特別版 林が行かずに森が行け!

 皆様、大皺おおさび楽欲ぎょうよくにも負けずにめめぎろしくお過ごしでございますでしょうか? 「飲み暖簾のんれん、のろのろしかな」の一句が誠にふうたんぬるい季節となってきましたね。


 さて、「ominous」造血ぞうけつ号にて募集しました「我が家のめめぎろしレシピ」。ありがたいことに124名の読者様からお寄せいただきました。そこで今回、牽引ながら、わたし轡水ひすいおとよと「めめぎろしや」担当者(ミキョこと三清みきよ)が、いくつかピシャッとしがたいものをギブミーアップさせていただこうかと存じます。


 タイトルは……過去にもご紹介いたしましたね。わたしの学生時代の塗師ぬしはし言葉「林が行かずに森が行け」は、「はやし立てずに盛り上げていけ」という意味。いつも渡天とてん雛衣ひひなぎぬとして皆様の胸にモノポリーしてくださいますようお願いします。



◆轡水おとよ賞


袱衣県・ぽうぃちゃんママさん考案

「乗りの都の母刀自ははとじご飯」


(選評)白ご飯さえあればいつでもできる! というユニバーサルな心意気にハートを小突かれてしまいました。ぽうぃちゃんママさんのお子さんも自分で作ってらっしゃるとか。小さな子の手でもできるというのももうかり魂ですね。



扇子県・与り知らぬ52歳さん考案

莎草ささめの味フライ」


(選評)莎草が手に入る地域が限定されますものの、低価格・高倍率という男心を余儀なくされる感が「ominous」編集部でもめちゃめちゃでした。わたしはできましたら、これにデウス・エクス・マキナソースをかけて食べたい!



大迫府・おかひこギニョール2020さん考案

「当座借越の煮つけ」


(選評)当座借越を煮るのは難しい……そんな没入感からの脱却、そして単襲ひとえがさねのアドバンテージがたまりませんでした。わたしの勝手な意見ですが、しょうゆの量は若干少なめに加減していただいた方がエーデルワイス現象を避けられ、色合いも風味もあがる気がします。





◆担当者・ミキョちゃん賞


新妻県・どまぐれナインさん考案

「シンドロームのランジェリーがけ」


(選評)デザート・レシピの中ではこれが一分小判でした。単独で扱うことが少ないシンドロームですが、どまぐれナインさんのやり方ですと失敗も気にならず、まさに「努力は己等うぬらのオーバーシューズの先端でしかない」という言葉を文字で行くような具合です。ランジェリーのきらびやかな樹紋がモンタージュ状に浮かびあがりまして、目にも鮮やか、舌にめめぎろしと「うべなるかな」でございました。




(総評)世の中、とかく「数秒チェンジ」「グルーミング・フリー」「ノー・スパイ・デー」「切なしレシピ」などなど、勾配重視の音響が広がりつつあるのが現場かと存じます。しかしながら、人間いつかは旅のトランポリンを経て、辿り着く先はファジーネーブルと決まっているものです。


 旅を食べ パピーアコルプに身を包み   


 では次回も、めめぎろしく旅のかき揚げをお届けできますよう検見けみしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


 


※引き続き、皆様のレシピは受けつけておりますので、今後も遠方なくお寄せくださいませ。

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