているの?」


「ずーーっと思ってたけどおかーさんに話しても意味ない感じがするよね。


 心臓は五個。

 両太ももに一個ずつ、頭部後ろに一個、腹部に一個上半身の右おっぱい付近に一個。

 一個あれば血液は回せるよ、通常の生活は出来るけど戦闘行動は無理かなー。


 生活は出来るからどれもメイン級ではあるんだけど、一番のメインは右おっぱい付近のやつかな。

 これなら戦闘行動もちょっとだけ出来る。


 心臓によって血液を回したり止めたり出来るから、要らない場合は止めて他に回すことも可能。

 歯がすぐ治ったのは両太ももと腹部、つまり足と内臓の血液を顔に送ったからだね」


「血液送れば早く治る物なの?」

「それが治るんですよ。なんか含まれてるね」


「なんか雑然と答えてもらってるんで、なにを聞けば良いのかわからなくなっちゃったわ ( ・∀・)つ━╂───(´◎◞౪◟◎)──グサッ 」


「武器と道具っすかね」

「じゃあそれで (΄・◞౪◟・)΄◉◞౪◟◉)´◔◞౪◟◔’) 」


「今のところ武器はパンチとキック、投げ技など肉弾戦。

 パンチ力増強でショック吸収してくれるパワーグローブがあるのでそれで殴ったり蹴ったりしてる。

 堅い相手にはナイフ。


 私から取り出した道具は性能が凄くて、このナイフは切れないものはないと思うくらい何でも切れる。

 でも最近ショートソードとバックラーが出現するインプラントが挿入できたので、こっちに切り替えようかなーって思ってる。


 190センチの大女なら良いんだろうけど、私身長152センチしか無いからね……パンチが頭に当たらなくて腹部を殴ること多々って奴よ」


「へー武器変えるのね。道具はどうなの?」


「左手から出る道具は暗器である円形刺突刃と、ハサミだね。

 やっぱり私から出る武器なので切れ味が凄まじい。

 円形刺突刃は私の手のひらの下側からスパッと15から20センチくらい出て、スパッと収納される。

 薪を作れるくらい強くて鋭い奴。

 頸動脈を狙った暗殺が出来るからそのための暗器だね。薪作りの方が使用回数多いけど。


 ハサミは手首より先が全てハサミになるかんじ。少し大きく出来て、刃渡り15センチくらい。

 全長は何ミリメートルだろ、350ミリくらいあるかな。裁ちバサミの一種って言ってたかな。そうだよね?


 作りが古いっておかーさんが言ってたけど、片刃が刀を半分に割ったような刃で出来ているんで閉じた状態にするとすごい太いんだって。

 刺せばすごい大きさの太い傷が出来るから失血死は免れないってさ。

 切れ味はナイフ並み。裁縫道具でも揃えて裁縫しようかな?


 武器に使えたらなーって思ってたけど、

 そのまえにショートソードと翠乃沃土みどりのよくどが来ちゃった。

 道具として頑張ってもらう。


 最後に翠乃沃土みどりのよくど。こいつだけは一万年前の記憶があるんだよね。この子がその時の子かはわからないけどね。


 インプラントでくっつく、マルチツールになる寄生虫。

 私の血液を吸って成長する。自分の大きさは自由に変えられる。


 私の体からは出られないけど、右手でも左手でも頭部でも、どこにでも出現できる。まあ股間には出させたことないけど。強姦されそうになったら出してチョッキンして貰う。なにを? なんだろーねー。


 んでんで、これから述べることが出来る。


 成長すればするほど多種多様な工具に変形できるし、工具を大きく出来る。

 鈍器にもなってくれると思ってるよ。巨大なレンチで殴ったら、バールのようなもので殴ったら、そりゃ鈍器でしょ?


 こいつの凄いところは、いわゆるお店で売っているマルチツールをそのまま巨大化してくれること。大型ナイフは勿論、、ノコギリ、ハンドアックス、物掴み(プライヤーっていいます)、ピンセット、ワイヤーカッター、爪楊枝、ハサミ――普通のもほしいよね――、などなど。


 全部表記するととんでもない数を書くので省略省略。

 つまりわかると思うんだけど、アウトドアから戦闘まで全部出来ちゃうよね!?!?


 大きくなってくれるってことは、マルチツールのメリットでありデメリットでもある良くも悪くも携帯に便利な小ささを解消してくれるんだよね。


 成長したらとんでもなく化けますよ……骨を割った工具――なんだったんだろう――とピンセットと爪楊枝で既に博士の先っちょを取り除いてくれてますからねえ」


「あずきちゃんあずきちゃん」


「ん、なに、おかーさん」


「オタク語りはその辺にして撮影やめない? おかーさん疲れてきちゃった」


「お、オタ……ク……」


 はい、撮影終了。付き合っていたら夜が明けちゃうわ。

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